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enebularAdvent Calendar 2019

Day 3

Raspberry Pi Desktop へ enebular agent をインストールして sonospollytts ノードを使ってみた。

Last updated at Posted at 2019-12-02

はじめに

Sonos を enebular (Node-RED) から操作するノードを調べていた時に Amazon Polly を利用する TTS (Text To Speech) ノードを見つけて、それを使用できるようにするメモです。

Sonos とは

米国サンタバーバラ生まれのワイヤレスホームサウンドシステムです。
https://www.sonos.com/ja-jp/home
Sonos を操作するツールを調べたメモ
https://qiita.com/kitazaki/items/ccde18e10f49fcbb9437

Amazon Polly とは

深層学習を使用して文章をリアルな音声に変換するサービスです。日本語は女性 (Mizuki) と男性 (Takumi) の声が用意されています。
https://aws.amazon.com/jp/polly/

環境

Sonos と同じネットワークに Raspberry Pi を接続して enebular agent をインストールすれば、sonospollytts ノードは問題なく使用できます。
env.png

動作概要

  1. Amazon Polly サービスに対してテキスト文章を送信します。
  2. テキスト文章から音声変換された mp3 ファイルをダウンロードします。
  3. Raspberry Pi から Sonos へ mp3 ファイルを再生することを指示します。
  4. Sonos から Raspberry Pi へアクセスし、mp3 ファイルを取得して再生します。

Raspberry Pi Desktop

ブラウザでアクセスするクラウド環境の enebular は Heroku へデプロイされるため使用できません。問題になるのは動作概要 2. で、ダウンロードされた mp3 ファイルは一時的にストレージ (デフィルトでは /tmp ディレクトリ) に保存される実装になっているため、エラーとなります。
Raspberry Pi が手元に無い場合、他の選択肢としては 仮想環境で動作する Raspberry Pi Desktop へ enebular agent をインストールして使用する方法があります。

env2.png

enebular editor

enebular editor は ポート番号 1888 で起動する (Node-REDは通常、ポート番号 1880 で起動する) ため、sonospollytts ノードのポート設定を変更すれば動作します。(sonospollytts ノード Version 1.0.21 まで)
動作概要 2. で、ダウンロードされた mp3 ファイルは enebular editor を動作させている PC (今回は MacBookPro を使用) のストレージ (デフォルトでは /tmp ディレクトリ) に保存されます。

ee.png

※2019/11/11 更新
sonospollytts ノードが 1.1.0 にバージョンアップされ、Node-RED の Webserver 機能の利用ではなく、sonospollytts ノード自体の Webserver 機能の利用に変更された (Sonos の HTTPS SSL certificate 問題の対策) ため、ポート番号が 1980 に変更されました。そのため、sonospollytts ノードのポート設定を変更する必要が無くなりました。

sonospollytts_1.png

準備

※ Debian Buster with Raspberry Pi Desktop (2019-09-25-rpd-x86-buster.iso) がリリースされていますが、enebular agent のサポート対象外なので、1つ前のリリースの Stretch で動作確認しました。

  • enebular-agent (2.8.0)
  • enebular editor (0.12.0)

Raspberry Pi Desktop のインストールと VirtualBox の環境設定

  1. VirtualBox のインストール
    VirtualBox をインストールします。合わせて拡張パック (Extension Pack) もインストールします。
VB.png
  1. Raspberry Pi Desktop のインストール
    VirtualBox のメニューから「仮想マシン」→「新規」を選択して、新しい仮想マシンを追加します。
    名前「(任意)」
    タイプ「Linux」
    バージョン「Linux 2.6 / 3.x / 4.x (64-bit)」
    メモリーサイズ「2048MB」
    仮想ハードディスク「VDI」「可変サイズ」「16.00GB」
OracleVM.png VirtualBox のメニューから「仮想マシン」→「設定」を選択して、「ストレージ」の光学ドライブに Debian Stretch with Raspberry Pi Desktop の ISO イメージ (2019-04-11-rpd-x86-stretch.iso) を割り当てます。 storage.png
  1. Raspberry Pi Desktop の起動
    VirtualBox のメニューから「仮想マシン」→「起動」を選択して、Raspberry Pi Desktop を起動します。起動後、Raspberry Pi Desktop のインストールを行います。
RPi2.png
  1. VirtualBox の環境設定
    VirtualBox のメニューから「仮想マシン」→「設定」を選択して、「ネットワーク」→「アダプター 1」→「高度」で「ポートフォワーディング」の設定を行います。仮想マシンのネットワークアダプターは NAT で割り当てられているため、ホスト OS (今回は macOS) からゲスト OS (Raspberry Pi Desktop) への通信を転送する必要があります。
network.png network_2.png SSH (ホスト OS ポート番号:10022 → ゲスト OS ポート番号:22) と Node-RED (ホスト OS ポート番号:11880 → ゲスト OS ポート番号:1880) と sonospollytts (ホスト OS ポート番号:1980 → ゲスト OS ポート番号:1980) の転送設定を追加します。 portforward.png
  1. enebular-agent のインストール
    フローのデプロイが楽になるため、AWS IoT を利用して enebular-agent をインストールします。
    (参考) Raspberry Pi を AWS IoT に繋いで enebular と連携
    https://qiita.com/kitazaki/items/ffd50396cb09d6ab7050
    (参考) enebular agentをバージョンアップ(2.5.0)してみた。
    https://note.mu/kitazaki/n/n09fb4c73785f

  2. フローのデプロイ
    enebular web dashboard または enebular editor からフローをRaspberry Pi Desktop へデプロイします。

web_dashboard.png ee_2.png

enebular editor の起動

enebular editor の場合は、インストールや設定の必要は無く、デスクトップモードでフローを起動すればOKです。
ee_1.png

サンプルフロー

inject ノードと sonospollytts ノードを接続します。debug ノードは無くても動作には問題ありません。
flow.png
inject ノードの編集を行います。ペイロードは「文字列」を選択し、値に発話させたい文章 (ここでは「こんにちは」 )を設定します。
inject.png
sonospollytts ノードの編集を行います。
Polly Config は AWS IAM で作成した Polly Access key と Polly Secret key を設定します。
Polly Voice は 日本語では Mizuki (女性) と Takumi (男性) から選択できます。
Sonos IP は Sonos に割り当てられた IP アドレスを設定します。
Sonos Hailing は Disable を設定します。
Node-Red IP は ホスト OS に割り当てられた IP アドレスを設定します。 ゲスト OS に割り当てられた IP アドレスは設定しません。
sonospollytts.png
polly_1.png

まとめ

Sonos の指定した mp3 を再生する機能と Amazon Polly を利用して Sonos から発話させてみました。
音楽を再生している途中で Sonos が突然しゃべり始めると、ちょっとビックリすると思います。(笑

良き Sonos ライフを!

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