※ 本記事では、1700名の方にSNSでDMをお送りし、150人を超える数のユーザーさんにヒアリングさせていただく中で思ったことを記載します。
ユーザーヒアリングは、やった方がいい
すごく当たり前なことを言うようですが、ユーザーさんへのヒアリングは、やった方がいいです。サービス全体がわかりやすく進捗します。
使ってくださる方が現れ始め、その方の影響でまた利用者が増えていきます。
ユーザーさんにヒアリングすることで、お客さんから見た自社のサービスの価値がリアルにわかります。
ユーザーが日々どんなことを考えて、どんな生活をしているかを知ることで、未開拓のニーズに気づかせてもらうこともあります。自分たちがいかに間違っているか、思い込んでいるかにも気づかせてもらえます。
特に、サービスローンチしたあと、やはり待ってるだけだと使ってもらえません。
自社SNSでシェアしたり、プレスを打ったり、広告を放ったりもしますが、踏み込んでユーザーさんに利用をお願いすることが最も重要ではないかと思います。
話を聞かせていただいたり、お願いして使っていただいたりする中で、
ユーザー心理も、サービス成長の糸口も、利用者の口コミも、いろんなものが生まれていきます。
もちろん、ユーザーヒアリングなどのユーザーさんとの実際的な接触をせずに数値分析や行動観察だけで、ユーザーの心理構造を推察してアクションしていくこともあるでしょうし、もちろんそれも重要かと思います。ただ、ヒアリングも重要です。でないと分からないことがあるからです。例えば、その人が1日どんな生活をしているか、SNSのホーム画面には何があってなどは、お願いしたり教えてもらったりしないとわかりません。
ユーザーさんと話す作業はとても泥臭く、”IT的”でないかもしれません
でも、Webサービスをグロースさせるためにはとても重要だと感じます。
この記事では、SNSを通じてターゲットユーザーさんにヒアリングさせてもらって思ったこと、分かったことを書きます。
この記事を通じて、すこしでもユーザーヒアリングが身近なものになったら嬉しいです。
やったこと
ツイッターのDMでターゲットとしているユーザーさんにDMを送付させてもらいました
送信数: 1,770
返信数: 310
面談数: 159
150名を超える方にお会いしてお話しを聞かせていただきました。
* 利用くださる方を増やしたいということで数を追いかけた側面もあります。
なぜやったのか
- サービスの利用者(特に他の利用者のロールモデルになるような利用者さん)を増やしたかった
- ターゲットとしているユーザーさんは、どんな気持ちで、何をしていて、何を望んでいて、何に困っているのかを理解したかった
- 本来はこうしたヒアリングをしっかり終えてからプロダクトを作り込んでいくべきですが、ピボット中なのもあり、プロダクトローンチ後にヒアリングしている部分があります
分かったこと
ここから、分かったことを取り止めもなく記載します
以下、さも分かったかのように書いていますが、全部自分が失敗して気づいた点です。
とにかく数が重要
すごく当たり前ですが、ネットでお会いしたことのない方にヒアリングの機会をいただくためには、数を打つことが必要です。最初僕は10通送っただけでした。びくびくしながら、10通送って返信はろくにいただけず、全然返信がなくてダメだーと思っていましたが、ダメなのは自分でした。
数がないと全く話になりません。
そもそも返信率が5%とした時に、20通お送りしてはじめて1通返ってくる計算です。
そこからヒアリングの機会をいただけるかどうかは、もっと少なくなります。
そして、ヒアリング機会の回数が少ないとごく一部の方の例外的なニーズをその他大勢も抱えていると錯覚してしまうこともあります。回数を重ねていくことによって多くのユーザーが抱いている言語化しきれていないような大きなニーズが朧げに浮かび上がっていきます。 N1分析という概念もありますが、またそれは別の話。
そんな風に数を打つことは重要です。
また、数を打つことによって、どういう風な連絡をお送りすれば返信をいただきやすくなるかが分かってきます。
仮説を立てて送らないと意味がない
数を追うとなると、目の前の作業に追われて頭を動かすことが減ってきます。でもそれだとただの時間の浪費になりかねません。
なんのために送るのかヒアリングをするのか、
そもそもの目的をちゃんと理解して、
その目的を達成するために仮説を立てて、
DMをお送りすることが重要です。
例えば、利用者数を増やしたいと考えるとき
「○○をしているユーザーはーーの理由から、このサービスを使いたいと思うだろう」などと仮説を立てて、特定のセグメントごとにDMを送るなどします。
そうすることで、その仮説が当たっても外れてもその仮説が思考の軸として機能し、建設的な知見が得られやすくなります。また、セグメントAからは返信があったが、セグメントBからの返信率は低かったと返信率でサービスに対する利用意向を計測することもできます。
ユーザーに対する自分の思い込みに気が付く
ユーザーヒアリングを通じて、自分の思い込みを解くことができす。
けっこうありがちなのが、「自社製品・サービスを使っているユーザーは、◯◯という理由でサービスを使っている」と断定していること。
いくら自分のサービスにユーザーがついていたとしても、
思った通りに使ってくれていることってそんなにないものなんじゃないかと思います。
10個の機能を用意していてもそのうち1個だけをヘビーユースしていたり、
アナリティクスではボリュームが30代前後が多いけど、実は60代に熱烈なファンが最も多かったりとか、そういうことはよくありました。
ユーザーと接触することで、自分たちがメリットだと思っていたことはそんなにメリットじゃないとわかったり、ユーザーを真に魅了している点はここにあるんだと、新たな発見が得られたりします。
たまに、「ユーザーはこう思っているに違いない」という思いでヒアリングに望み、それを答え合わせするような聞き方をして(ある種誘導尋問的な)、ユーザーもNOとは言いづらい・・みたいなことを見たり、自分もやってしまったりします。ヒアリングあるあるかと思うので、注意が必要だと思います。
予想打にしなかったユーザーインサイトが手に入る
いろんな人に話を聞いていくと、いろんな人が共通して同じようなことを言っていることがあります。
あの人も、この人も、○○と言っている。ターゲットユーザーは、共通して××なニーズを抱えているのではと、予想打にしてなかったユーザーインサイトが手に入ったりします。
「え?そんなことが?w」みたいな意外なことであっても、
そうしたインサイトをベースにした機能は強くユーザーを魅了します。
チームを動かす説得力になる
新しい機能案を導入しようとチームで提案した時に、
提案内容が前例がなかったり一風変わったことであればあるほど、
「そんなの使われないよ」と流されることはよくあると思います。
そう言う時、けっこう寂しい気持ちになりますが、
そうなるのも当然といえば当然で、「こういうのがあると使ってくれると思う」というのは自分のただの感想なので、「それは使われないよ」とチームメンバーの感想で返されて終わりです。感想 vs 感想
ですが、事前にユーザーにヒアリングし、モックを見たり触ってもらったりなどして、
「ぜひ使ってみたい」と言っているユーザーがXX%いるとなれば、その説得力は凄まじいです。
アイディアの性質的にロジックの後ろ盾を持ちづらいけど、感覚的に絶対これいいよなという直感的な発案ほど、ユーザーにヒアリングした結果を後ろ盾にするのは向いていると思います。
データが集まっても、自分の解釈を持たないと無意味
データがいくら集まっても、そのデータをもとに自分の解釈、仮説を新たに立てないと
データはただのゴミになります。そこから何を見出すのか、解釈、仮説を立てて初めてユーザーさんにヒアリングして教えてもらった情報は価値を帯び始めます。
せっかくいただいた時間を無下にしないためにも、しっかりと自分の解釈をそこから見出したいものです。
ユーザーヒアリングは人対人。いつも誠実な対応が大切
これもすごく当たり前なことですが、ユーザーヒアリングは人対人です。
貴重な時間をいただいてヒアリングさせてもらいます。先方の貴重な時間を分けていただいてるので、こちらがギブする精神を持つべきだと感じます。つい、サービスの開発、成長を追いかけるがあまり、ユーザーさんの気持ちを蔑ろにしてしまう時もあるかもしれません。これには十分注意が必要です。(特にまだ使ってもいない)ユーザーさんにとって、プロダクトが成功するしないは、重要なことではありません。自分は、ヒアリング開始当初は特にこれが足りず申し訳なかったなと思います。
テイカーにならないように、自分はその人にどう貢献できるのかを考えることが重要のように思います。
最後に
DMからのヒアリングを通じて、たくさんの人たちにお話を聞かせていただき、ものすごく知見を得られました。DMをきっかけにご縁をいただいた方が、全利用者さんのうち最もサービスを使ってくださる方にもなりました。
いろんな方がヒアリングのお時間をくださったおかげで、サービスは着実に成長しています。この先どんなプロダクトを開発していくべきなのかの当たりも大体つけられてきました。
また、DMを通じたヒアリングでいろんな方の人生、価値観に触れさせていただき、それはものすごく豊かなひとときだったと思います。
貴重なお時間をくださり、私のDMを読んでくださった方、
返信くださった方、面談くださった方々に改めてこの場を借りてお礼を申し上げます。
こちらが、僕たちの開発するサービスです。
よかったら覗いてみてください。
https://park.jp/