LoginSignup
12
14

More than 5 years have passed since last update.

マーケター・販促担当者向けのトレジャーデータの使い方

Last updated at Posted at 2015-12-23

マーケティング担当の田村です。トレジャーデータというと

  1. FluentdとかEmbulk使って巨大なアプリやログデータを投げ込む
  2. SQLでとにかく集計しまくる。
  3. ~TD_TIME_RANGEの設定を忘れてJobが終わらない~
  4. Data Tanksとか、Redshiftとか、Google Spreadsheetに整ったデータを書き出して、レポート作成したり、アドホック分析の結果を見てPDCAを回す

みたいな使い方が多いかと思います。ユーザー層としても、データサイエンティストやデータアナリスト、あるいは彼らをサポートするデータエンジニアやインフラエンジニアの方がメインかと思います…

が、断言しましょう。2016年、一番トレジャーデータのユーザーとなるべきは、プランナー・販促担当者の方々です。以下、ちょっとした製品紹介も含め、どうデータを組み合わせると、より効率のよいマーケティングや販促キャンペーンが出来るか説明したいと思います。

あまり技術的な話は出てこないので、「SQLとかちょっと…」「トレジャーデータとかってエンジニアのツールでしょ」みたいに普段感じられている方にもお勧めです。

根本的な問題、それはデータサイロ

マーケティングをやってる元データ分析屋として常々思うのですが、データと幸せは似ています。双方とも、

  1. どこかにあることはわかっている
  2. しかしどうやったら手に入るのかわからない
  3. 誰に聞いてもテキトウな返事ばかり

です。例えばこんな経験はありませんか?

  1. Google Analyticsを眺めていたら、よりディープな考察をしたくなったが、何のデータを見たらいいかわからない。エンジニアに聞きたいが、忙しそうだ。というかそもそもどのエンジニアに聞いたらいいのかわからない。
  2. クラウドサービスの会社なので、お客さんのサービス利用状況が全て把握できているはずだが、自分はサービスを作っていないので、どこにそのデータがあるのかわからない。
  3. 費用対効果とかを計算する際に、顧客管理システム、広告ネットワークの月次レポートなどからCSVをダウンロードしてきてExcelでゴニョゴニョするのダルい。どうにか自動化したいが、プログラミングとかマジ勘弁。

ぼくはこれらの現象を、データサイロ問題と呼んでいます。つまり、各部門、データ用途ごとに、意図せずしてデータの収集・保管システムを作ってしまい、データの共有を妨げてしまっている現象です。

data_silos.jpg

データサイロはプランナー・販促を苦しめる

データサイロ問題で一番苦労するのはマーケティングと販促です(T_T)問い合わせ前に60%以上の購入プロセスを終えているといわれる今、マーケティングは、潜在ユーザーの行動を、事細かく、それも複数のシナリオに渡って把握する必要があります。例えば、オンライン出版社の経営者が、どのキーワードでオンライン広告を打てば、定期購読者数が増えるか知りたいと思います。その場合、以下のデータを一箇所に引っ張ってくる必要があります。

  1. オンラインメディア内での行動履歴:おそらく在り処を知っているのは、ウェブサイトを作ったエンジニアでしょう。ひょっとしたら、ロギングを怠っていて、データそのものがないかもしれません。データがあっても、場合によっては大きすぎて、そう簡単にはアクセスできなかったという話もよく聞きます。
  2. フェイスブック・ツイッターなどの広告出稿データ:要はCSVをダウンロードしてくるわけですが、タグの埋め込みを怠っていたり、間違ったページに見込み客を飛ばしていたりして、データ品質に難があったりというのは、公然の秘密です。
  3. セールスフォースなどの顧客管理システムのデータ:定期購読のデータなどはおそらく顧客管理システムに入っていることでしょう。このデータも必要です。アプリとしては触ったことがあるでしょうが、自動的にデータを取ってくるなんて、何をググっていいかわからない。ということでウィザードからのCSVエクスポートです。

たった3つと思うかもしれませんが、これでも一箇所に集めてきて、顧客ごとにデータを整形するのは非常にかったるい作業です。また、データ分析ツールの老頭Excelさんが、大小問わず全ての企業で、未だにご活躍されている、大きな理由でもあります。Excelさんは、データサイロからちょっとずつデータを取ってきて加工できる小さなバケツのようなもんです。便利ではありますが、本質的な解決ではありません。

では、どうやったらデータサイロ問題を解決できるのか?そこにトレジャーデータの新しい使い方があると思っています。

トレジャーデータはデータサイロのコネクタ

あらかじめ断っておきますと、データサイロはそう簡単にはなくなりません。なぜなら、データサイロは、便利なサービスの意図しない副産物だからです。たとえば、ウェブサイトのデータしかないGoogle Analyticsですが、顧客の動向を俯瞰するには最高のツールです。また、セールスフォースのように、ものによっては無くなってしまったら業務に支障が出てくるデータサイロもあります。

正しい解決方法は、「CSVによるダウンロードからのExcelさん」の代わりに

  1. 自動化された
  2. 大きなデータも扱える
  3. プログラミングしなくていい

データのパイプラインを作ることです。Excelさんを捨てろ、という話ではありません。ただ、Excelさんが得意ではない、顧客ログなどの大きなデータですとか、VLOOKUP的な作業の自動化、データのクレンジングができることが、マーケティングや販促がデータを活用できていくためには必要不可欠だと思っています。

そこでトレジャーデータの登場です。起業当初、クラウド上でデータウェアハウスを作っていた当社ですが、お客様のユースケースを見ていくうちに、うちはデータサイロを繋ぐ会社なんじゃないかと感じるようになりました。

データサイロをつなぎ、マーケターや販促のための顧客データウェアハウスを作ることは、エンジニアにとっても決して楽しい作業ではありません。彼らからしたら訳のわからん第三者システムのAPIを学ぶことは、大して意味ある知識ではないですし、何より作業そのものが非常にめんどくさいです。当たり前ですが、データサイロとなっていく第三者サービスたちは、貯蓄したデータを外に出されるのは嫌がるので、APIそのものが非常に使いにくかったりします。そんな作業を、社内のエンジニアさんに頼むのは気が引けますし、あんまりその手のお願いをしていると、嫌われることでしょう。

幸い、トレジャーデータには、各種コネクタがすでに揃っており、毎月2−3個新しいコネクタができています。技術的な詳細は省きますが、以下いくつかのユースケースを箇条書きで伝えます。

トレジャーデータ for マーケター・販促:使い方

1. セールスフォース+ウェブ閲覧ログ=購読停止を予防

定期購読系のメディアとかですと、どれだけ頻繁にサイトを訪れているか、何分滞在しているかみたいな数字を見ることで、その顧客が購読停止の危機にあるかわかるものです。営業さんからすれば常にチェックしておきたいデータですが、この手のデータはエンジニアたちが持っていて、なかなかセールスフォースには反映されていなかったりします。

そこで、トレジャーデータに行動ログを投げ込み、顧客IDごとにメトリックを集計、SFDC書き出し機能を使うことで、ほとんどエンジニアの手を借りずに、営業さんのための「顧客の見える化」を促進することができます。

2. ウェブ閲覧ログから価格分析→ダイレクトメールのカスタマイズ

商売をしている以上、商品の値段とかって非常に大事なはずなんですが、意外とマーケティング・販促部門の方で、細かい分析ができているという話を聞きません。個人的には、「一番役立つはずの、購入履歴ログが、エンジニアの手元にしかない」というのが原因だと思っています。1-2時間、エンジニアの手を煩わせることにはなりますが、いったんデータがトレジャーデータに流れるように設定してしまえば、

  1. どういう顧客が
  2. いつ
  3. いくらで何を何個買うか

みたいなデータが全部分析できるようになります。こういった分析をもとに、お中元やお歳暮、クリスマスセールといったキャンペーンのパラメータを選定できれば、販促効果は大幅にアップすることと思います。

各種メール配信ツールや、広告配信ツールとのつなぎ込みは、トレジャーデータ上では始まったばかりですが、2016年はコネクタ・事例共々に充実させていただきたいと思います。

さいごに

トレジャーデータはこれからも、エンジニアが楽ができつつ、かつエンジニアではない方も使えるようなサービスになっていくように精進していきます。

が、元データ分析屋のマーケターとして一つだけお願いが。プランナーや販促の方々もSQLを覚えてください。最初はとっつきにくい印象のあるSQLですが、覚えてしまうといろいろな分析が自分でできるようになり、PDCAのPとCが一人でできるようになり、大幅に仕事の効率がアップします。何もSQLマスターになる必要はありません。もし自分でできなければ、エンジニアたちにやり方を聞くのもありです。エンジニアにSQLの手助けを頼むにしても

✕「この数字とこの数字とこの数字を明日までに出して!」
○「この数字を出したくて、こういう風にSQL書いたんですが、これどこがオカしいか教えてもらえますか」

の2つでは大きな差があります。強力な分析ツールだけではなく、営業マーケティングとエンジニアリングの間の潤滑油となり得るSQL。覚えて損はありません^^

12
14
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
12
14