15
9

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

LITALICO EngineersAdvent Calendar 2019

Day 7

エンジニア→情シス→総務→人事とたどってみて感じたエンジニア経験が活きるポイント

Last updated at Posted at 2019-12-06

はじめに

LITALICOの @ko1 です。この記事を書いた理由としては、

  • エンジニアとしてキャリアをスタートしてみたが、他の職種や役割にも興味がある方
  • 逆に、今バックオフィス系の仕事などをしているがエンジニアの領域に興味がある方

に向けて自分のこれまでの経験から得たことをシェアできればと思ったためです。最初に簡単に自分の経歴を書いておくと、

  • もともとはSEとしてキャリアをスタート(金融機関向けシステムでアプリ、インフラ両方)
  • LITALICOに転職して最初は、Webエンジニアとして新規事業立ち上げを推進。
  • その後は主にコーポレート系のキャリアを歩んでいます。最初は社内情シスに移り全社の基幹システム導入、DC移転、WAN更改など様々なプロジェクトを推進。
  • そこから全く違う役割にチャレンジしてみようと総務に移りオフィスマネジメントや全社の管理職向け研修、コーポレートへのOKR導入などを行っていました。今は新規事業部門の人事責任者として採用や入社後のオンボーディング、労務管理、ケア、制度構築など行っています。

エンジニアからコーポレートの職種に移る中で役立つこと

  • 事実と推測を分ける力
  • コーポレートで扱うような組織、人、オフィスのことになると、誰もが何かしらの意見を持ってるものですが、どれだけ事実に基づいているのかはよくわからないことも多いと思います。
  • そうした中で役立ったのは、SEの時から身に付けてきた事実と推測を分けるという考え方です。これは総務としてオフィスの改善に取り組むときや、人事として採用面接をするとき、HRとして社員と面談してケアをするときなど様々な場面で役立つ思考スタイルでした。
  • 事実をどう集めるかですが、例えばオフィスであれば動線ごとの流量を測定したり、全体にアンケートをとって部門間の連携度合いの強弱を可視化したり、誰か一人の意見に左右されない形で収集するような工夫をしていました。
  • 問題解決へのアプローチ
    • 上と少し重なりますが、より広く問題解決プロセスへの向き合い方についてです。
    • 本当の問題を捉えて効率的に解決していく、ということは会社で日々生じる問題に向き合うコーポレートの人にとって重要なスキルの一つだと思います。
    • エンジニアとしてシステム開発に関わっていると以下の能力が身につきやすいと思います。
      • 問題を絞り込む力
      • 絞り込んだ問題の原因を深掘りする力
      • 問題解決の手立てを考える力
    • 例えば、システムで不具合があると言われたとき、エンジニアならそもそもそれが本当に不具合なのかをまずエラーログなどファクトから絞り込んでいきます。その根本となる要因を突き止めた上で不具合であるならば、まず短期的にはどう対処できるか、中長期的に根本的にはどう解決するかを考えていきます。そうした思考プロセスの中で鍛えられやすいスキルだと思います。
  • システム導入力
    • 最近では業務課題を解決したり生産性を高めたりするためにITシステムを利用しないということの方が少ないと思います。こうした際に目的特化型のSaaSを導入する企業も多いと思いますが、意外とただ導入すればうまくいくというものは少ないです(というか無い)。
    • SaaSベンダーからもオンボーディングをしてもらうことになると思いますが、やはり自社内で目的と目標を設定し、導入に向けた動きを段取りし、定着に向けた運用設計をしていく力が必要となります。
    • こうした目標を設定し、どのような動きが必要かを段取り、課題を洗い出して潰していくという力はシステム開発の現場でのプロジェクトマネジメントの中で身につきやすいスキルだと思います。
  • 業務全体を設計する力
    • 例えばですが、DB設計をする力やオブジェクト指向の考え方などが活きると思っています。
    • 仮に、業務生産性を向上するためにあるシステムを入れるとき、既存システムとの間のデータ連携が必要だったとします。
      • このとき、既存システムと新システムの間のデータの主従関係はどうなるか、何によって紐づけられておりどのタイミングでどちらが更新されていくべきか明確でしょうか?
      • 各システムは何に対して関心を持つべきで、その利用者それぞれの関心事もきちんと分離できているでしょうか?
    • このようなことをまずきちんと意識して業務を設計しなければ、利用者は1つの目的を満たすために複数のシステムを利用しなくてはならなくなったり、どのシステムに本当に正しいデータが入っているのかわからなくなったりします。例えば、そもそもシステム全体で扱われる業務データのCRUDをどこでどう行うのか整理するとか、このシステムがフォーカスべき関心事は何なのかなどを考えるだけで業務設計力は格段に高くなると思います(これらの技術がもともと現実世界をシステム化していくときに生まれてきた手法・思想でもあると考えるなら、その逆輸入になっていると言えるかもしれませんが)。
  • EX(Employee Experience)への意識
    • プロダクト開発をしていく中でUI/UXを意識し、ユーザーの行動やレスポンスを見ながらPDCAを回していくと思います。
    • 個人的にはコーポレートの領域で最近EXという言葉は流行っているものの、それを本質的に実行していくには、会社組織というものを一つのプロダクトとして捉えて細かく継続的な改善を繰り返していくことが非常に重要だと思います。
    • それを実現していく上でサービスをグロースさせるためのプロダクト開発におけるマインドセットというのが役立つのではないかと思います。
  • エンジニアの気持ちへの理解
    • 自社でサービス開発している会社であるならばエンジニアたちと一緒に働くことになると思います。彼らがどういうことを求めているのかであったり、この目的に対してはどういうスキルセットの人が必要なのかを考えるにあたっては、エンジニアというバックグラウンドがあると非常に理解しやすくなるのではないかと思います。

逆に、またエンジニアになったときに活きそうなこと

  • 業務システムを作るとしたらですが、ユーザーの声を実感として理解できるようになったことだと思います。
  • **なんでユーザーさんこんなことしちゃうの?**みたいなことが実際に使う側の立場になったことで理解できるようになったことは大きいなと思います。それは例えば、UI/UXを設計していくときにも役立つ知見だなと思っています。動線ってこんなに大事なんだ、というようなことも実際に利用する側に立ってみることで初めて見えてきたりします。なので、今エンジニアに戻ったらユーザーの声をより効果的に拾い上げようとするだろうなとは思います。
  • また、実際に業務をしていく側を経験したことで、DB設計やシステムアーキテクチャを設計するときにより実感を持って設計できるようになりそうだなと思います。というのも、業務を理解できていないときだとやや思想が先行して設計してしまう部分(教科書的な内容が腹落ちできないままに取り入れてしまうこと)も起きがちだなと思っており、そうした感覚が持てるようになったことはプラスだと思っています。

まとめ

  • キャリアパスは様々ですし、何が良い悪いということもないかと思います。
  • この記事で一番言いたかったことしては、IT化がこれだけ進んできた社会において、会社の成長にとっても自身の幅を広げていく上でも、誰もがエンジニアとしての基礎リテラシーを持っているにこしたことはないのではないか、という思いです。
  • また、特に近年の流れである業務目的特化型のSaaSを複数組み合わせて使っていくようになったときにコーポレートの人に特に求められるのは、記載したポイントの一つである全体の業務設計力だと思います。個別業務の最適化と、関連する業務全体でのプロセス最適化を両立させる力が求められるようになると思います。この力を磨かなければ多くのシステムを入れているのに非効率な状態が続くという負の状態に陥りかねないと思います。
  • ぜひこの記事がみなさまのキャリアを考える上で一つの参考になれば幸いです。

明日は @yoshikitanaka0707 さんの「障害福祉というドメインに向かい合う事業会社でのデザイナーとしての働き方」です!お楽しみに。

15
9
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
15
9

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?