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そんな打ち手で大丈夫か?「一番いいのを頼む」氷山モデルで一番いいのを探ってみる

Last updated at Posted at 2020-12-01

本エントリはiCARE Advent Calendar 2020の2日目です。

はじめに

タイトルは約10年前に一世を風靡したゲーム「エルシャダイ」の主人公イーノックと大天使ルシフェルの会話のやりとりをオマージュしています。

作中で、大天使ルシフェルが、敵との戦闘に挑むイーノックのあまりにも頼りない装備を目にし、「そんな装備で大丈夫か?」と声をかけます。
その質問にイーノックは、「大丈夫だ、問題ない」と答え、颯爽と戦場に降り立ちますが、問題ありまくりで、あえなく返り討ちに遭ってしまいます。

そして、再度先頭の場面に戻り、「そんな装備で大丈夫か?」とルシフェルが声をかけると、「一番いいのを頼む」と返事をし、最強の装備を手に入れたイーノックは見事敵を倒す、という場面があります。(本編をよく見ると回避性能が向上しているように見えるので、装備のお陰ではないかもしれない)

これを氷山モデルになぞらえて考えてみます。

氷山モデルとは?

まず、氷山モデルとは、元々は心理学の概念で、自閉症の人の様々な行動を水面上の一角に例え、水面から上の部分の見えている部分ではなく水面下の要因に着目する考え方です。転じて、ビジネス視点にも応用されています。

図解

氷山モデルは、氷山の一番上の部分から、

という階層になっていて、1以外は水面下のもので、外からは見えません。

イーノックの行動を氷山モデルで考えてみる

今回のイーノックの戦闘を氷山モデルで考えてみると、

となるかと思います。(完全に妄想です)

つまり、4の部分の改善すれば、そんな装備で大丈夫か?という問いに対し、何の根拠もなく、「大丈夫だ、問題ない」という返答は出ないはずですし、1回目の戦闘から「一番いいやつ」をオーダーできて、戦闘に勝利することができたと考えられます。

また、今回はたまたま「装備が貧弱だった」のが敗北した原因でしたが、
もし1の「事実」だけを基に打ち手を考えた場合、「負けたのはイーノックの俊敏性が足りなかったせいだ。だから、重たい防具は脱いで戦った方がいい」みたいな打ち手になることも考えられます。

何が言いたいかというと、事実だけを元に打ち手を考えることは極めて危険だということです。

事実だけをもとに打ち手を考えるのはやってしまいがち

「そんなこと言われなくてもわかってるわ」
「ちゃんとデータで裏付け取った上で打ち手考えているし」

みたいな外野からの声が聞こえてきそうですが、我々エンジニアの開発現場では、「事実だけを元に打ち手を考える」は意外とやってしまいがちです。

例えば、あなたがPjM(プロジェクトマネージャー)だとしましょう。

そして、「開発スピードがなかなか上がらない」という事実について、どういう打ち手を行うか考えているとしましょう。

現場からはよく、「人手が足りない」というぼやきが聞こえてきます。

この現状を踏まえて、予算の制約もあり、ひとまずオフショア開発会社からリソースの調達を行うことにしました。

それから3ヶ月経ちましたが、一向に開発スピードは上がっていません。

チームメンバーの様子をよく観察し、ヒアリングを行ってみたところ、「実装難度の高い箇所がある」「テーブル設計をどうすればいいか決められない」「要望がふわっとしていて仕様まで落とし込みきれない」という意見が上がって来ました。

今回の妄想ケースの場合、本当に必要だったのは単純な人手ではなく、上流から下流までこなせる「エンジニアリーダー」的なスキルを持つ人材だったことがわかります。

まとめ

このように、「氷山の一角」だけを見て打ち手を考えても、物事がうまく回ることは難しいかと思います。水面下の「行動パターン」や、「構造」、「メンタル・モデル」までしっかり掘り下げた上で打ち手を模索することで、よりよい案が出てくるかと思います。

iCAREテックブログもよろしくね!!

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