10
11

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

アジャイル開発Advent Calendar 2019

Day 13

朝会がうまくいかないのでSlackにdoingチャンネル(分報)を作ってみた + その後の話

Last updated at Posted at 2019-12-12

doingチャンネル(分報)を作った経緯

 開発チーム、特にアジャイル型の開発をしているチームでは朝会(デイリースクラム)を実施しているところが多いと思います。この朝会を実施する目的というのは「チームの透明性」と「チームの最適化」で

  • メンバーの進捗の確認
  • 情報共有
  • 課題・障害へのチームでの対応

といったことを始業時15分くらいを使いチームで共有します。多くの場合、報告テンプレートがあり

  • 「昨日実施したこと」
  • 「今日実施すること」
  • 「困っていること」

を各メンバーが報告するという形式で行われることが多いのではないでしょうか。これの実施は一見、簡単に見えます。しかし、実施してみると期待した効果が得られないと感じました。効果が得られない理由はいくつかあり

  • 実施予定の見積もりが甘い
  • 「困っていること」が言語化しにくい・些細なことは漏れる
  • 開発Task以外に割り込みTaskが多く予定通り進まない
  • リモートやフレックスで集まりにくい

等いろいろあり、ファシリテータ・報告者にスキルが要求され結果的に、朝会が形骸化してしまうこともあると思います。朝会が形骸化していく対策としては当然、朝会自体に手を入れるのが正攻法で、上記のような課題に対する対応策の情報も多く出ています。
 しかし、達成したいことは「チームの透明性」と「チームの最適化」であり、朝会はこれらを実現するために可視化を行うものだと考えます。ならば、朝会の形式にこだわる必要もなく、特に「チームの最適化」に焦点を当て、今回は開発チームのSlackにdoingチャンネル(分報)を導入してみることにしました。その他にもこれを導入することで期待することもあったのですが、これは後述します。

doingチャンネル(分報)

 私のチームではdoingチャンネルと読んでいますが一般的には分報と呼ばれるものです。これは日報が一日の最後にまとめて作業内容等を報告するのに対し、分報は自分が新しい作業をするタイミングで報告を行うイメージ的にはチームのtwitterのようなものです(※ 当然ですが1分ごとに投稿するわけではありません)。このチャンネルに期待することは朝会の場合と同じで

  • メンバーの進捗の確認
  • 情報共有
  • 課題・障害にチームで対応

といったもので、特にリアルタイムでメンバーの状態が可視化されていくというのは朝会やチケット管理ではなかなか獲られない効果ではないでしょうか。

分報をについて調べると大きく分けて二つのタイプがありそれぞれメリット・デメリットがあるかと思います。

  • タイプ1: 個人ごとに分報チャンネルがある
    • メリット
      • 自分の作業履歴を追いやすい
    • デメリット
      • 他人のチャンネルに目を通さなくなる
      • 議論等が一部の人(チャンネルを見た人)のみで行われる
  • タイプ2: チームで一つの分報チャンネルがある
    • メリット
      • 誰かの困りごとや気づきに全員が目を通す
    • デメリット
      • 投稿の流れるスピードが速くなる
      • 特定のメンバーの状態を見ることができない

 可視化という視点では前者の「個人ごとに分報チャンネルがある」場合、最適化という視点では後者の「チームで一つの分報チャンネルがある」場合が適しているのではないかと思います。私のチームでは後者の「チームで一つの分報チャンネルがある」タイプのものを採用しています。

チームの最適化以外の期待

 私の組織では少し前まではコミュニケーションはメールが主体でチャットツールを導入してもあまり有効に活用されていない状態でした。そのため、「doingチャンネルは誰の返信を求めないことを投稿していいチャンネル」というルールにして、あえて治安の悪いemojiを追加したりすることで、チャットツールでのコミュニケーションを活性化させるような期待もありました。結果としてはよくなったと思いますが、分報を行っている事例を調べると最終的にただの雑談チャンネルになってしまったような話も聞くので注意すべきです。

doingチャンネル(分報)を導入してみて

 導入によりある程度チャットツールによるコミュニケーションも促進され、リモートで働くメンバーの動きがわかりやすくなった等の効果もあり、「チームの最適化」という目的は一定量達成されたかと思います。特に新規のメンバーが加入したタイミングでは有効に機能したと思います。しかしながら分報への投稿を忘れてしまったり、上記で上げた「チームで一つの分報チャンネルがある」場合では特定のメンバーの状態を見ることができないような課題は残っていると思います。ある程度はBot(しばらく投稿がない人に投稿を促すような)を作成することで解決できるような気がしますが、そもそもこの分報という仕組み自体がコストにならないように気を付ける必要があるのかと考えています。

その後の話

 分報も継続しているのですが、しばらくしてから朝会(デイリースクラム)も再開しました。これはメンバーによっては朝会のような決まったタイミングの方が相談等がしやすいといったパターンもあったためです。また、以前は出社・リモートが混ざっていて環境の差の問題や、出社側で朝会をする場所が確保しづらいといった問題が、フルリモートに移行したことで解消したことも理由だったりします。

10
11
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
10
11

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?