はじめに
この記事にはアプリ開発の技術的な話はまったく出てきません!
※アドベントカレンダー内では、アプリ開発を担当したメンバーが技術的な内容を投稿予定なので、そちらをお楽しみに!
この記事では、今年の高専プロコンに向けた半年間を振り返っていきます。正直なところ、「この記事から学べること」はありません。プロコンの裏側でこんなことがあったんだな~くらいの軽い気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。
自己紹介
鳥羽商船高専 情報機械システム工学科(情報系の科目を選択しています)に所属しています。
プロコンでの担当はこんな感じです
- 2年生:データ集め
- 3年生:機械学習
- 4年生:アプリ開発以外のいろいろ
今年で3年連続のプロコン出場になりましたが、来年は卒研のため、今回が最後の参加となりました。
今回お話しすること
- コンテスト参加のきっかけ
- 予選資料作成
- 開発開始
- 予選通過
- 夏休み中の話
- 本選1か月前
- コンテスト当日
- コンテスト終了後
高専プロコン日々
コンテスト参加のきっかけ
自分が所属している研究室では、毎年技術力や知識を上げるために何かしらのコンテストに挑戦しています。
今年も、春休みからアイデア出しと企画提案に取り組みました。
予選資料作成
高専プロコンへの参加が決まったのはゴールデンウィーク直前、4月の終わり頃でした。
最初は「デジタルサイネージで広告を打つシステムとビジネス」を考える予定だったのですが、ある会議をきっかけに急遽プロコン班へ飛ばされることに!(それまでのアイデアはお蔵入りです...)
幸い、プロコンで何をするかはざっくりと決まっていたので、そこから情報収集をしつつ、アプローチ方法をひたすら練り、会議を繰り返しました。
方向性が固まったら、次は予選資料作成。「3日間パソコンとにらめっこ」する日々の開始です。
ちょうどテスト期間ともかぶりそうだったので、爆速で進めるしかありませんでした。
資料作りは上手な方でない自分にとっては、なかなかの難関。
時間がかかり結局、朝4時くらいまで作業する日々が続きました。
開発開始
高専プロコンメンバーは全員で5人でしたが、実際に動けるメンバーは少なめでした。
2人は別のコンテストに参加し、1人は1年生で勉強期間ということもあり、実質動けたのは同学年の友達と自分の2人だけ。
担当訳はこんな感じ:
- 友達:開発の全部
- 自分:開発以外
プログラムを書くスキルが皆無だったので、こんな分担になりました。
予選通過
そして、なんと無事予選を通過することができました!!結果はB判定!
(高専プロコンの課題部門では全国のうち20チームが本選に通過できます。B判定は11~20位で予選を勝ち抜いたということです。)
正直、予選通過できないと思っていました。
講評としては:
- 上手くいけば独創性・有用性の高いシステムになる
- 技術的に目新しいものはない
- 具体性にかける
- 着眼点はいいが、的が絞り切れていない
資料の中ですべてを書き切れなかったところもありますが、確かに技術的なインパクトや裏付けも甘い状態でした。それでも、何とか次のステップへ進めることに。
夏休み中の仕事
高専プロコンにおいて、夏休みはとても重要な期間です。この時期に一気に開発を進めます。
友達は本当に黙々と開発を進めていました。しかも、担当は開発全般(フロントとバックエンド)なので、相当な仕事量!フロント部分だけでもWebアプリとネイティブアプリの両方を作る必要があり、頭が下がる思いでした。
一方で、自分は開発はせず、以下のような仕事を担当しました:
- 寄付金や清掃実施の金額の計算
- アプリのUI/UXの提案
- 清掃需要の分析
- 清掃員を選ぶ機械学習モデルの作成
- その他いろいろ
特に、UI/UXの提案については、思いついたアイデアを友達に伝えると、すぐに形にしてくれるのでとても助かりました。このスピード感が、より良いアプリを作る上で一番大きな要因だったと思います。(感謝しかないです)
ただ、夏休みをすべてプロコンに使えたかというと、そういうわけでもありませんでした。なんと高専4年生はインターンシップに参加する必要があり、自分もその例に漏れず。インターンの参加し夜に資料を作成するなどしていました。
さらに、自分の計画性のなさもあって、自動車学校やバイトまで入っており、スケジュール帳はもはやカオス状態。それでもなんとかやり切ったのは、友達やチームメンバーのおかげです。夏休みは本当にタフでしたが、その分充実感もありました。
(しっかりと免許もGET!!)
本番1か月前
毎年、この時期になると一気に慌ただしくなります。本選に向けて必要な提出物を作ったり、デモやプレゼンの練習をしたりと、授業時間も使わないと到底間に合わないほどの忙しさです。
提出物の中には、システムのマニュアルも含まれています。このマニュアルで紹介するアプリのUIが実質「最終完成版」になるため、仕上げの大詰めを迎える期間でもあります。例年、研究室の指導教員から「UIをガラッと変更しよう」という指示が飛んできがちで、開発メンバーが全力で取り組む期間です。(友達曰く、この時が高専プロコンの本番らしいです)
今年はというと、指導教員の方がすごく多忙で会議の回数が少なく、提出の直前はほとんど出張が続いていました。その分、チームメンバーで試行錯誤しながら、アプリのUIを大幅に変更することに。最初は正直ちょっとダサかったデザインも、少しは見栄えのするものに仕上がったのかな?と思っています。(もう少し会議を入れればより良いものを作れたかなと後悔しています)
コンテスト前日
コンテスト当日、会場は奈良の百年記念館。
コンテストでは「プレゼンテーション審査」「デモ審査」「マニュアル審査」の三つの審査があります。自分は「プレゼンテーション」の担当でした。
会場に入った瞬間、まず驚きました。例年のプレゼン会場は、会議室のような雰囲気なのですが、今年の会場はまったく違う!
ガラス張りの壁に広々としたシアタールームのような客席、大きな舞台…と、見ただけで緊張が一気に高まるような場所でした。
コンテスト1日目
デモブース(企業さんや他高専の人にシステムを紹介する場所)の準備から雲行きが怪しくなりました。会場の電波状況が悪く、スマホのミラーリングが全然うまくいきません!
初めは焦りを通り越して、不安でいっぱいでした。デモ審査が始まってからも1時間ほどは悪戦苦闘していましたが、なんとかトラブルを解決し、デモを進めることができました。
プレゼンの緊張感
自分は昼からプレゼンテーションがあるので、ドキドキです。
ただ、他高専の人たちがプレゼン練習をしている様子を見て、「みんな同じ状況なんだな」と少しだけ安心しました。(同じ立場の人を見ると、不思議と落ち着きますよね。)
自分の番が近づくにつれ、緊張がピークに。そんな時通知がきました。
Apple Watchから「心拍数が高い」という警告!!
その瞬間、笑いがこみ上げてきてしまい、少し気持ちが楽になりました。
このApple Watchの通知と後輩の応援であのプレゼンができたと思っています。
ありがとうApple Watch!!
プレゼン終了
そして迎えた本番。緊張しながらも楽しみな気持ちで挑みましたが、結果はボロボロです。
所要時間を1分短く終わってしまい、質疑応答は焦って文章がまとまっていませんでした。
でも周りの人に褒められ、緊張から解放されたこともあり、自分は最大の調子乗りモードの到来です。気分は完全に「無敵モード」。テンション爆上げで、その後は絶好調でした。
最高の時間
プレゼンが終わってからは楽しい事尽くし。
お世話になった先輩とお話したり、デモブースで説明したり、企業ブースを見に行くなど。今までの緊張がうそのように、世界が眩しいくらい明るく見えました。
コンテスト2日目
デモ審査・マニュアル審査
二日目は「デモ審査」「マニュアル審査」です。アプリの完成度はメンバーのおかげでバッチリ仕上がっていました。デモも、優秀な後輩がしっかり準備してくれていて万全です。
特に問題も起こらず、スムーズに進行。正直、これといったトラブルがなさすぎて、書くことがないくらいです(笑)。でも、チーム一丸となってここまで頑張った成果を審査員に見てもらえる時間は、とても充実していました。
高専OBの講演会
審査がすべて終わると、運営側が順位を決める間に高専OBの方の講演会がありました。しかし、ここで事件(?)。疲労がピークだったのか、メンバー全員が見事に爆睡!
この二日間、ずっとデモブースに立って説明してくれていたメンバーには感謝しかありません。(ちなみに、自分もちゃんとデモブースに立っていましたよ)
結果発表
そしてついに、結果発表の時間。疲れ切ったメンバーの元気はもうほとんど残っていませんでしたが、それでも心の中ではドキドキが止まりません。
結果は、なんと最優秀賞!(1位)!!!!
名前を呼ばれた瞬間、全員が「え、マジで!?」ときょとんとした顔になりました。喜びのリアクションが薄かったのはちょっと後悔していますが、驚きがそれ以上に大きかったんです。
表彰台での感動
いざ表彰台(舞台?)に上がると、ようやく最優秀賞の実感が湧いてきました。この半年間、メンバーと一緒に切磋琢磨してきた日々が一気に頭をよぎり、感極まってしまいました。
研究室で音楽を爆音でかけながら作業したこと、先輩と食べた昨日の晩御飯、デモ練習で爆笑したこと、そんな日々を思い出してジーンとしました。
表彰台の上では、プレゼンよりも緊張して足が震えるほどでしたが、それでも「最後のプロコンで最優秀賞を取れて本当によかった」と心の底から思いました。
メンバーには感謝しかないです。
終了後
忘れられない帰り道
コンテストがすべて終わり帰宅。ここからもまだ思い出があります。
すべてが終わって帰宅準備中、メンバーがお手洗いに行っている間に遠くから話し声が聞こえてきました。(※盗み聞きではありません!)
「プロコンじゃなくて、ビジネスコンテストやん!」
この言葉が最高の捨て台詞。ビジネス面を評価してもらえたことが何より嬉しくて、心の中でめちゃくちゃガッツポーズしていました。
帰り道では、さらに事件が。電車の時間ギリギリで、まさかの全員ダッシュ!最優秀賞のインタビューを終え、記念撮影をする他チームを横目にひたすら走りました。
荷物は重いし、距離も長い。普段は優しい教官が、この時ばかりは「鬼」以上に見えました。でも、全員で全力疾走するのはある意味楽しく(?)、もなく苦痛でした。
おわりに
高専プロコンは、自分を成長させてくれる貴重な経験の場です。ですが、参加するなら「当事者意識を持つこと」と「計画性」が何よりも大切だと痛感しました。
ちなみに、自分の計画性のなさがたたり、バイトに入らなさ過ぎて除名されました。次の挑戦は、新しいバイト探しから始めます。
全く参考になる部分はないですが、「高専プロコンってこんな感じで取り組んでるんだな」という一例として楽しんでいただけたら幸いです。
もし周りに高専プロコンに参加している友達がいたら、ぜひ優しく接してあげてください。彼らはきっと寝不足の目で必死に頑張っています。モンスターをそっと差し入れてくれると、一生感謝されるかもしれません(笑)。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!!