こんにちは。GxPの村木です。
この記事はグロースエクスパートナーズ Advent Calendar 2021の12日目です。
本日はとある情報管理システム(以下、システムと記載)をチームで客先に導入したときの話を書きます。
全く同じシステムを複数のユーザーに導入するも、システム導入後の反応は様々。
導入して良かったと言って頂けたり、不満を口にされたり、同じシステムを導入しているのになぜ導入後の反応が異なるのか。
そこにはシステムの機能面だけではない、ユーザーとのコミュニケーションが大きな要因になっているのではないかというお話になります。
なぜシステムを導入するのか
まず始めになぜシステムを導入するのか考えた時、思い浮かぶのは
- 現行の業務をもっと効率良くしたい
- 作業ミスを減らしたい
- 運用コストを抑えたい
といったような事項ではないでしょうか。
実際、自分がシステム導入に関わったユーザーから聞こえてくる声も上記内容が多かったです。
つまりユーザーがシステムを導入する目的としては現行業務の不満点・問題点を解決したいから、と言えます。
これらの不満点・問題点を解決するために開発したシステムを導入する。
この流れではあればユーザーのニーズにあったシステムの導入になるので、これは満足頂けるであろうことが期待出来ます。
いざ、システム導入!が…
ユーザーのニーズにあったシステムの導入であるはずなのですが、冒頭でも記載した通り導入後の反応は様々でした。
満足頂けたケースは良いとして、ここでは不満を持たれるケースとはどういった場合だったのかを書いていきます。
それはある客先にてシステム導入後、何日間か客先で立会をし問い合わせ対応などしていた時のこと。
たまたまお客様の立ち話が耳に入ってきました。
お客様A「このシステム、使いづらいよね」
お客様B「〇〇も出来ないし☓☓も微妙だし」
お客様C「システム使い始めてから疲れる…」
※実際の内容とは異なりますが、だいたいこんな感じの会話でした。
どういうことだ?というのが率直な感想でした。
ニーズにあったシステムの導入であるはずだし、導入前にはシステムの説明会も複数回実施している。
不明点などの質疑応答も終えシステム運用が始まったのになぜ不満を持たれてしまっているのか…。
後日、関係者にヒアリングし情報収集した結果、ユーザーがいくつかの不満な点を挙げた中で一番大きかったのは
- 現行業務の問題点がユーザーが期待していた程改善されなかった。
でした。
結果としてユーザーが思っていたニーズとシステム導入側が思い描いていたニーズが異なっていた、ということになります。
ユーザがシステム導入後に期待していた結果とは?
ではユーザーが期待していた問題点の改善はどのようなものだったのか。
今回のケースでは以下のようなものでした。
- いままで手動でやっていた為ミスが多かった作業が、システムを導入すれば自動で出来ると思っていた
- 紙で運用していた部分がすべてペーパーレスになると思っていた
などヒアリングした結果、システムで出来ることとユーザーの期待値との乖離が大きい部分について特に不満と感じている様子でした。
事前に操作説明やデモンストレーションを行っているものの、ユーザーはそれだけでシステムの全てを理解することは難しく、現在の業務とシステムとの関連が曖昧な部分ほど、都合良い方向に捉えてしまう(きっと出来るんだろう)傾向にあることも感じました。
コミュニケーションを密に現場の業務を理解しシステムを導入する
システムで出来ることとユーザーの期待値との乖離が問題なのであれば、解決するにはどうすれば良かったか。
それは現行業務を運用フロー、問題点を把握しているユーザーとシステムの内容を把握している自分たちとで
一緒にシステム導入後の運用や問題点を考えることがより良い解決方法ではないかと考えます。
そしてこれを実現するためにはコミュニケーションを密に取りユーザーのやりたいこととシステムが出来ることを確認しながら運用を考えることが必要になります。
システムが何でも出来るわけではないことを理解頂き、システムに出来ないものは100%要望を叶えられないとしても、少しでも要望に近い代案がないかを模索しユーザーと共にシステム導入後の運用を完成させるような導入が出来れば、不満の少ない、満足度の高い結果に繋がることになります。
最後に
ユーザーはこんな機能も欲しい、あんな機能も欲しいなどシステムに多くを求めがちになります。
システムで全て対応出来ることがベストとは思わず、システムの運用をユーザーと共に組み立て問題点を解決することが重要であり、システム導入とはただ機能説明をし収めるのではなく、ユーザーとのコミュニケーションを取り一緒に導入後の運用を完成させることが重要ではないかと考えます。
またシステム開発にてユーザーからの要望をどのように形としていくかは
以下の記事が非常に参考になりますのでご紹介しておきます。
・システム開発で曖昧な要望を形にしていく方法
https://arclamp.hatenablog.com/entry/2021/12/09/230643