PHP超入門チートシート(WordPressで最低限必要な知識・完全版)
目次
- はじめに
- 想定読者
- 1. PHPの開始と終了タグ
- 2. 変数の基本
- 3. 配列(数字で並ぶ箱)
- 4. 連想配列(名前付きの箱)
- 5. オブジェクト(便利な道具セット)
- 6. 条件分岐(if文)
- 7. 繰り返し(foreachとforの違い)
- 8. 関数の定義と呼び出し
- 9. WordPressフック(add_action / add_filter)
- 10. スーパーグローバル変数($_GET, $_POST)
- 11. よく使うWordPress関数
- 12. コメントの書き方
- 最低限これだけ理解していれば安心
- まとめ
はじめに
WordPressを使っていると、テーマやプラグインのカスタマイズで PHP のコードを目にすることがあります。
すべてを理解する必要はありませんが、ちょっとだけ読める・少し直せるだけで、できることが大きく広がります。
この記事は「プログラミング初心者でも読んで理解できる」ように、かみ砕いて解説した完全版のチートシートです。
Qiitaを含めたエンジニア向けの情報共有サイトで読むことを想定して、最低限だけど安心できる知識をまとめました。
想定読者
- プラグインを使っているけど、functions.phpに手を加えることがある人
-
add_action
や$post
といったコードを見て「???」となった経験がある人 - 配列・連想配列・オブジェクトの違いがよく分からない人
1. PHPの開始と終了タグ
<?php
echo 'こんにちは';
?>
-
<?php
から始め、?>
で終わる部分にPHPを書きます。 -
echo
は「画面に出力する命令」です。
WordPressの functions.php
では、最後の ?>
は書かないのが基本ルールです。
最後に余計な空白や改行が入るとエラーになることがあるためです。
2. 変数の基本
$name = 'Taro'; // 名前
$age = 20; // 年齢
- PHPでは、変数(データを入れる箱)は必ず
$
から始まります。 -
=
は「代入」。左の箱に右の中身を入れる、という意味です。
echo "私は $name です"; // 私は Taro です
ダブルクォート " "
の中では $変数
が自動で展開されます。
シングルクォート
' '
の中では展開されないので注意。
3. 配列(数字で並ぶ箱)
配列は「番号で並んだデータの集まり」です。
例えるなら「本棚の1列目、2列目…」のように順番で管理されます。
$colors = ['red', 'blue', 'green'];
echo $colors[0]; // red
echo $colors[2]; // green
- 0番からスタートする(最初は0)
-
[]
の中に番号を入れて取り出す
4. 連想配列(名前付きの箱)
数字ではなく、名前(キー)で管理できる箱です。
辞書や名簿のように「名前 → 内容」で結びついています。
$user = ['name' => 'Taro', 'age' => 20];
echo $user['name']; // Taro
-
['キー' => 値]
の形で書く -
['name']
のように名前を指定して取り出す
配列は「番号付きの棚」、連想配列は「ラベル付きの棚」と覚えると理解しやすいです。
5. オブジェクト(便利な道具セット)
オブジェクトは「データ(情報)と、それを扱う機能(メソッド)をまとめたセット」です。
WordPressでは記事情報(WP_Post
)などがよくオブジェクトで返ってきます。
global $post;
echo $post->post_title; // 投稿タイトル
- オブジェクトは
->
でアクセスします - 配列や連想配列と違い、データと機能がひとまとめになっているイメージです
初心者は「オブジェクト=箱+便利な道具」と理解しておけば十分です。
6. 条件分岐(if文)
if ($age >= 20) {
echo '成人';
} else {
echo '未成年';
}
- 「もし〇〇なら〜」を実現する命令です
-
>=
は「以上」を意味します
日常会話にすると「もし年齢が20以上なら“成人”と言う。そうでなければ“未成年”と言う」という感じです。
7. 繰り返し(foreachとforの違い)
foreach
配列や連想配列を、順番に全部処理するときに使います。
「袋に入ってる果物を1つずつ取り出す」イメージです。
$fruits = ['apple', 'banana'];
foreach ($fruits as $fruit) {
echo $fruit;
}
for
「◯回繰り返したい」と決まっているときに使います。
for ($i = 0; $i < 3; $i++) {
echo $i;
}
初学者はまず foreach をメインに使うと安心です。
8. 関数の定義と呼び出し
function say_hello($name) {
return "Hello, $name!";
}
echo say_hello('Taro'); // Hello, Taro!
- 関数は「処理をまとめて名前をつけたもの」です
-
return
で結果を返します
「おにぎり作りの手順を関数にまとめておけば、呼び出すだけで何度でも作れる」イメージです。
9. WordPressフック(add_action / add_filter)
WordPressには「ここで処理を差し込めます」という仕組みがあり、それをフックと呼びます。
add_action(動作を追加する)
add_action('init', 'my_init');
function my_init() {
// 出力は避ける(ヘッダー送信前のため)
error_log('init fired'); // 登録・準備・ログ記録などに使う
}
「WordPressが初期化するときに、この処理も一緒にやってね」という指定です。
add_filter(内容を加工する)
add_filter('the_content', 'add_text');
function add_text($content) {
return $content . '<p>追記テキスト</p>';
}
「記事本文を表示するときに、最後に一文を足してね」という指定です。
10. スーパーグローバル変数($_GET, $_POST)
外部から送られてくる値を入れる特別な変数です。
$name = $_POST['name']; // フォームから送られた名前
$id = $_GET['id']; // URLの ?id=123
「フォーム入力」や「URLのパラメータ」で見かけることがあります。
まずは「こういう形で値が入るんだ」と知っておくだけで大丈夫です。
11. よく使うWordPress関数
home_url(); // サイトのURL(取得)
get_the_title($post_id); // 投稿タイトルを取得
wp_redirect($url); // ページを移動(リダイレクト)
exit; // 直後に必ず exit
WordPress関数は「get〜(取得)」や「update〜(更新)」など、名前でだいたい意味がわかります。
12. コメントの書き方
// 1行コメント
/*
複数行コメント
*/
コードにメモを残せる仕組みです。実行には影響しません。
最低限これだけ理解していれば安心
-
<?php ... ?>
の範囲にPHPを書く -
$変数
が読めて作れる - 配列(番号)/連想配列(名前)/オブジェクト(道具セット)の違いがわかる
-
if
とforeach
の意味がわかる - 関数は「処理のまとめ」と理解できる
- フックは「WordPressの流れに処理を差し込む仕組み」と理解できる
まとめ
PHPをすべて理解する必要はありません。
「読むだけで意味がわかる」状態になれれば、WordPressカスタマイズで困ることはぐっと減ります。
まずはこの記事を通して、
- 配列は「番号の棚」
- 連想配列は「ラベル付きの棚」
- オブジェクトは「便利な道具セット」
- フックは「差し込み口」
とシンプルに覚えることから始めましょう。
次に読むと理解が深まります
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もし「ここも解説してほしい」「この部分はこうするとわかりやすい」などあれば、ぜひコメントで教えてください。
フィードバックをもとに、さらに記事を改善していきたいと思います。