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CYBIRDエンジニアAdvent Calendar 2017

Day 8

Web UI の自動テストツール Cypress のご紹介

Last updated at Posted at 2017-12-07

はじめに

こんにちは。
CYBIRDエンジニア Advent Calendar 8日目の @kkakizaki です。
7日目は @a-hirahira さんの「エンジニアタイプ別 QAテストでのおもてなし作法」でした。
かつて"エンジニア別に不具合数をカウントする"と何かわかると思いチャレンジしたのですが、
殺伐とするだけなのでやめましたw思いやりの精神でテストを進めたいものです。

さて、いつもは雑用QAマネージャー的な話ばかりなので、
たまには大好きなQAツールの話を書きます!!!

Selenium以外の選択肢「Cypress」

長い間、Web UI の自動テストツールといえば Selenium だったのですが、
最近は Selenium 以外にも優れたツールが増えてきています。

大部分が有料ツールなので、なかなか紹介しづらいのですが、
Cypress(サイプレス)」はオープンソースで無料で使えるだけではなく、
かなり使い勝手の良いツールに仕上がっているので、
QA関係者は一度試してみることをおすすめします。

※注意: Cypress のテストランナーは無料ですが、オプションの Webダッシュボード機能は有料です。とはいえ無料部分だけで十分強力なツールとなっております。

Cypress の使い方

公式のチュートリアルがとてもわかりやすいので、そっちを読んで下さい。(完)
……
と、いってしまうのはあまりにも乱暴なので簡単に解説します。
Cypress は Windows版、Mac版、Linux版が存在するのですが、
今回は Mac版を利用しています。

事前に必要なもの

  • node.js を使います。事前にインストールしておきましょう。

インストール

  • Cypress はプロジェクト単位でインストールすることが推奨されているようです。適当な場所に専用ディレクトリを作成しましょう。
  • ディレクトリを移動したら npm install だけでOK。
$ cd /your/project/path
$ npm install cypress --save-dev

起動

  • Cypress の本体はインストールディレクトリの中の node_modules の中の .bin の中にいらっしゃいます。
  • 起動は、そいつを open するだけです。
$ ./node_modules/.bin/cypress open
スクリーンショット 2017-11-22 14.46.25.png

起動すると上記の画面が出てきます。
「OK, got it!」をクリックしてウィンドウを閉じましょう。

スクリーンショット 2017-11-24 17.07.57.png

上記が Cypress のメインウィンドウと言えます。
テストスクリプトはインストールディレクトリの中の cypress の中の integration の中にあります。

試しに example_spec.js をクリックしてみましょう。

スクリーンショット 2017-11-22 14.51.33.png

別ウィンドウで Test Runner が開き、
example.cypress.io(Cypress用のテストサイト)に対して、
次々コマンドが実行されていきます。
豊富なコマンドと実行スピードに感動できるはず。

UI 自動テストの Hello World

インストールが完了したら、公式チュートリアルの「Writing Your First Test」から順番に実践してみることをおすすめします。

今回は、せっかくなので UI 自動テストの Hello World であるところの
「Google で 'cypress.io' を検索して、検索結果画面の title 要素を検証する」ところまでやってみましょう。

Cypress の操作方法は、基本的には他のスクレイピングツールと変わりません。
下記の動作と結果検証の繰り返しになります。

  • Web の UI 要素を検索する。
  • 検索した要素に対して操作を実行する。
describe('My First Test', function() {
  it('Visit Google', function() {
    cy.visit('https://www.google.co.jp')

    cy.get('.gsfi.lst-d-f')
      .type('cypress.io')

    cy.contains('Google 検索')
      .click()

    cy.title().should('eq', 'cypress.io - Google 検索')
  })
})

上記のスクリプトを作成したら、前項の integration ディレクトリ内に設置し実行してみましょう。

スクリーンショット 2017-11-27 16.41.35.png
  • Google にアクセスする。
  • 検索窓に「cypress.io」と入力する。
  • 「Google 検索」ボタンをクリックする。
  • title 要素が「cypress.io - Google 検索」であることを検証する。

これらの動作が確認できると思います。

Selenium と Cypress の違い

ここまで見ると「じゃあ、Selenium と何が違うの?」と思うかもしれません。
ざっと違いを挙げてみます。

Cypress はインストールが楽

Cypress は一発でインストールが完了するので、とても楽です。
Selenium はテストフレームワークやドライバの設定などなど行わなければならないため、
結構骨が折れます。

アーキテクチャが異なる(っぽい)

Selenium はブラウザの外部で動作しリモートでコマンドを実行します。
Cypress はブラウザそのものに組み込まれているため、Selenium よりも多くのことが実現可能です。(って公式の人が言ってた)

Cypress はテスト実行スピードが速い

アーキテクチャの違いが影響しているのかどうかわかりませんが、
Cypress の方が圧倒的にテスト実行スピードが速いです。
Cypress の設計志向は「フロントエンジニアのテスト駆動開発に役立てたい(そのためにスピードが必要)」ということらしいです。

Cypress は Google Chrome しか対応していない

Selenium はマルチブラウザ対応していますが、
Cypress は残念ながら Google Chrome にしか対応していません。
でも良いじゃない速いんだから。

Cypress は JavaScript にしか対応していない

Selenium は様々な言語でテストスクリプトを書けますが、
Cypress は JavaScript しか使えません。
でも良いじゃない速いんだから。
(フロントエンド開発に特化させるため JavaScript を選択しているっぽい)

最後に

そんなわけで、Cypress について紹介しました。
今回はセットアップ周りの話しか書けませんでしたが、
この記事で紹介した以上に便利な機能が Cypress には備わっているので、
興味のある方は是非使ってみて下さい。(自分もいじり倒したいっす……)

【便利な機能の例】

  • テストスクリプトのステップごとのスナップショット機能
  • スクリプトを書き換える度にテストが走る機能
  • 自動で Wait してくれる機能
  • 自動スクリーンショット、動画撮影機能
  • スタブ、タイマー機能 等など

CYBIRD エンジニア Advent Calendar 2017 明日は、@tossyz さんの 「失敗…」 です!楽しみですね!

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