はじめに
いきなりプロジェクトマネージャーを任命されました。右も左もわからない状況ですが、自分なりに押さえておくべきポイントを考え、備忘録としてまとめた記事になります。
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトのゴールにどうすればたどりつけるのかを、考え、実行するのがプロジェクトマネジメントである。
プロジェクトマネジメント ≠ プロジェクト管理。作業管理だけではダメ。
個人的に重要だと考えているマネジメント
- スコープ
- スケジュール
- コスト
- 品質
- 資源
- コミュニケーション
- リスク
- 調達
- ステークホルダー
各ポイントごとの説明
スコープ
プロジェクトの作業範囲、成果物を明確にする。プロジェクトと関係ない作業をやらないよう気を付ける。
スケジュール
各タスクのスケジュールを管理する。
最も時間のかかる作業をいかに対応するかが重要。
コスト
プロジェクトでかかるコストの管理。
限られた予算内で、いかにプロジェクトを回すかが重要。
品質
プロジェクトの品質の管理。要求された品質を満たしているかを確認する。
- Quality: 品質
- Cost: コスト
- Delivery: 納期(スケジュール)
資源
リソースの管理。各作業をどの期間を何人でやるか?などを考慮する必要がある。
コミュニケーション
情報の生成、収集、保管や、関係者とのコミュニケーション方法の管理。
以下のような項目を考慮する。
- 情報の共有方法。
- 情報の保管先
- 会議の方法、期間
- どんなツールを使用するか
リスク
プロジェクトのリスクを管理。リスク回避・軽減などの対策を考慮する必要がある。
調達
プロジェクトに必要なサービスやプロダクトの調達。
計画段階:作業範囲を明確にする
各チームの作業範囲を明確にすることでやるべき作業が見えることによって、作業が進む。
ここを最初に決めておかないと、後で色々言われ、面倒なことになる。
また、理不尽な要求をされてしまうのを防ぐことができる。
やらないことも明確にすることがポイント。
芋煮プロジェクトの例
山形県出身なので、プロジェクトの例として芋煮会を取り上げます。ここでは、野菜を切るチームの作業範囲について考えてみます。
-
野菜を切るチームの作業範囲
- 野菜を洗う作業は?
- 野菜を炒める作業は?
- 野菜の購入は?
-
最終的成果物
- どの野菜が切られていればよいか。
具体的な作業: WBS を作成する
以下は、WBS の作成例になる。作業範囲を明確にしていることがポイント。
# | 作業 | 成果物 | 担当 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 野菜を洗う | |||
1-1 | 里芋を洗う | 洗い終わった里芋 | チーム A | |
1-2 | 長ネギを洗う | 洗い終わった長ネギ | チーム A | |
2 | 野菜を切る | 牛肉はチーム A の作業対象外 | ||
2-1 | 里芋を切る | 切り終わった里芋 | チーム A | |
2-2 | 長ネギを切る | 切り終わった長ネギ | チーム A | |
3 | 肉を切る | ※バラ肉、細切れ肉を切ることを想定 | ||
3-1 | バラ肉を切る | 乱切りされた肉 | チーム B | |
3-2 | 細切れ肉を切る | 乱切りされた肉 | チーム B | |
4 | 具材を煮る | |||
4-1 | 全ての野菜を煮る | 煮込んだ具材 | チーム C |
WBS とはプロジェクトの成果物(最終成果物)をより細かい要素に分解したもの。
作業をした結果、どの成果物が出来上がるか記載されていることが重要。
成果物を生み出さない作業は意味がないため、WBS に記載しなくてもよい作業の可能性が高い。
詳細が不明な場合は、想定を記載し、詳細がわかり次第更新する。
計画段階:作業見積もりが甘い
見積もりと実作業のギャップがある。
例
「関係者に確認して、資料を作成する」タスクがあったとする。
この場合、以下の作業が想定される。また、関係者が情報をなかなか出してくれないケースがある。
- 関係者に確認するための調整
- 関係者に確認するための資料準備
- 関係者へのヒアリング
→ 実際はこの工程で時間がかかり、見積もっていた時間より遅れてしまった。
実作業時間 ≠ スケジュール上の時間。そのため、ある程度の余裕時間を考慮しておく。
実行編:作業状況が定量化されていない
根拠のない数値での管理をやめること。
根拠のない数値の場合、計画通りには追わらない可能性がある。
ポイント
-
個数・本数のように数えられる単位を見つける。
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数にしにくいものは、工程単位で管理する。
以下は工数単位の管理の例である。工程 作業 進捗率 1 作業着手 10% 2 担当者作業中 30% 3 担当者作業完了 60% 4 チームレビュー完了 80% 5 チームレビュー修正完了 100%
実行編:視野が狭くなる
プレイヤーとして働いている場合、忙しすぎて手が回らなくなる場合がある。
その結果、視野が狭くなり、リスクを発見するまで時間がかかる可能性がある。
プロジェクトのリスクとなる火種をいかに早くみつけ、対応できるかが求められる。
後手後手にならない、他責をしないような作業をするのがよい。
備考
重要な項目が増えた場合には、随時追加・更新していく予定です。