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注意:長文になってしまったため、想定する読者毎に章を分けました:

  • フランス語検定の話を読みたい読者の方 ⇒  6. からお読みください
  • Duolingoについて知りたい読者の方 ⇒  2. から 5. までお読みください
  • 結論を知りたい方 ⇒ 7. をお読みください
  • それ以外の方(全て知りたい方) ⇒  1. からお読みください

1.背景(どうしてフランス語をやることになったのか)

 スピーキングを中心とした英語の学習方法を知りたいと会社の同僚に相談したら、Duolingo というアプリを紹介してもらった。早速このアプリを使ってみると、英語以外にも複数の外国語が学習できると判明。どうせ語学アプリを試すのなら英語以外の外国語を試してみたくなってしまった。というのも、受験勉強やら仕事で使っていて慣れてしまっているので、英語はアプリによる学習効果が測りくい(効果が少ない?)かも知れないと思ったからである。それよりも、未知・未経験の外国語を一から学習してみてどこまで使えるようになるのか?どの位の期間続けられるのか?...などを試してみた方が新鮮な気分で取り組めるし、新しい発見もあるかも知れず、楽しそうだったんで。
 Duolingoを使い始めた2023年7月時点、そして本記事を執筆している現時点でも、Duolingoは日本語環境での外国語学習コンテンツ(正確には日本人向け外国語コンテンツ)は選択肢として4言語(英語、フランス語、中国語、韓国語)である。ここで英語を除外すると、実質フランス語、中国語、韓国語の3言語しか選択肢がなかった。 注1
 英語以外の3言語で筆者がやってみようと思えたのが、フランス語だったのがフランス語を始めた理由である。翌年にはパリでオリンピックも開催されることもあって、何かの役に立つことがあるかも知れないという程度の理由しかないのが正直なところ。
つまり、フランス語をやることになった理由をまとめると:

  • アプリDuolingoを使って語学学習をすることになった
  • せっかくだから英語以外の語学を選択してアプリによる語学学習の効果を測ってみたい
  • Duolingoでは日本人向けには韓国語・中国語・フランス語の3つしか選択肢がなかった
  • 3つの選択肢からフランス語をたまたま選んだ

注1:グローバル利用者(英語圏)向けの学習コンテンツとしては、とても多くの外国語学習コンテンツの選択肢がある。たまたま日本人向けの外国語学習コンテンツの種類が少かったというだけの状況。今後日本人向けの外国語学習コンテンツが増えるものと期待する。

1.1 詳細な背景説明(読み飛ばし可能)

 新たに配属先となったクライアントのチームが英語でコミュニケーション(メール、チャット、ドキュメントなど)が必要なプロジェクトだった。読み書きなら辞書やAI翻訳に任せればなんとかなりそうだし、リスニングは文字起こしの機能を使えば十分。一方で、自ら意見や報告などしなければならない時、スピーキングするのはハードルが高い。英語のコミュニケーションは5年以上の長期間でご縁がなかったので、自社の同僚に英語(特に会話)のブランクを抜け出す良い方法がないか相談してみた。すると、その同僚からDuolingoというアプリを紹介してもらった(その時まで聞いたこともなかったが、語学学習界隈では超有名なアプリ)。最近の語学学習はオンライン会議やアプリを使うのが当たり前とのこと。
 筆者の学生時代~社会人なりたての頃は、語学学習といえば文法学習に単語帳作成(丸暗記)、洋書や英字新聞など、労力&時間をどれだけ捻出できたか、そして短期間に集中してやれたか?がモノを言う時代であった。例えば、英検1級とかTOEICを900点以上取るにはこのように辛い日々の鍛錬に1年とかもっと長い期間が必要と思っていた。英検1級取得は己を鍛錬する武道と同様に「英語(道)」だなどと言う友人もいた。そんな経験をしているので、外国語が簡単に習得できるわけないと考えていたし、実際に英語の上級者を目指して少しの間取り組んでみて、(結局)挫折した経験もある(英検1級、TOEIC900点のどちらも未達成)。
 せっかくアドバイスしてくれた同僚には悪いけど、語学アプリで学習してもそう簡単には結果は出ないのでないか?と疑問に思ってしまった。というのも、これまでスマホ向けアプリの企画や開発現場を多く経験して、語学学習で実際に成功しているアプリはこれまで見たことがなかったからである。アプリの使用者(の語学レベル)と目的(どこまで語学レベルをあげたいか)をどう設定しているのか?千差万別の多くの利用者に満足してもらういつつ成果を出し続けていくことはとっても高いハードルになるのかなと(Duolingoの開発者に失礼な話であるが)一方的な自分自身のバイアスにより思ってしまったからである。
 とりあえず、試しにDuolingoを使い始めてみる。すると英語圏向けであれば学習できる言語は本当にたくさんの中から選べることが判明。世界中で使われてる語学アプリはやっぱり違いますねー。じゃ、せっかくだから全く新しい言語の語学学習がDuolingoでどこまでできるのか? を実験してみようかなと。よこしまな考えが先に立ってしまったのである。
 英語のコミュニケーションが必要なプロジェクトはどうなるの? という突っ込みもあるだろうが、プロジェクトを続けていけばそのうち英語に慣れてくるだろうし、未知の言語をどこまで学習できるか?の実験が終わった後にやりたければ後からやれば良いかなと。とにかく未知の言語をDuolingoで学習してみることに興味が湧いてしまって、もう後戻りができなくなってしまった(笑)。
 Duolingoには外国語学習コンテンツは多くの地域の言語があるが、日本人向けコンテンツとしては、英語・中国語・韓国語・フランス語の4言語が選択できた。日本人向けがあったことと、言語として漢字を使用してないし、翌年にはオリンピックもあるし...とまるで後付けしたような理由でフランス語に決定。

2.Duolingoアプリによる学習の前提条件

 アプリ(Duolingo)を使ってフランス語を学習開始するにあたって、以下の条件を設定した

  • 学習にはDuolingoのみを使用する
  • Duolingo以外のアプリや書籍など他のフランス語の教材は使わない(ゼロ知識でアプリの世界から開始)

3.Duolingoの機能紹介(日本人向けフランス語の場合)

3.1 レッスン機能

「レッスン」には以下の機能がある:

  • 単語を表示(発音[音声]付)⇒ 不正解を含む複数の選択肢から単語の正しい訳を選ぶ
  • 単語を表示(発音[音声]付)⇒ その単語を実際に話す(音声認識機能を使用して認識するまで)
  • 文法説明と共に、例文の表示(発音[音声]付) ⇒ その例文の意味を複数の選択肢から選ぶ
  • 単語を表示せずに音声によるリスニング ⇒ その単語を複数の選択肢から選ぶ or その単語を直接入力する(ディクテーション)
  • 日本語が表示されて、その日本語に相当するフランス語の文章を直接入力する(和文仏訳) ※注:音声入力も可能

ここにあげた個々のレッスン(単語の訳、発音、作文など)が複数回分を1つのまとまりとして1回分のレッスンを構成している。レッスンは利用者が学習を進めるときの最小単位で、1回のレッスンは数分で学習が完了できるようになっている

3.2 ユニットとセクション

「ユニット」はレッスンの集まり。
「セクション」はユニットの集まり。
例えば、セクション1では、以下の表のような学習を進めることができる(注:記事執筆時点の状態。定期的に内容が更新される可能性あり)

セクション ユニット 学習内容
1 1 基礎的な単語を使う
1 2 人にあいさつする
1 3 自己紹介する
1 4 現在形を使う
1 5 流行について話す
1 6 所有格を使う
1 7 動作や習慣を描写する
1 8 複数形を使う
1 9 性数を一致させる 注2
1 10 レストランで注文する
1 11 まちを描写する
1 12 行き先について話す
1 13 自分の家を描写する
1 14 職場について話す
1 15 食べ物について話す
1 16 現在形を使う

ユニットとセクションの特徴・機能は以下の通り:

  • 1つのユニットには、そのテーマに従った複数の種類のレッスン機能(問題)がある。1つのユニット内の複数のレッスンは合計でも数分~5分程度で学習を完了することができるように構成されている
  • ユニットの問題は表に記載したように学習内容(テーマ)に沿った内容の文章が使用される
  • 複数のユニットがいくつかまとまって1つの「セクション」を構成している
  • 表の例では16個のユニットで1つのセクションを構成している。セクションの中のユニットをすべてクリアしないと次のセクションに進めない(クリア後は後述の復習機能を使ってなんども問題を解くことができる)
  • ユニットを一つずつこなして(与えられた問題に正解してユニットを終える)、これを繰り返してスゴロクのように順番に1つのセクションをクリアすることが主な進め方である(見た目はスゴロクだが同じセクション内であれば好きなユニットから実施することが可能)

注2:フランス語学習者向けの注釈 「性数一致」
表の内容はフランス語を初めて学習し始めた最初のセクションである
現在形(フランス語の文法では直説法現在形)は外国語を学習すると最初に学習するので自然な流れである。一方で、「セクション1-9」にある"性数を一致させる"は、フランス語を初めて学習した筆者は、最初に躓いたポイントである。性数の一致は(他の言語のことは詳しく知らないが)フランス語固有の考え方であり、英語にはない考え方である。前提条件にも記載した通り、文法書は一切見ないでDuolingoだけでフランス語の学習をやりきるつもりだったので、丁寧な文法説明がなく例文と問題を繰り返すしか方法がないのである。文法を知らずに正しい文法の表現を導くのは簡単にはできず、この辺りからレッスンで提示される問題の正答率がものすごく低下した。

3.3 復習機能

以下の機能がある

  • 復習機能は、レッスン機能で使用されたレッスンを選んで個別に実施することができる。以下の機能がある:
  • 会話強化:スピーキングとリスニングの2つがある:
  • スピーキング:
    • スピークキングのみに特化した問題を10問程度試すことができる
    • ネイティブスピーカーの発音を聞いて、自分が実際に話す訓練を実施できる
    • 自分が話した言葉は音声認識機能を使って正しく発音できたかを確認する訓練
    • 音声認識がリアルタイムで動作するので、動作状況をフォントの色で判断できる
      • 正しく発音できた単語は(音声認識が完了して)、その単語のフォントが薄くなる
      • 正しく発音できなかった単語(またはまだ読んでない単語)は(音声認識が未完了で)、フォントが濃いまま
    • 音声認識なので、フランス語を正確に発音しないとクリアできない
    • 発音方法もわからず、なかなか思うように発音できないものも出てくるのでやってみると結構難しい。学習開始の前提条件でDuolingo以外使用しないことにしたので、聞いたものを物真似するしかないが、フランス語の発音は日本人には結構難しいかも知れない
  • リスニング:
    • リスニングのみ特化した問題を10問程度試すことができる
    • リスニングした内容はすべて手入力していく必要がある場合(ディクテーション 注3)と、表示された単語のボタンを次々選んで文章を完成していく簡単入力がある
    • ディクテーション画面でテキストを入力する代わりに、音声認識によるフランス語入力も可能
      • スピーキングで書いた通り、筆者の場合は、フランス語の発音が悪いせいで音声の認識率が悪く、意図したテキスト入力ができないため、結果的にテキストを直接入力した方が入力は早い。短い文章なら成功率は高いが実用的になるには発音が上手にならないと難しい
  • パーソナルトレーニング:間違えた問題と単語がある
    • 間違えた問題:間違えた過去に問題をアプリが覚えていて、復習ができる(正解すると対象から外れる)。直近で間違えた問題があるとチャレンジできる
      • 間違えた問題がないか、すでに復習で正解と判断された問題は、復習問題として表示されない
    • 単語:単語に特化した問題を10問程度試すことができる。単語の選択は単語と訳がそれぞれボタンとなっていてペアリングしてボタンを押すようになっている。なお、単語は綴りがボタンになっている場合と発音(音声再生)がボタンになっている場合がある

注3:フランス語学習者向けの注釈:ディクテーションを行うには、フランス語をキーボードから入力する必要がある。スマートフォンからフランス語のテキストを入力する場合(iPhoneの場合)、「設定」→「一般」→「キーボード」で"フランス語"を予め追加しておく必要がある。アクサン(アクセント記号)を付与したアルファベット(é,è,à)やœなどの英語では使わないものについても、正しく入力しないと問題が正解にならない(日本語と同様に一部のアルファベットを入力した段階で、入力している単語の候補を表示してくれるので、それを選べばテキストをすべて入力する必要はない。この入力方法に慣れるとそんなに難しい印象はない)

4.考察:Duolingoが語学学習を継続できる理由

 ここでは約1年間の短い期間だが使用者した感想として、Duolingoを使って学習が継続できる理由についての私見を簡単にまとめてみる。筆者は、Duolingoによる語学学習を絶対推すというわけでなないが、これまで継続できた理由をいくつか挙げてみる

  • 週間トーナメント(グループ内でのランキング機能)で降格したくないという理由
    • Duolingoを使用すると毎週開催される独自のリーグに自動的に参加することになる
    • 日曜日19:00に参加するリーグが決定してそれから1週間(翌日曜日の19:00まで)の間にどれだけ経験値を得たか(レッスンや復習をすると経験値が得られる)を競うリーグに参加する
    • リーグに参加しているメンバーは世界中から不特定のメンバーが自動的に選ばれている
    • 参加したリーグで週間経験値が上位に入るとに上位のリーグに昇格、上位に入れないと下のリーグに降格となる
    • 最初に参加するリーグはブロンズリーグ。そこから週に1回ずつ昇格していくと最後はダイアモンドリーグに参加する
    • ダイアモンドリーグにあがるまでに全部で10個のリーグがある。上位のリーグになればなるほど、週間経験値を基本的に上昇させ続ける必要がある(運よく経験値が多くなくても昇格する場合もあるが)
    • ダイアモンドリーグは最後のリーグのため、このリーグでの生き残りをかけた争いが熾烈なためさぼっているとすぐに下位の順位に落ちて降格しまう
  • 会社の同僚と相互に競うという理由
    • 会社の同僚をフレンド登録すると、相互に経験値や参加するリーグ名や継続日数などの学習進捗が見えるため、相互に切磋琢磨できることが継続できた最も大きな理由である
    • なお、会社の同僚と同じランクのリーグになったとしても、週間経験値を競うための同一グループにはお互いになぜか選出されない。無作為に選ばれたであろう自分の同僚や登録済のフレンド以外の未知の他人が入ったグループに毎回、参加することになる。フレンドが同一のグループに選ばれない理由は不明。フレンド数が多いとどうなるのか?など手段を考えると結構ルールが大変そうだが、使用者としてはこの点は改善してもらいたい

5.Duolingoでフランス語学習を3か月間継続してみて

 全く身に覚えのないフランス語をDuolingoを使って学習してみてどこまでできるようになるのか?学習開始後の3か月間にどのような道を辿ったのか学習状況と効果をまとめてみる。

5.1 学習状況【開始~3か月間】

 学習開始~3か月間は、真新しさもあり、毎日楽しく学習を進めることができた。どの位学習したかは”経験値”として蓄積される。アプリを始めた週に自動的に「ブロンズリーグ」に登録される。一週間学習を行って経験値をためると、ブロンズリーグの中で順位付けが行われ、上位に入ると次の週からは「シルバーリーグ」に昇格する。
 序盤の頃は、少し学習しただけで簡単に昇格していくので、フランス語学習を継続する習慣を身に着けるのにはとても良い立ち上がりであった。

5.2 効果【3か月間】

 3か月間でフランス語の初歩的な構文を使った簡単な文章を作ったり、挨拶ができるようになった。日常に出てくる簡単な名詞(犬猫などのよく見る動物、パンや水・ワインなどの基本的な食べ物や飲み物)なども繰り返し学んだおかげでスペルや発音もできる(音声認識機能の精度が正しいとすれば)ようになってきた。また、1~3人称の単数系を中心とした単純な構文を使った問題ならそこそこ正解できるようになった。ここで"できる/理解している"状態とは、Duolingoアプリの問題(リスニング、スピーキング、仏文和訳、和文仏訳)に正解できる状態とする。つまり読んで意味がわかる、聞いて意味がわかる、話せる、書けるの4技能のこと。3か月間の効果をまとめると:

  • 挨拶文(朝の挨拶/夜の挨拶/はじめまして/さようならなど)が理解できるようになった
  • 文法:以下のような現在形の単純な構文が理解できるようになった
    • 名詞が主語の文章(平叙文/疑問文)
    • 人称代名詞が主語の文章(平叙文/疑問文)
    • 人称代名詞は主語として1~3人称の単数系(複数形はしばらく後から)
    • 次のような動詞を使った単純な文章
      • ”である”(英語でいうbe動詞)系の動詞
      • 簡単な自動詞("料理をする"などの目的語を必要としないもの)
      • 簡単な他動詞(目的語が1つのもの)
  • 語彙:Duolingoの単語機能の表示によると300単語程度の語彙力を持っていることになる(ただし活用形などもすべて別々にカウントされているので実際にはもっと少ない印象)

5.3 問題点【3か月目】

以下のような問題点が出てきた:

  • 当然であるが、学習内容はだんだん難しくなる
  • 覚えた単語を忘れはじめる
  • 難易度の上昇と共に、問題正解率が徐々に下がってくる(文法もそれほど深く理解していないため 注2
  • これらの学習難易度上昇、忘却曲線の影響に加えて、アプリに課金しない場合は、学習効率が著しく低下する。課金しないと、以下の問題点(アプリ運営側としては当然の制約)がある:
    • 問題に不正解となるとハートが1つなくなる(この辺がゲームアプリと類似)
    • ハートは最大5個までしか貯められない(なくなった分のハートは一定時間で復活)
    • 問題に正解する限り、ハートはなくならない(レッスンを継続することが可能)
    • ハートの残数が0になると、レッスンを続けるためには、広告を見なければならない(笑)
    • 正解率が悪いと、せっかくの学習時間が、広告を見る時間に代わってしまう(苦笑)

課金によって利益を得るアプリなので、使用者にとって当然のハードルであり、このままの状態で学習を続けることは、意欲を維持するのがなかなか難しい。対策としては当然のことだが:

  • 課金する(こちらが普通の対策)
  • 正解率を上げる(語学アプリならではの対策)

が考えられる。今後の進め方(無課金?課金?それともやめる?)について検討してみた(次項)。

5.4 今後の進め方(4か月目以降の継続方針)

 じっくり考えてみた結果、以下の理由からDuolingoでの学習を継続することとした:

  • 挨拶以外の簡単な文章を理解できるようになったおかげで、フランス語が面白い(もっと知りたい)と思えてきた
  • 課金せずに不正解を積み上げると広告を見ることになってしまうので、必要な文法は文法書や文法解説の動画などで補ったうえで、正解率をあげることにも力を入れる。そしていったん課金はしないこととする(笑)

 結論として、フランス語の勉強を楽しく継続するためには必要な文法を補いながらDuolingoを継続するのが良いと考えて、4か月以降の学習は独学とDuolingoの 併用学習 を続けることにした。未取得の言語を学習する語学アプリとしての学習効果の評価はいったんここで終了とした。

この時点で 全く新しい言語の語学学習がDuolingoでどこまでできるのか? は飛んでしまった(注:純粋な語学アプリとしての評価を最後までできず、自己の学習(独学)に専念することを取ってしまいました)。
⇒ 以後の記事はフランス語学習の話が中心となります。Duolingoの効果に興味があった方々、ごめんなさい。

6.本格的にフランス語の語学学習を開始(注:以後、Duolingoの話はほとんど出ません)

 前置きが長くなってしまったが、全く知識のないフランス語をDuolingoというアプリで学習開始した筆者は、アプリだけで学習するスタイルを3か月間続けたところで一旦やめた。これまでのアプリによる学習に加えて、文法知識を少しずつ補いながらフランス語を学習するスタイルに変更することとしたのである。文法の学習では文法書などの本を読んだり、動画など複数のメディアを利用しながら学習を継続していこうという結論というか決意を持ったのである。
 ここからは、フランス語学習をどのように進めてきたのか、語学学習の方法についての話を展開する。

6.1 参考書など

 本格的にフランス語を勉強しようと思って文法書ややさしい説明動画など色々調べてみると、同時に資格試験の情報も多数出てきた。ある文法知識は実は仏検3級で出題されず2級以上で出題されるとか...。
 そのような情報を多く目にするうち、資格試験を受けて合格することで、身に着けたことを証明?した方がいろいろな場面で役に立つかもしれないと思い始めた(ソフトウェアスキルも同様ですね)。まずは、実用フランス語技能検定試験(仏検)が最も有名な公的資格だったのでそれを受験してみよう。公式情報によると、挨拶や簡単な文章ができる初歩的な内容は5級、基礎的なフランス語が4級、基礎の総まとめが3級ということであった。
 Duolingoで仏検のどこまで対応できるのかこの時点では不明だったので、とりあえず 4級 を目指すことにした。仏検4級を取れるにはどうしたら良いか?まずは日常的にDuolingoをやりつつ、必要な情報を集めながら進めることとした。集めた情報を簡単にまとめると:

  • 動画:
    • Sunsil Channel: 文法の項目毎(名詞とか形容詞とか)に5分程度で見られる。日本語解説だし、短時間でわかりやすい。Duolingoの問題対策としても短時間で文法を学んで、直近で抱えているレッスンの問題を突破するためにはとても好都合だった。解説もとてもわかりやすかった
  • 書籍(文法書):
    • フラ語入門、わかりやすいにもホドがある![改訂新版]: どのような文法書が自分にあっているのかその時点では、明確にわからなかったので、地元の図書館にあるフランス語関連の本を探してみたところ(田舎だから?)あまり多くない蔵書のなかで、やさしく文法を教えてくれそうなこの本が見つかった。読んでみると、題名の通り、本当にわかりやすい本で助かった。文法の全体像が見えたし、Duolingoやっていて理由を知らずに使っていた法則などがどういう理由で成り立っているのか、初めて理解できた。仏検4級レベルを目指すレベルであれば、非常におすすめの本だ
    • これならわかる フランス語文法 入門から上級まで: こちらの本も図書館で借りてみた。フランス語文法が項目毎にきれいにまとめられていた。「わからない文法項目があって、それを調べたい」という時には役に立ちそうである。文法知識を1つずつ読みながら知識を積み上げていくような、まるで授業を受けているように学習したかった自分には、少し物足りない雰囲気であった
    • ケータイ〈万能〉フランス語文法 実践講義ノート: 大きな本屋の語学コーナーに行って見つけたのがこちらの本。内容はフランス語の講義を受けているように話が進んでいくように文法が学べるようになっている本。仏検4級を取るためには、この本に記載されているほどの高度な文法知識は必要ないかもしれない。しかし、上位の級に合格するためには一通りの文法知識が必要になることから、こちらを購入。Duolingoアプリで引き続き読む/書く/聞く/話すの4技能を学びつつ、同時に少しずつこの本を読み進めてみることにした

6.2 突然のDuolingoのコンテンツ終了(Duolingoに興味のない方は本項目は読み飛ばしてください)

 ところが、である。順調に進めていたDuolingoアプリのフランス語コンテンツが突然終了してしまった。厳密には終了ではなく、新たな学習項目がなくなってしまったのである。
 日本語向けのフランス語学習コンテンツは、セクション1(16ユニット)ーセクション2(44ユニット)までが新規学習コンテンツで、セクション3は存在せず、最終セクションは「デイリーリフレッシュ」という復習だけのコンテンツとなっている。アプリで学んだ単語は語形変化なども入れて1452個と表示されており、それなりの数ではあるが、まさかここで新規学習が終了してしまうとは・・・( 注4
 文法学習とアプリ学習を併用して学習効果をグングン上げようという時に、新規学習コンテンツがないことには非常にがっかりしてしまった。アプリ評価のコメントにコンテンツを増やしてもらうよう要望は記載したものの期待は持てない。そもそもの学習者が多くならないと実現性もないであろう( 注5
 このため、当面は文法学習を中心としながら毎日Duolingoの学習(デイリーリフレッシュ)は継続することとした。

注4 :検定試験を受けてから(ほぼ半年が経過)判明したことだが、英語を話す人向けのフランス語学習コンテンツはセクション8までが新規学習コンテンツとなっており、最終セクションまで合計9章ある。セクション数だけでいうと日本語向けのフランス語学習コンテンツの倍あることになる。非常に残念だが我々日本語話者は、世界におけるマイノリティということを実感せざるを得なかった。

注5 :2024年11月、Duolingoの日本人向けのフランス語学習コンテンツが若干量増えた。ただし英語話者向けと同等の量というわけではなく、少し追加して再構成されたイメージ。詳しくは以下の内容:

  • 従来
    • セクション1(16ユニット)
    • セクション2(44ユニット)
    • デイリーリフレッシュ(毎日ほとんど同じ内容が繰り返される)
  • 2024年11月以降
    • セクション1(10ユニット)
    • セクション2(30ユニット)
    • セクション3(29ユニット)
    • デイリーリフレッシュ(同上)

6.3 目標設定

 ということで色々あったが、Duolingoで始めたフランス語学習を4か月目以後はアプリをあまり使わずに、独学で進めることとした。そのために、まずは目標を定めた。フランス旅行で困らない程度の会話ができると良いかと思い、早速資格などの調査をするとすぐに実用フランス語検定(通称"仏検")が見つかった。正式名称は、「実用フランス語技能検定試験Diplome d’Aptitude Pratique au Francais」(公式サイトより)。
 公式情報によれば、仏検のランク(級ごとの試験内容)以下のような分類であった。

説明 程度 標準学習時間/語彙数
1級 フランス語マスターへ 「聞く」「話す」「読む」「書く」という能力を高度にバランスよく身につけ、フランス語を実地に役立てる職業で即戦力となる。 600時間/無制限
準1級 ビジネスレベルの実力 日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的な内容はもとより、多様な分野についてのフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。 500時間/約5,000語
2級 フランス語が「使える」 日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的なフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。 400時間/約3,000語
準2級 一歩進んだフランス語 日常生活における平易なフランス語を、聞き、話し、読み、書くことができる。 300時間/約2,300語
3級 基礎の総まとめ フランス語の文構成についての基本的な学習を一通り終了し、簡単な日常表現を理解し、読み、聞き、話し、書くことができる。 200時間/約1,670語
4級 日常のフランス語 基礎的な日常的フランス語を理解し、読み、聞き、書くことができる。 100時間/約920語
5級 フランス語への入り口 初歩的な日常的フランス語を理解し、読み、聞き、書くことができる。 50時間以上/約550語

 自分自身の現状を考えたときに、Duolingoのアプリ画面上で表示されているフランス語の単語の語彙数が約1,400と書かれていたことから、4級の想定語彙数(仏検公式による語彙数である約920語)は満たしていることから、まずは3級を受験することに決定。

6.4 仏検3級に向けて勉強したこと

 仏検3級合格に向けて半年間、勉強した内容を以下にまとめる。

  • 文法理解のために選んだケータイ〈万能〉フランス語文法 実践講義ノートは最後まで学習
  • Duolingoのフランス語(日本人向け)の学習もリスニング・スピーキングのトレーニングとして継続
  • 仏検3級向けの参考書・単語集・問題集(以下)を1つずつやりきる
    • 仏検3級スピード合格(新訂版):文法を一通り学んだあとの復習と試験の形式に慣れるための対策として購入。約2か月かけて一通りの問題を解いた。本書は、文法事項も簡潔にまとめられているため、時間がなくて3級合格のためだけなら分厚い文法書を読破する必要はなかったかも知れない(後々上位のランクを受験する際には文法理解は非常に大事なのでやった方が良いが)
    • 仏検公式基本語辞典 3級・4級・5級 新訂版:仏検を主催する公益財団法人フランス語教育振興協会が出版している公式書籍。約1720語を収録していて3級受験にピッタリの内容。単語の意味を読みつつ例文音声を聞きながら通勤で使用していた。語彙力はすべてこちらで蓄積。Duolingoと共通する語彙が多くあったが、品詞や詳細な意味がしっかり確認できた。
    • 仏検対策3級問題集[三訂版]:試験直前に過去問題を1回分実施。実際はもっと多くの問題数が掲載されているが模擬試験1回分で合格点が出たので、燃え尽きてしまったため、2回目以降の問題は解かないまま本番に臨んだ

 3級不合格に備えて念のため4級も同時に受験申込をした。隣合わせの級間でダブル受験ができるような試験時間配分となっている。例えば午前中に4級、午後に3級の受験が可能。体調不良や急用、不勉強(笑)などに備えて複数の級を受験することで備えた。英検も同じだったと記憶している。

6.5 受験本番

 本番試験は東京会場である青山学院大学渋谷キャンパスにて実施。特に試験会場に音声や時計が見えないなどの問題もなく、午前・午後の長丁場の試験を終了。天気も良かったし気持ちよく受験ができた。問題冊子は持ち帰り可能だったので、自身の回答を問題冊子に記入しておき、試験当日夜、すぐに自己採点ができた。
 試験問題を解いた感触としては、事前にやった問題集の模擬試験の時よりも易しかったように感じた(たまたまかもしれない)。

6.6 結果

 自己採点の結果は結果は3級・4級共に合格点であった!!
※1か月後くらいにインターネット上から結果の確認ができるようになった。

6.7 インターネットの参照結果

結果 得点(合格基準点)/合格率
4級 合格 78点(60点)/69.3%
3級 合格 82点(60点)/60.8%

⇒4級の方がスコアが低い(笑)
その半月後くらいに2通の合格証書が封書で自宅に届いた。

7.まとめ

 最後に、本記事の内容を簡単にまとめておく。

  • エンジニアだった自分がふとしたことからフランス語を勉強することになった
  • きっかけとなったDuolingoという語学学習アプリは以下の特長がある:
    • 初見の外国語学習開始には非常に取っつきやすい(やっていて楽しく続けられる仕掛けがある)
    • 学習する外国語によっては初歩的な日常会話だけでおわってしまうものがある(フランス語以外の言語は未確認。また運営会社もコンテンツを徐々に充実しているので、各自で事前に確認していただきたい)
    • 国内などで実施されている各種語学検定試験の中級程度以上に合格しようとすると文法の守備範囲や語彙が足りず、個別に独学が必要
  • Duolingoアプリ単独での学習はいったん終わりにして、本格的にフランス語を勉強開始
  • 勉強の目標を仏検3級取得とした
  • 約半年かけてコツコツと試験勉強して、仏検3級に合格できた
  • あえてネガティブなことを言うと、フランス語の文法は超難解!!。特に動詞の活用が嫌になるくらい複雑。動詞の活用を乗り越えられるかがカギとなるであろう。3級取ったといっても接続法とか条件法の活用は筆者もまだまだ怪しい(笑)

おわりに

(注:最後まで読んでいただきありがとうございます)筆者はすっかりフランス語の魅力にはまってしまい、現在は仏検2級、DELF B2取得を目指してフランス語の勉強を細々と継続している。いつかフランス語を自分自身で旅や仕事で使う日があることを願って日々勉強を続けている。機会があれば、その後の話についても記事をまた書きたい。参考となるキーワードをこちらにリストアップしておく:

  • DELF/DALF:(公式丈夫)フランス国民教育省が認定した唯一の公式フランス語資格(ディプロム) フランス政府認定の資格。これを持っていると国際的に認められる資格。フランス入国時も役に立つかも…なお、筆者は仏検3級合格の約半年後にこちらのDELF A2を取得した。
  • Anki:とても秀逸な暗記用アプリ。どんな学習分野にも応用できるが、フランス語の多くの単語を覚えるために筆者も本アプリを使用中。準備が大変だが、TTSを使って見出し語と例文をスマホで聞けるのはとても便利。
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