はじめに
私は数学科で理系ではありながら情報系の学生ではありません。そして自慢できることでもありませんが、コスパを重視した勉強方法で基本情報技術者試験(以下、FE)とITパスポート試験(以下、IP)に一発合格しました。
ここでは簡単に資格試験のために勉強したことを紹介させていただきます。参考にしていただければ私としてもうれしい限りです。
動機
私が情報系の資格を取ろうと思った動機は単純でエンジニアになりたかったからです。とかく、学生のうちでもポートフォリオを作成したり、プログラミングなどのスキルを身に着けることを重視しがちな気がします。もちろん、それは正しい努力の仕方でやっていることは間違いではないと思います。
しかし、ポートフォリオを企業に提出するにあたって私は何から始めたらいいのかわからなかったし、どんな能力が必要になるのかわかりませんでした。きっと私のように感じている学生は少なからずいると思います。
そこで、まずはIPAの資格試験をクリアしてITに関する知識があることをきちんと証明しようと考えたわけです。
試験に、一発で合格することができれば、試験料や参考書を含めても余裕で黒字になるくらいのお金がもらえます。学生にしたらすごくうれしい制度です。
勉強方法
どちらの試験も基本的に勉強方法は同じなので最後にまとめて説明します。特にIPとFEの午前に関しては同じ。FEの午後試験に関しては少し対策が必要だと思いますので、おすすめの選択問題とともに教えます。
ITパスポート試験(IP)
試験概要を簡単に説明します。
対象
公式HPによると対象は
職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者
とあります。試験はIPAの試験では一番簡単なレベル1です。
試験概要
試験時間 | 120分 |
---|---|
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
出題数 | 100問(小問形式) |
合格基準
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること |
---|---|
総合評価点 | 600点以上/1,000点(総合評価の満点) |
分野別評価点 | すべて満たしている必要があります |
ストラテジ系 | 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
マネジメント系 | 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
テクノロジ系 | 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
試験方法
**CBT方式(Computer Based Testing)**です。紙ベースでないところは最初はやりにくいかもしれませんが、慣れればCBTのほうがやりやすいと思います。(もちろん個人の見解。)
基本情報技術者試験(FE)
試験の概要を簡単に説明します。
試験概要
公式HPでは次のように説明されています。
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験として実施しています。特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く総合的に評価しています。
試験の概要は簡単に次のようにまとめられます。
試験名 | 試験時間 | 出題数/解答数 | 出題形式 |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験(午前試験) | 150分 | 80問/80問 | 多肢選択式 (四肢択一) |
基本情報技術者試験(午後試験) | 150分 | 11問/5問 | 多肢選択式 (選択問題あり) |
詳しくはIPA公式HPでご自身で調べていただければと思います。
合格基準
合格基準は午前午後ともに60点以上です。
勉強方法
ここまで簡単に試験について紹介してきました。そこで、私がやった勉強方法を紹介させていただきます。
一番はじめに最も重要なことを述べると、知識ベースで演習量をこなすのが最も大切なことだと感じていました。こんなことはいたって当たり前で、過去問と合格基準をしっかりと見て必要な勉強を考えました。
**すべての勉強を始める前に、まずは過去問を必ず1回分でいいので解きましょう。**こんなことは常識ですよね。もちろん、合格基準はこの時点で頭に完璧に入れておかねばなりません。
知識のインプット
手始めにやったこととしては教科書を用いて知識のインプットを徹底的に行いました。
知識のインプットといってもすべて覚えるのは簡単ではないと思います。そこで考え方として、覚えるのは最低限でいいと思います。教科書でまずやるべきは、知ることです。体系的にどのような技術がどの分野で紹介されていて、どういった動機でその技術を使うのか知ることからはじめてみましょう。
実際に過去問で出題された内容から覚えなければならない内容を精査する技術もかなり重要になります。
これからIP/FE試験でそれぞれ私が使った教材を紹介しますが、これらには致命的な欠陥があります。教材自体に問題があるというわけではなく、これらでは知識量が不十分であるということを理解しなければならないということです。ちょうど大学入試の英語の試験のような感じで、いくら単語帳をやっていても知らない単語は必ず出題されます。
なのでこれを解消するために私がやっていた方法をはじめに紹介します。端的に自分で単語帳を作っていました。ただ、これを紙ベースで作ってはいけません。几帳面な人に限ってノートをまとめることに神経を使ってしまい、試験に合格する勉強ができないように思えます。そこで**Notionを使って単語帳を作っていました。**
Notionの使い方はここでは詳しく述べませんが、次のようにまとめていました。
覚えていない単語や理論に関しては、すべてこれでまとめていました。もちろん教科書に載っている内容に関しては教科書で十分だと思うので、教科書の索引を見てから単語帳にまとめてください。
ITパスポート試験の教材
扱った教材としては一つだけで徹底攻略ITパスポート教科書+模擬問題という教本でした。
正直なところ、この手の教本はどの出版社が出しているもので内容はほぼ一緒なのでどれでもいいです。私はインプレス社の本が好きだったのでこの教本を選びました。なので、どれでもいいですがどれか一冊教本を購入することをおすすめします。
世間的にはキタミ式?という本が有名らしいですが個人的には絵を見たり簡略化されたわかりやすさ重視の本がとても苦手だったので避けましたが、情報系の勉強が難しくて手に着けにけられない人にとっては親しみやすくてよい参考書なのかもしれませんのでよかったら検討してみてください。
基本情報技術者試験の教材
これも私はインプレス社の徹底攻略 基本情報技術者教科書を使いました。そして、FEに関しては、扱った教材は教科書だけではありません。(後に紹介します。)
好みに応じてキタミ式の教科書を使ってもよいと思います。
演習量の確保
さて、教科書である程度の知識を知ることができたら実際に過去問を解きます。問題演習には本などは使っていません。基本的には過去問道場だけで十分です。
過去問道場は情報技術者試験の過去問を扱うWebアプリケーションです。実際に使ってみれば有用なサイトであることがすぐにわかるでしょう。
実際に、FEに合格した時の勉強量は午前試験の過去問で4段になる程度でした。
過去問の解き方
順番に過去問の解き方を説明します。
- 試験を1度通しで解く
一度、すべての分野を解き切ることで苦手な分野を洗い出します。過去問道場の機能で分野ごとの正答率が出てきます。一回の試験の結果ではありませんが次のようなレポートです。
例えば、私はどうやらテクノロジ系のコンピュータシステムが苦手であることがわかります。なので次にやるべきことは明瞭です。
- 苦手分野の教科書を読み直して過去問を分野指定で解きまくる
やるべきことは簡単ですよね。これで分野ごとに正答率を上げることで分野ごとの完成度を上げます。
- これの繰り返し
ある程度、分野ごとに学習が終了したら、また通しで試験をこなして苦手分野をつぶします。
知識をしっかりとつけることで、多肢選択式の問題で消去法が解けるようになりますので知識は極めて重要です。
FEの午後試験は結構ムズイ
午後試験はそこそこ難しいので、同じように過去問をこなしているだけでは合格は難しいかもしれません。そこで私は苦手だったデータ構造とアルゴリズムだけは補強として教材を使いました。
使った教材は基本情報技術者 大滝みや子先生のかんたんアルゴリズム解法 ~流れ図と擬似言語~でした。
私はとりあえず過去問とこの教材を使って本番試験はデータ構造とアルゴリズムで80%以上得点することができました。そして、これはプログラムの選択問題(C言語)で100%得点できたことにもつながっていると思います。
FE午後試験のおすすめ選択問題
最後にFE午後試験のおすすめ選択問題を紹介させていただきます。これに関しては個人的見解がかなり強いので、判断はご自身に任せます。
選択問題 | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
ソフト・ハード | ◎ | 問題パターンが少ない |
データベース | 〇 | SQLが完璧にわからなくても大丈夫 |
ネットワーク | △ | 複雑で得意じゃない人は選択しないほうがいい |
マネジメント系 | ◎ | 文系でも解きやすい |
C言語 | 〇 | 文法が単純 |
アセンブラ | - | やってないので不明 |
Java | - | やってないので不明 |
Python | ◎ | 文法が簡単だが過去問が少ない |
表計算 | ◎ | マクロ以外文法が簡単だが問題が少し難しい |
ということで、個人的にはネットワーク以外なら何でもいいような気がします。周りの合格した人に聞く限りでは、やはりネットワークは少し煩雑なので避けたほうがいいといっていましたし、私も少し苦手だったところもあり、おすすめはあまりしません。
プログラムに関しては、プログラミングをしない方はほぼ表計算一択であろう。しかし、表計算は問題がほかの言語系に比べて難しいような気がした。難しいというのも、なんだか情報処理量が多いという意味で使っている。
個人的には、プログラミングを授業や趣味で勉強したことがあればその言語をそうでなければ、表計算を選択するのがベストだと思います。
終わりに
取得したとてあまり自慢できる資格でもありませんが、私はこんな感じで学習を進めていました。少しでも参考にしていただければ私としてはとてもうれしいです。
私は応用情報技術者試験に向けてまた勉強を頑張ります。最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。