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NIJIBOXAdvent Calendar 2020

Day 23

【スムーススクロール対応】scrollIntoViewで手軽にスライダー作成

Last updated at Posted at 2020-12-25

前置き

以下のような表示領域に複数スライドが表示されるスライダーを作りたいとき・・・

slider.png

要素のscrollLeftやtranslateXの値を操作することが多いのではないかと思います。

しかし、リキッド対応が必要な場合、このscrollLeftやtranslateXを用いた実装方法だと、 resize イベントのたびにスライドの width を再計算し直して、移動させる位置を調整する必要があるので少し手間がかかります。

そんなときにはscrollIntoViewを使うとサクッと実装できちゃいます。

もっと楽ができる。そう、 scrollIntoView ならね

scrollIntoViewとは

Element インターフェイスの scrollIntoView() メソッドは、scrollIntoView() が呼び出された要素がユーザーに見えるところまで、要素の親コンテナーをスクロールします。

引用元: scrollIntoView() - MDN

以下のように記述すると、要素を見えるところまで持ってきてくれるメソッドです。

element.scrollIntoView();

引数にboolean値を渡すことで表示要素を表示領域の上端/下端のどちらに来るようにするかを設定できます。
規定値はtrueです。

  • true の場合、要素の上端がスクロール可能な祖先の表示範囲の上端に来るようにスクロールします。
  • false の場合、要素の下端がスクロール可能祖先の表示範囲の下端に来るようにスクロールします。

引用元: scrollIntoView() - MDN

スライダー実装に使う際の注意点

スライダーを作成する場合は、表示させたいスライドに対してscrollIntoVeiwメソッドを呼び出すだけでOK!と、言いたいところなのですが、1点注意が必要です。

scrollIntoView();を実行するだけだと、

  • スライダーだけでなく画面全体がスクロールしてしまう
  • スムーススクロールの対応ができない
  • スライドを表示領域の中央に表示する、などの位置調整ができない

という問題が起こります。
以下は上記の問題が起こっている実装例です。

See the Pen scrollIntoViewSlider by yuki-kojima (@kjkj_ongr) on CodePen.

これはいかん。

これを解決するためには、scrollIntoViewの引数にオプションとして渡せるscrollIntoViewOptionsを指定する必要があります。

scrollIntoViewOptionsとは

IE と Safari を除くブラウザで対応している、scrollIntoViewオプション設定です。
boolean値の代わりに、以下のようにscrollIntoViewOptionsを引数で渡すことで、対象要素を表示させる位置とスムーススクロールの有無を設定できます。

element.scrollIntoView({
  behavior: "smooth",  // スムーススクロールを有効化: auto/smooth
  block: "end",  // 上下方向の位置: start/center/end/nearest
  inline: "start" // 水平方向の位置: start/center/end/nearest
});

先述した通り、引数を渡さない場合はtrueを渡した状態がセットされるのですが、scrollIntoViewOptionsで言う所の{block: "start", inline: "nearest"}が適用されてしまうため、画面全体が上部にスクロールしてしまったのでした。

スライダー実装時は、block: "nearest"とすることで画面全体がスクロールしてしまうことを防ぎます。

以下はクリックしたボタンに応じたスライドを表示するスライダーをscrollIntoViewを用いて実装した例です。
対象要素の水平方向の表示位置をスライダーの中央とし、スムーススクロールを適用しています。
一応リキッド対応もしております。

See the Pen scrollIntoViewSlider-options by yuki-kojima (@kjkj_ongr) on CodePen.

これでスライダーもお手軽に実装できちゃいますね。
そう、 IE と Safari 以外なら。

先生、IEとSafariでもscrollIntoViewOptionsを使いたいです

そんな時におすすめなのはscroll-into-view-if-neededsmooth-scroll-into-view-if-needed

scroll-into-view-if-neededとは

まだ標準化されていないscrollIntoViewIfNeededのPonyfill1のnpmパッケージです。

scrollIntoViewIfNeededは、表示したい要素が表示領域にない場合だけスクロールするという仕様のもので、要素を表示領域に持ってきてくれる、という点は基本的にscrollIntoViewと同じです。

scrollIntoViewIfNeeded - MDN

このパッケージを使えば、scrollIntoViewをほぼ同じOptionで表示位置・スムーススクロールの有無を設定できます。
呼び出し方についても、表示したい要素を第一引数に渡す以外はscrollIntoViewとほぼ同じです。

import scrollIntoView from 'scroll-into-view-if-needed'

scrollIntoView(taregtElement, {
  behavior: "smooth",  // スムーススクロールを有効化: auto/smooth
  block: "end",  // 上下方向の位置: start/center/end/nearest
  inline: "start" // 水平方向の位置: start/center/end/nearest
});

ただし注意したいのは、behaviorオプションをsmoothにしても、スムーススクロール対応のブラウザでしか有効になりません。
IEやSafariなどでもスムーススクロールを実装したい場合は、 smooth-scroll-into-view-if-needed を使います。

smooth-scroll-into-view-if-needed とは

scroll-into-view-if-neededのスムーススクロールも Ponyfill してくれるパッケージです。同じ開発者によるパッケージで、利用方法も全く同じです。
全ブラウザでスムーススクロールを有効にすることが優先ならば、こちらを利用しましょう。

import smoothScrollIntoViewIfNeeded from 'smooth-scroll-into-view-if-needed'

smoothScrollIntoViewIfNeeded(taregtElement, {
  behavior: "smooth",  // スムーススクロールを有効化: auto/smooth
  block: "end",  // 上下方向の位置: start/center/end/nearest
  inline: "start" // 水平方向の位置: start/center/end/nearest
});

ちなみにIE対応する場合は、PromiseのPolyfillが必要なので適宜追加してください。

IEとSafariでもスムースなスライダーを作ってみる

以下は smooth-scroll-into-view-if-needed を用いてスライダーを作った例です。

See the Pen smooth-scroll-into-view-if-needed-slider by yuki-kojima (@kjkj_ongr) on CodePen.

実にスムースですね。(※個人の感想です)

まとめ

2020年ももう終わりですね。1年の思い出をスライダーにしてみてはいかがでしょうか。

  1. Ponyfillについてはこちらを参照ください

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