CMOSクリアしたので、最新のBIOSを入れたときのお話です。
※BIOSの設定変更する場合は自己責任でお願いします。
4月下旬ごろに、マザボメーカはIntelの13世代、14世代CPUの不具合で電力回りの設定を見直したIntel Baseline Profileによる対策BIOSを提供しました。
前々からIntel CPUは電力モリモリでしたので、普段からBIOSの設定でPower Limitをかけている私にとっては気になったので、インストールしてみました。
ちなみに、私がインストールしたのはASUS PRIME Z690-Aのバージョン3701です。
Intel Baseline Profile
Intel Baseline Profileは13世代、14世代で発生している不具合に対応した設定がされたものです。発生している不具合に関して簡単に説明すると、IntelのCPUを使っているとクラッシュが多発してゲームや作業ができないというものです(私はまだなったことないのでわからないです)。詳しい内容は検索ですぐでるので、調べてください。
Intel Baseline Profileで何の設定が変更されたかは以下の記事がわかりやすいんですかね…
(私自身もすべて把握しているわけではないです)
Intel Baseline Profileデフォルト設定での電圧
いつもCore TempでCPUの温度を見ているのですが、Intel Baseline Profileで起動して初めてCore Tempを確認したときは驚きました。電圧がなんと1.525Vも入っていました。「電力回りの設定を見直してこれかい」と正直思いました。Chat GPTやClaudeにお話ししてみたところ、高くても1.4Vで動作することが多いという回答でした。実際、更新前のBIOSでは1.4Vが最高値で1.5Vを超えたことはありませんでした。
一旦、この状態でCPUに負荷をかけたところ、CPU温度が96℃になってしまいました。
補足すると電力設定は253Wではなく、125Wに制限しています。その状態でCPU温度が96℃です。これはさすがにアチアチすぎるので電圧を下げる必要があると判断しました。
Intel Baseline Profileで低電圧化
電圧を変更する方法はいくつかあるみたいですが、私はマイナスオフセットで電圧を下げました。
BIOSに入って以下のように設定すると電圧を下げられます。
- 【重要】SVID BehaviorをIntel's Fail Safeから別のモードに変更(私はTypical Scenarioにしました )
- 【重要】IA CEPを無効化
- CPUのコア電圧設定
global core svid voltage | adaptive mode |
Offset Mode Sign | - |
Additional Turbo Mode CPU Core Voltage | Auto |
Offset Voltage | 0.075 |
- CPUのキャッシュ電圧設定
cache svid voltage | adaptive mode |
Offset Mode Sign | - |
Additional Turbo Mode cache Voltage | Auto |
Offset Voltage | 0.075 |
- 電力設定(これはしなくても良い。私の場合は125W)
Long Duration Power Limit | 125 |
Short Duration Power Limit | 125 |
上記の設定について説明します。
- SVID BehaviorをIntel's Fail Safeから別のモードに変更する必要があります。これは非常に重要な設定で、デフォルトのIntel's Fail Safeモードではなぜかオフセットの設定が効かず、電圧が下がりませんでした。私はSVID Behaviorについて全く詳しくないので、なぜ電圧設定が効かないのかまではわからないですが、電圧を下げる際はIntel's Fail Safeモードは選ばないほうがよさそうです。
- IA CEPを無効化ですが、これをしないとCPUの性能が大きく低下します。私の場合はCinebench R23のマルチスコアが大体10000(35%)程下がりました。
- global core svid voltageはCPUコアの電圧に関する設定です。マイナスオフセットで標準から0.075V下げるようにしています。
- cache svid voltageはキャッシュの電圧設定です。これはCPUのコア電圧と同じか、0.1Vほど低い電圧に設定すればよいらしいです。
低電圧化の効果
まず、電圧です。Offsetが大体0.075V入り、一番高い電圧で1.323Vとデフォルトから大体0.2V下げることに成功しました。
温度も、一番高くて80℃で高負荷時は大体72℃で落ち着いているので、電圧を下げた効果が出ていますね。室温が32℃のエアコンなし環境下でCinebenchを10分回してもこの程度であれば、CPU温度をあまり気にしなくてもよさそうです。
最後、Cinebench R23のスコアはマルチが26744、シングルが2053とシングルが若干スコア低いくらいですかね。マルチに関しては電力無制限で31000くらいなので、125W制限で85%ほどの性能といったところです。
シングルは若干スコアが低いですが、低電圧化による性能低下の影響はあまりないものとして考えてよさそうですかね。
まとめ
13世代、14世代CPUの不具合で追加されたIntel Baseline Profileをデフォルトで使ってみたところ、電圧がモリモリでCPUがアチアチになってしまったので、低電圧化することで、性能を維持したままCPU温度をいい感じに下げることができました。
CPUの電圧に関しては高すぎても低すぎても良くなく、基本的にBIOSの設定変更は自己責任ですので、初心者や詳しくない方は設定を変更しないほうが良いです。