統計準一級のリベンジを狙ってます。ko_ya346です。
来年2月くらいに受験したく、統計学実践ワークブックを使ってちみちみ学習を進めています。
[https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%B1%E8%A8%88%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E5%85%AC%E5%BC%8F%E8%AA%8D%E5%AE%9A-%E7%B5%B1%E8%A8%88%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E6%BA%961%E7%B4%9A%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E7%B5%B1%E8%A8%88%E5%AD%A6%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%B1%E8%A8%88%E5%AD%A6%E4%BC%9A/dp/478060852X:embed:cite]
この本、統計準一級の広範な分野を網羅していて非常にありがたいのですが、第三章冒頭の変数変換の説明が分からず、いつもふんわり理解でスルーしていました。
なのでこの記事で、変数変換についてしっかり理解したいなと思っています。
なお、本記事はこちらの資料を大いに参考にしています。(大変分かりやすかったです。ありがとうございます!)
[https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_files/engin_05/2/notes/ja/ishikawa2.pdf]
問題
とある確率変数$X$とその確率密度関数$f(x)$があります。
このとき、
$$
Y = \phi (X)
$$
という確率変数$Y$を導入すると、その確率密度関数$g(y)$はどのような関数になるでしょうか?
まず、$X$で表しても$Y$で表しても確率は変わりません。よって、
$$
P(x \lt X \lt x + \delta x) = P(y \lt Y \lt y + \delta y) \qquad(1)
$$
です。
両辺の確率はそれぞれ、
$$
P(x \lt X \lt x + \delta x) = \int^{x+\delta x}_{x}f(x')dx'
$$
$$
P(y \lt Y \lt y + \delta y) = \int^{y+\delta y}_{y}gG(y')dy'
$$
で求めることができます。
ここで$x', y'$という文字が出てきましたが、積分範囲の文字と区別したいので$'$を付けているだけです。
さて、この積分を愚直に計算していきましょう。
$$
\int^{x+\delta x}_{x}f(x')dx' = F(x+\delta x) - F(x)
$$
$$
\int^{y+\delta y}_{y}g(y')dy' = G(y+\delta y) - G(y)
$$
これを(1)式に代入し、
$$
F(x+\delta x) - F(x) = G(y+\delta y) - G(y) \qquad (2)
$$
を得ます。
ここで、
$$
\lim_{\delta x \rightarrow 0} \frac{F(x+\delta x) - F(x)}{\delta x} = f(x)
$$
という微分の定義式を使うと、上で求めた積分式を確率密度関数に変換できそうです。
(2)式の両辺を$\delta x \delta y$で割り、
$$
\frac{F(x+\delta x) - F(x)}{\delta x \delta y} = \frac{G(y+\delta y) - G(y)}{\delta x \delta y}
$$
確率密度関数に変換すると、
$$
\frac{f(x)}{\delta y} = \frac{g(y)}{\delta x}
$$
$$
g(y) = f(x)\frac{\delta x}{\delta y} = f(x)(\frac{\delta y}{\delta x})^{-1} = f(x)(\phi'(x))^{-1} \qquad (3)
$$
となり、確率変数$Y$の確率密度関数が求まりました。
例題を解いてみる
確率変数$X$が $N(0, 1) $に従うとき、$Y=2X+3$である確率変数$Y$の確率密度関数を求めよ。
$$
Y = \phi(X) = 2X+3
$$
$$
X = \frac{Y-3}{2}
$$
$$
\phi '(X) = 2
$$
$$
f(x) = \frac{1}{\sqrt{2 \pi}}e^{-\frac{x^2}{2}}
$$
これらを(3)に代入して、
$$
g(y) = \frac{1}{2\sqrt{2 \pi}}e^{-\frac{1}{2}(\frac{y-3}{2})^2}
$$
が解となります。