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月一でLightning Talkを開催してみた

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はじめに

本記事では、Lighting Talk未経験だった私が、2022年1月から1回/月ペースでLTを開催してみて得られたノウハウを記載しました。新たな気づきなどあれば都度更新するかもしれません。

LT会とは?

LT=Lighting Talkの略で、3-10分くらいの短いプレゼンをしていく場です。IT業界(特に技術職)でよく行われているようで、参加者にとっては気軽に色々な話を聴くことができる場になります。connpassで開催されているようなものが有名ですね。

開催の目的

組織を超えた技術共有のハードルが高かったので、気軽に技術共有する場を作ることが目的で、そのために試したことの一つがLT会でした。加えて、社内で知り合いを増やすというのも裏の目的でした。

もくじ

イベント前にやったこと

  1. テーマ決定
  2. グランドルールの作成
  3. LT会イベントページの作成
  4. 発表者&参加者募集フォームの作成
  5. 発表者募集
  6. 発表者控室グループチャットの作成
  7. 参加者への会議案内の作成
  8. イベントページの更新
  9. ファシリテーションの準備

イベント中にやったこと

  1. アイスブレーク
  2. グランドルールの確認
  3. アジェンダの確認
  4. 発表時の進行
  5. クロージング

イベント後にやったこと

  1. 会議参加者リストの出力、アンケート集計
  2. 発表者にお礼&資料共有のお願い
  3. LT会ダイジェスト記事の作成

大変だったこと・楽しかったこと

おわりに


1. イベント前にやったこと

1-1. テーマ決定

Microsoft Formsなどを活用して、テーマを決定します。
テーマ選定と発表者の募集はセットで考える必要があります。発表者や参加者を具体的に何名かイメージしてテーマ選定をするべきでした。

1-2.グランドルールの作成

LT会の目的の一つ、ハードル低く技術情報を共有する場を作るためには、心理的安全性を確保するためのグランドルールが重要です。
先人のLTをリスペクトしてグランドルールを作成しました。

グランドルールの例

  • リアクションはコメント、質問、ホメること。批判は無しです。リアクション大きめ、多めでお願いします。
  • LT会に参加してくれた人をリスペクトし、テーマの多様性を尊重しましょう。
  • 発表中は自由にチャット欄でコメントください。QAの時間は音声でも自由に発言OKです。可能な方は顔出し推奨します。(※ 参加人数に応じて変更)

※ 参加者(特に発表者)の心理的安全性を高くするためにカメラONを推奨しましたが、参加人数次第では厳しい場合がありました。参加人数によって適宜グランドルール見直しています。

1-3. LT会イベントページの作成

イベント用のページを用意しました。今回はSharePointサイト上にイベントページを作りました。イベントページのコンテンツは以下のような内容を記載していました。

  • 開催概要:テーマ、日時、会議URL、こんな方におすすめ、など
  • レギュレーション:発表の持ち時間、発表方法(基本は自由)
  • グランドルール
  • タイムテーブル:発表者決まり更新していきます
  • 参加・登壇申し込みフォーム

イベントページはテンプレを作って使いまわせるようにしていました。

1-4. 発表者&参加者募集フォームの作成

募集フォームを作ります。こちらもテンプレを用意して使いまわせるようにしました。
最初は手動でFormsの回答をチェックしたり、参加者に対して会議案内を送ったりしていましたが、Power AutomateでFormsに入力したら自動で運営グループチャットにチャットが飛んでくるようにしたり、会議案内を自動で送付したりしていました。Power Automateについては別途記事に記載します。(たぶん)

1-5. 発表者募集

Yammer投稿やTeams投稿、個別に依頼するなどで発表者の募集をかけます。リアクションがなかった場合もケアして、発表者の何名かにはあらかじめ依頼させていただきました。
全枠埋まらなくても数人集まった時点で、Yammerやイベントページに公開します。リアルタイムで申し込み人数や発表テーマを公開してもいいかもしれません。
(自分でテーマ設定した手前、みなさんに発表してもらうだけなのが申し訳なくなり、3回中2回は自分が発表することになりました。回数を重ねるごとに自分が発表しなくてもいいようになるのだろうか。)

1-6. 発表者控室グループチャットの作成

発表者と運営でグループチャットを作成します。上から順に早く取り掛かった方がよいです。

  • 発表者と調整して日程FIX:早めに会議URLを作成して公開します。
  • タイトル共有のお願い:まずは仮のタイトルでOKです。イベントページのタイムテーブルを埋めて公開します。
  • 資料の公開範囲、LT会のレギュレーションなどの連絡
  • 資料作成のお願い:Lightningなので、時間をかけすぎないでOKと伝えます。どの程度の準備でよいか、例があるとわかりやすいです。

1-7. 参加者への会議案内の作成

Power Automateで自動で会議案内を送るためのフローを作成します。会議URLを会議案内文中に記載します。

1-8. イベントページの更新

会議URLをイベントサイトに公開したり、タイムテーブル(発表者、タイトル)をサイトに更新します。

1-9. ファシリテーションの準備

LT会が円滑かつ活発に進むよう、ファシリテーションの準備をしておきます。

  • 当日のグランドルール、アジェンダ用のスライド準備

    • アイスブレーク
    • グランドルール
    • タイムテーブル
    • 今後のイベントお知らせなど
  • 感想フォームの準備
    感想フォームは運営のフィードバック用途です。当日のクロージングの時に感想フォームを投げます。会議から時間が経つほど回答率が落ちます。発表者には記事の作成時間を問う質問を用意します。

  • 役割分担
    少なくとも2名で下記の役割を分担した方が望ましいです。ファシリテータ、タイムキーパ、チャット対応、チャットの質問を拾う係など決めておきます。


2. イベント中にやったこと

アイスブレーク

  • 全員コメント(会議にチェックイン)できる問いかけや、話を振ることができる問いかけが効果的でした。
  • ファシリテータは2名体制が望ましい。メインファシリ以外の人がコメント拾ったり、聴講者に話を振ったりするとよかったです。

グランドルールの確認

  • グランドルールのスライドは会議前から表示するようにしておきます。
  • 参加者(特に発表者)の心理的安全性を高くするため、最初にグランドルールを参加者全員に確認して同意してもらいます。

アジェンダの確認

発表時の進行

  • 5分でアラームなど、チャットだと発表者が見逃すことがあるので音が良かったです。
  • 時間内に終わらないとき「XX時まで、この場はオープンにしているので、終わってからディスカッションしましょう!コメントはメモしておきます!」で区切ることも必要でした。

クローズ

  • 感想フォームの入力のお願い
  • 本日の記事は数日以内にサイト、Yammerに投稿する等の連絡
  • 次回イベントの紹介
  • 終了時間まで余裕があればクローズ後も残りたい人は残って議論してOKとしてました

3. イベント後にやったこと

3-1. 会議参加者リストの出力、アンケート集計

当日の会議URLへの参加者リストを出力します。また、感想フォームを集計して、データとして残しておきます。参加人数、コメント数、満足度、発表者の準備にかかった時間などを評価指標として、数値で振り返ることができるようにしておきます。

3-2. 発表者にお礼&資料共有のお願い

アーカイブとして共有できる範囲で資料を置いていただくように依頼します。
イベントページと併設した勉強会アーカイブサイトに集約するようにしていました。

そして、感謝を伝えます!!

3-3. LT会ダイジェスト記事の作成

内容を発表者に確認後、公開します。Qiitaのようにタグ付けできるといいのですが、SharePointではタグ代わりにタイトルに"【LT】"とつけてページを作成して、"【LT】"がついているページ一覧をサイトに表示されるように設定していました。


大変だったこと

テーマ選定と発表者の募集

テーマ選定と発表者の募集はセットで考える必要があります。発表者や参加者を具体的に何名かイメージしてテーマ選定をするべきでした。
例えば、自動化LT会は発表してくれそうな人のイメージが具体的にあり、過半数は発表者を確保した状態で募集をかけて、うまく集まりました。一方で、誰もが発表できそうなテーマで、発表者を依頼せずにYammerでオープンに募ってみましたが、発表者がなかなか集まりませんでした。イベントが破綻しない程度に発表者を確保してから、Yammerなどで募集をかける形が今の時点ではよさそうです。

(1回目だけ)グランドルールの作成などの準備

発表者(+参加者)が技術やノウハウを共有するハードルを下げるためのグランドルールやファシリテーションに頭を使いました。

  • 心理的安全性を確保すること
  • 資料化コストを下げること
  • コミュニケーションが発生する仕掛けをすること

毎回フィードバックをかけながら、ノウハウを各種テンプレの形で残していくようにしています。そのおかげで、2回目以降はこのあたりの準備に時間をかけずに進めることができました。
資料化コスト1時間以下を目指していましたが、2時間以上の方も多いのが現状なので、まだまだ工夫の余地はあると感じています。

楽しかったこと

大変だったことの試行錯誤

イベント企画自体初めてで、LT会もまだあまり周りにない中で試行錯誤しながら運営は楽しかったです。(まだ壁にぶつかってないだけかも)

Lightning Talkでいろんな方の話を聴けたこと

リモートワークが進み、出張もない中で、組織や拠点を超えていろんな人たちのノウハウやご経験の一部を共有いただけたことは楽しかったです。社内にはまだ見ぬすごい人たちがたくさんいるんだろうとも感じました。すぐに業務に生かしたノウハウもいくつかありました。

感想フォームの満足度が高く、うれしいコメントをいただけたこと

現時点では、満足度平均が5段階中ほぼ5をいただけました。発表者や運営に対してありがたいコメントもいただき、うれしく感じました。当日のファシリテーションにもフィードバックいただけてありがたかったです。

知り合いが増えたこと

当たり前かもしれませんが、組織を超えて知り合いが増えました。困ったことがあったら聞ける人が増えましたし、別のイベントに誘っていただいたりと、プロジェクト外との接点が増えました。これが良い事なのかまだわかりませんが、少なくとも現時点では私は楽しく感じています。


おわりに

「技術情報やノウハウなどがもっと共有されるといいな」というモチベーションで、情報共有の仕掛けをいくつか試してみましたが、その1つがLightning Talkでした。情報発信することで得られるメリットが何なのか?また、そのメリットを自ら感じること、参加者に感じてもらうことが目的でした。

Lightning Talkの特徴は、インタラクティブなやり取りが生まれることでした。コメント数/参加者の割合が他の会議や打ち合わせと比べて格段に高く、コミュニケーションが生まれやすいイベントだということが分かりました。心理的・時間的なハードル低く技術やノウハウが共有できることに加えて、発表者をはじめ参加者同士がリスペクトしあうコミュニケーションが生まれることがメリットだと感じました。

加えて、今回、運営メンバー数人はファシリテーション研修を事前に受講して、ファシリテーションも徐々にうまく回るようになってきたと感じています。各種テンプレ、自動化、ファシリテートのコツなど、ノウハウも徐々に蓄積されてきて、運営コストもかなり下がってきたので、もう少し継続して、いろいろ試してみたいと思います。

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