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Solaris 10の延長サポート終了が2025年に伸びていた話とSolarisのバージョンのまとめ

Last updated at Posted at 2023-06-27

はじめに

タイトルの通り Solaris 10 の延長サポート(Extended Support)の終了日が、この間まで 2024年1月1日だったのが2025年1月1日までに一年伸びていたというだけの記事です。なお最新版は Solaris 11 なので古いバージョンの話です。Solaris を業務で使用している人にとっては今更な話題なのかもしれませんが、検索しても 2021 年で終わりだとか 2024 年で終わりという記事ばかりで。私は Solaris を開発したシェルスクリプトの動作検証用としてしか使っておらず詳しく調べていないので見逃していました。

気づいたら2027年1月にまで伸びていました。

New end date of Extended Support for Oracle Solaris 10 and 11.3
(October 25, 2023)

Solaris に興味がある人へ、Solaris 10 系の最終バージョン 1/13 と Solaris 11 系の最新バージョンの 11.4 のダウンロードは以下からどうぞ。Solaris 10 はオープンソースとしてソースコードが公開されましたが Solaris 11 で事実上のクローズドソースに戻ったようです。しかし Solasris 10 も Solaris 11 も個人利用や開発用途であれば無償で利用することができます(アカウント登録が必要)。もちろん本番環境での利用はサポート契約が必要です。

Solaris 10 の延長サポート終了の日付の遷移

どうやら Oracle は Solaris 10 から 11 へのアップグレードパスを用意していないようで、そのせいで移行が遅れているようです。たび重なる延長は Windows XP を思い出しますね。Solaris 10 は 20年のサポートですが XP って結局何年サポートされたんでしたっけ? 12年半? でも例外措置としてのアップデートとか有りましたよね。もっとも Solaris 10 は 2025 年で終了だとしても、Oracle は Oracle Solaris 10 Zones や Oracle VM Server for SPARC といった仮想化技術を使った延命方法を案内しているので、業務利用で本当に消えるのはまだ時間がかかるのかもしれません。

Solaris 10 のバージョン番号

これだけじゃ記事として味気ないので、自分自身の備忘録として Solaris 10 のバージョン番号を調べてみました。Solaris 10 の SunOS としてのバージョン番号は 5.10 です。Solaris 10 は 2005年1月にリリースされ、以下のようなバージョン(アップデート)が有るようです。

バージョン番号 リリース日 バージョン番号 リリース日
Solaris 10 3/05 2005年3月 Solaris 10 10/08 (U6) 2008年10月
Solaris 10 1/06 (U1) 2006年1月 Solaris 10 05/09 (U7) 2009年5月
Solaris 10 6/06 (U2) 2006年6月 Solaris 10 10/09 (U8) 2009年10月
Solaris 10 11/0 (U3) 2006年11月 Solaris 10 9/10 (U9) 2010年9月
Solaris 10 8/07 (U4) 2007年8月 Solaris 10 8/11 (U10) 2011年9月
Solaris 10 5/08 (U5) 2008年5月 Solaris 10 1/13 (U11) 2013年2月

特定のバージョンだけを見てもバージョン番号の意味がよくわかりませんでしたが、単に「月/年」になっているだけですね。こうやって見ると半年か一年ぐらいでアップデートされていたようです。そして2013年2月を最後にアップデートはでてないようです(パッチは出てるらしい?)

Solaris 11 のバージョン番号

Solaris 11 は 2011年11月にリリースされました。Solaris 11 の SunOS としてのバージョンは 5.11 です。次のようなバージョンがリリースされています。

バージョン番号 リリース日 サポート終了
Solaris 11 2011年11月 ?
Solaris 11.1 2012年10月 ?
Solaris 11.2 2014年4月 ?
Solaris 11.3 2015年10月 2024年1月 2027年1月(延期)
Solaris 11.4 2018年8月 2034年11月 2037年1月(延期)

Solaris 11.3 はギリギリまだサポートが継続しているようですね。2018年8月の 11.4 が最新バージョンで5年近くアップデートされていない?と思いきや、それ以降は SRU と呼ばれる細かいアップデートを適用する方針に変わったようで、2023年6月27日現在の最新版は2023年6月23日にリリースされた 11.4 SRU58 です。SRU はセキュリティパッチだけではなく機能追加も含まれ、月1回ぐらいのペース(?)で SRU がリリースされているようです。ただしこの SRU は有償らしく個人利用者は入手できません。最初どこでダウンロードできるのかわからず探しまくりましたが、サポート契約を結ばないとダウンロードできないということです。

現在無償でダウンロードできるのは、2018年8月の最初の 11.4 版である GA (11.4.0)と、2022年2月の SRU42 相当の CBE (11.4.42) だけです。11.4.0 をアップデート(pkg update--accept)したら 11.4.42 に更新されました。サポート契約を結んでいたら、おそらく 11.4.58 になるのでしょう。GA や SRU や CBE という用語については「Solaris 11.4 CPU(Critical Patch Unit)の当て方」でわかりやすくまとめられていました。こういう用語も個人利用者にはわからないので、ダウンロードページで配布されているのはなんなのか悩みました。

SRU での更新内容は Oracle のブログを見ると把握できると思います。CBE についての詳細も書かれており、CBE はベータ版のようなものであり SRU の修正のすべてが含まれているわけではないようです。

個人的には C.UTF-8 ロケールが SRU42 で追加されていることが気になりました。一つ前の SRU57 では bash も最新の 5.2 にアップデートされていることがわかります。私は個人利用なので現時点では SRU42 での動作検証が限界ですが、また何ヶ月か何年したら次の CBE か 11.5 がでるのだと思います。ちなみに Solaris 12 はでないらしいです。

さいごに

あと数ヶ月でようやく Solaris 10 も終わり、Bourne シェルが /bin/sh として使われている残り少ない OS が一つ消えると思っていたのに、まーだ続くんですかね?

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