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LINE BOT + Cloud Natural Languageで感情分析してみる (Google App Engine(GAE) + Python3.7 + LINE Message API + Google Cloud Natural Language API)

Last updated at Posted at 2018-11-29

■はじめに

Google App Engine(GAE) + Python3.7 + LINE Message API + Google Cloud Natural Language API を使用して、LINE BOTを作成しましたので、その手順を投稿します。
image.png

各手順は画面キャプチャーとコメントを記載してますので、手順に沿って作業すれば、どなたもLINE BOTが作成できると思います。
(あわせて、作ったアプリの後片付けも記載してます)

※本投稿は2018年11月時点のものになります
(Cloudサービスは日々かわりますので、いつ時点の情報と書いていておきます)

■本投稿の背景

Google Cloud Platform で、何かできることはないかを探してたら、
Google Cloud Natural Language というものがありました。
 ・https://cloud.google.com/natural-language/

感情分析は、テキスト内で表現されている全体的な態度(ポジティブかネガティブか)を特定します。
score: -1.0(ネガティブ)~1.0(ポジティブ)のスコアで感情が表されます。これは、テキストの全体的な感情の傾向に相当します。
 ・https://cloud.google.com/natural-language/docs/basics

簡単な動作確認は https://cloud.google.com/natural-language/ で確認ができます。
image.png

◆実行してみる
image.png

これを使用すれば、
嫁からのLINEが来て、このメッセージ怒っているのか?と判断できると思い、
Google App Engine(GAE) + Python3.7 + LINE Message API + Google Cloud Natural Language API を使用してLINE BOTを作成しました。

■やることのイメージ

嫁からのLINEが来た場合、メッセージをLINE BOTに転送(or メッセージを貼り付け)、感情分析をしたい。
⇒相手のLINEメッセージを感情分析して-100点~100点の範囲で結果を返します
  image.png

ガンツ先生 が得点とアドバイスを返します。
※ガンツ先生はロボコンにでてくるキャラクターで、ロボコンの行動に点数をつける先生です
点数は 0点~100点をつけていたと思います。

Cloud Natural Language APIから返る値は、-1.0 ~ 1.0 なので、
x100 にして、あたかもガンツ先生が採点しているかのようにします。
(100点が最高にポジティブ(機嫌がよい)、-100点が最高にネガティブ(機嫌が悪い))

■構成図

image.png

LINE BOTを動かす環境は、Google Cloud Platform の Google App Engine(GAE) を使用します。

Google App Engine(GAE) は、
Google Cloud Platform 上でアプリケーションを作り、実行できるようにする PaaS
( Platform as a Service )です。
⇒環境(たとえばPythonのインストールが実施済み)が設定されている状態で使用できます

また、Google App Engine、 Google Cloud Natural Language は制限を越えなければ無料です。
※2018年7月から Python3.7が Google App Engine のスタンダード環境で実行できるようになりました。

■やること

以下のステップを実施します。

 1. Google Cloud Platform 申し込み
 2. Google Cloud Platform プロジェクトの作成
 3. Google Cloud Natural Language APIを有効にする
 4. LINE Message API 申請
 5. Python+設定ファイル作成
 6. Google App Engine(GAE) にデプロイ
 7. LINE 設定

1. Google Cloud Platform 申し込み

Google Cloud Platform の申し込みはこちら参照させて頂きました
Google Cloud Platform(GCP) 無料トライアルの開始方法

2. Google Cloud Platform プロジェクトの作成

https://console.cloud.google.com/?hl=ja
にアクセスして、新規プロジェクトを作成します。

1.新規プロジェクトを作成します
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3. Google Cloud Natural Language APIを有効にする

作成したプロジェクトでCloud Natural Language APIが使えるように設定します。

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有効になっていればOK
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使用料金は個人で使う分には問題ないです。
image.png

ユニットって何?については以下のURLに説明されてます。
https://cloud.google.com/natural-language/pricing 

ドキュメントの文字数が 1,000 文字を超えている場合、1,000 文字ごとに 1 件のテキスト レコードとしてカウントされます。たとえば、Natural Language API に送信する 3 件のリクエストそれぞれに、800 文字、1,500 文字、600 文字が含まれている場合、1 番目のリクエスト(800)が 1 件、2 番目のリクエスト(1,500)が 2 件、3 番目のリクエスト(600)が 1 件、合計 4 件のテキスト レコードとして課金されます。

⇒1ユニットはAPIコール回数で、1000文字超えるとコール回数が加算されるということかと

4. LINE Message API 申請

LINE developers で API申請を行います。
※幾つも他記事でありますが、画面が若干変わっていたので書きます。※本投稿は2019年11月時点のものになります
 ・https://developers.line.biz/ja/

4-1.ログイン

LINE developersにログインします。LINEアプリでメールアドレス、パスワードを設定していない場合は
登録します。
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4-2.開発者登録

LINEアプリで設定している情報が表示されるので、変更することなく登録します
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4-3.新規プロバイダ登録

APIを使用するにあたり必要な設定。プロバイダ名はなんでもかまいません
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[作成する]ボタンをクリックすると、プロバイダが作成されます
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4-4.新規チャネル登録

LINEBOTの設定をします。
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4-5.アクセストークンを取得

PythonスクリプトにLINE Message API のアクセストークンが必要になりますので再発行します。
image.png
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画面を下におくり、「アクセストークン(ロングターム) 」を[再発行]ボタンをクリックして取得します。
※Pythonスクリプトで設定します
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4-6.Channel Secretを取得

チャネルの基本情報のChannel Secret があるのでこちらも控えておきます。
※Pythonスクリプトで設定します
image.png

5. Python+設定ファイル作成

Google App Engine(GAE) で動かすLINEBOTの Pythonスクリプト、設定ファイルを作成します。

ローカル環境(自分のPC)にプロジェクトフォルダ(今回はGAELINEBOT)を作成して、以下のフォルダ、ファイルを作成します

◆フォルダ構成
image.png

ファイル名 説明
lib Google App Engine が使用するライブラリを格納するフォルダ。ローカル環境ではフォルダのみ作成
app.yaml Google App Engine の設定ファイル(Google App Engineがpython3.7で起動とか、起動インスタンス数などを設定)
appengine_config.py サードパーティ製ライブラリを使用する際、lib フォルダに格納する設定
main.py LINEBotを動かすスクリプト
requirements.txt Google App Engineでインストールが必要なライブラリを記載

5-1 lib

新規フォルダ作成のみ

5-2 app.yaml

Python3.7を使用、Google App Engine(GAE) の起動設定を実施

app.yaml
runtime: python37

handlers:

- url: /.*
  secure: always
  script: auto

automatic_scaling:
  min_idle_instances: automatic
  max_idle_instances: 1
  min_pending_latency: 3000ms
  max_pending_latency: automatic

app.yaml は以下の記事を参考にしました。
App Engine Scaling Config

5-3 appengine_config.py

LINEなどのサードパーティ製ライブラリを使用する際、Google App Engine(GAE) 側 lib フォルダに格納する設定

appengine_config.py

import vendor
vendor.add('lib')

5-4 main.py

Pythonスクリプト

main.py
# coding: utf-8

import json
import os
import sys

#import logging
#logging.getLogger().setLevel( logging.DEBUG )

from google.cloud import language
from google.cloud.language import enums
from google.cloud.language import types

import flask

from linebot import (
    LineBotApi, WebhookHandler
)
from linebot.exceptions import (
    InvalidSignatureError
)
from linebot.models import (
    MessageEvent, TextMessage, TextSendMessage,ImageSendMessage
)

app = flask.Flask(__name__)

#CHANNEL_ACCESS_TOKEN
line_bot_api = LineBotApi('取得したLINE Message API の <アクセストークン(ロングターム)を設定>')
#CANNEL_SECRET
handler = WebhookHandler('<取得したLINE Message API のCANNEL_SECRET を設定>')

# Instantiates a client
client = language.LanguageServiceClient()


#返信メッセージを設定
msglst ={100:"全然問題ない!!!",
        90:"全然問題ない!!",
        80:"全然問題ない!",
        70:"問題ない!!!",
        60:"問題ない!!",
        50:"問題ない!",
        40:"大丈夫",
        30:"たぶん大丈夫",
        20:"まだ大丈夫",
        10:"もう少し大丈夫",
        0:"ギリギリ大丈夫",
        -10:"様子見しますか",
        -20:"もう少し様子見しますか",
        -30:"あと少し様子見しますか",
        -40:"少し機嫌が悪いかも。落ち着こう",
        -50:"機嫌が悪いかも。何かしたか思い出せ",
        -60:"ちょっとやばいかも。。",
        -70:"少しフォロー必要かも",
        -80:"フォロー必要",
        -90:"早くフォロー!",
        -100:"まずは謝る"
    }

@app.route("/")
def hello():
    return "hello this page is nothing."


@app.route("/callback", methods=['POST'])
def callback():
    # get X-Line-Signature header value
    signature = flask.request.headers['X-Line-Signature']

    # get request body as text
    body = flask.request.get_data(as_text=True)
    app.logger.info("Request body: " + body)

    # handle webhook body
    try:
        handler.handle(body, signature)
    except InvalidSignatureError:
        flask.abort(400)

    return 'OK'

@handler.add(MessageEvent, message = TextMessage)
def handle_message(event):



    text = event.message.text

    document = types.Document(
    content=text,
    type=enums.Document.Type.PLAIN_TEXT)

    # Detects the sentiment of the text
    sentiment = client.analyze_sentiment(document=document).document_sentiment

    #score = round(sentiment.score, 1)
    score = int(sentiment.score * 100)
    ret = 'Sentiment: {}, {}'.format(sentiment.score,score)

    textresponse = str(score) + "点\n" + msglst[round(score,-1)]

    line_bot_api.reply_message(
        event.reply_token,
        TextSendMessage(text=textresponse))


if __name__ == "__main__":
    app.run()

5-5 requirements.txt

Google App Engine(GAE)でインストールが必要なライブラリを記載
※今回はline-bot-sdk、flask、google-cloud-language を使用するので、ライブラリを指定します

requirements.txt
line-bot-sdk
flask
google-cloud-language

6. Google App Engine(GAE) にデプロイ

Google App Engine にデプロイします。
※ローカル環境(自分のPC)でプログラム作成して、Google App Engine にデプロイする場合、Google Cloud SDKをインストールする必要があります。
image.png

※私の環境は Windows7(64bit) + Anaconda5.2-Python 3.6 version の環境での手順になります

この章では、Google App Engine のアプリケーション作成、Google Cloud SDK のインストール と Google App Engine(GAE) へのデプロイ方法を記載します。

6-1 Google App Engine アプリケーション作成

https://console.cloud.google.com/ にアクセスして[App Engine]をクリックします
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アプリケーションを作成
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リージョンを選択
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環境を選択
※今回は言語はPython 、環境は基本無料の[標準]を選択
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App Engineが作成されることを確認
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6-2 Google Cloud SDKのインストール

ダウンロードボタンをクリック
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インストールボタンをクリック
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インストール.exe をダウンロード
GoogleCloudSDKInstaller.exe がダウンロードされます
image.png

GoogleCloudSDKInstaller.exe を実行します。
[Next]をクリック
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[I Agree]をクリック
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[All users]を選んで[Next]をクリック
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インストールパスはそのままで、[Next]をクリック
image.png

オプションはそのままで、[Install]をクリック
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インストールは結構かかったので辛抱してまつ。終ったら[Next]をクリック
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[Finish]をクリック
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すると、Dos窓が起動してくるので、[Y] + [Enter]
image.png

ブラウザが開くので、[許可]をクリック
image.png

認証が完了した画面が表示されます
image.png

デスクトップに Google Cloud SDK Shell のショートカットが作成されてます
※このショートカットで SDKの設定・デプロイをします

image.png

Google Cloud SDKで Google App Engineにある、どのプロジェクトを使用するかを設定

6-3 Google App Engine(GAE)へのデプロイ

デプロイは自分のPC(ローカル環境)から Google App Engine(GAE)へ Google Cloud SDKを使用してデプロイします。

Google Cloud SDK Shell のショートカットをクリックします。
image.png

gcloud init と入力して、new setting [1] を選択
image.png

使用するアカウントを選択(Google Cloud SDKで設定したアカウントが表示されているので、そのアカウントを選択)
image.png

デプロイ先のプロジェクトを選択
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Google Cloud SDK のパスを スクリプト格納先へ移動する

今回は、Pythonなどのファイル群を、「D:\Python\GAELINEBOT」に格納してますので、そのサンプルで説明します。
image.png

gcloud app deploy を入力して、Google Cloud SDK でデプロイ。
image.png

デプロイ先のURLを取得します。
image.png
※このURLを LINE Message API に設定します

7. LINE Message API 設定

Google App Engine(GAE) のデプロイ先URLを LINE Message APIに設定します
image.png
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画面を下におくり、「Webhook URL」を設定します。
[編集]ボタンをクリックして、
Google App Engine(GAE) のデプロイ先URL/callback と設定します
image.png

自動応答メッセージを「利用しない」、友達追加あいさつを「利用しない」と設定します
image.png

LINEアプリQRコードを携帯に読込ませます
◆◆◆1月9日に、停止しました。◆◆◆
image.png

LINE BOT動作確認

嫁からのLINEメッセージをガンツ先生に転送 or メッセージのコピペしてみる
 image.png

点数とコメントが返信される

できた!

不要なGoogle App Engine(GAE)アプリケーションの無効化/プロジェクトの削除

使わなくなったGAEアプリケーション/プロジェクトは止めておきましょう。
※意図せず課金されるのを防ぐためです

Google App Engine(GAE) アプリケーションの無効化

https://console.cloud.google.com/ にアクセス

image.png

アプリケーションを無効化
image.png

アプリIDを入力して無効化
image.png

アプリケーションの無効化を確認
image.png

Google Cloud Platformプロジェクトの削除

削除するプロジェクトを選択します。
(現在、削除するプロジェクトになっている場合、プロジェクトの選択はしなくてOKです)
image.png
image.png
image.png

削除するプロジェクトのホーム画面を表示させる
image.png
image.png
[シャットダウン]をクリック
image.png
プロジェクトIDを入力してシャットダウン
image.png
シャットダウンして1ヶ月後に完全に削除されるメッセージを確認して[OK]ボタンをクリック
image.png
削除されたプロジェクトが一覧から消えていることを確認
image.png

プロジェクトを削除するのが無難かと思います。

最後に

オチとして嫁からのLINEを振り返って確認すると、
「敬語のLINEメッセージは100% 怒っている」 事に気がついたので、LINE BOT作成しなくてもよかったかもしれません。。

Google App Engine(GAE)、Google Cloud Natural Languageは無料枠で使用しているので、
しばらくLINEBOTは起動しておきます。

※事情により停止する事がありますのでご了承ください

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