こんにちは。野良ハックチーム ざっきーと申します。
enebular Advent Calendar 2018 の 11 日目を担当します。
みんなのラズパイコンテスト 2018 で enebular 賞をいただきましたので、感謝の意を書き残して年を越したいと思います。
(2018 年 11 月 29 日 受賞作品発表会の様子)
動画アーカイブ (33:44〜)
- IoTを活用して色と香りの組み合わせにより気分を変えるという人の感性にチャレンジ!
- 様々なデバイスとの連携を容易にする enebular の特徴を更に活用してより一層の進化を期待!
とのコメントをいただきました!
始まりはいつも突然に
2018 年 6 月 19 日に開催された ヘルスケア IoTLT vol.3 にてチャラ電 Mitz さんと 夏波夕日 さんが「アロマ × IoT でヘルスケア 〜おまけで活動量計の結果報告〜」というタイトルで LT 登壇されました。(その時の資料はこちら。)
LT を聴いた時は既に IoT 化された製品 (Oittm スマートアロマディフューザー(超音波加湿器)) があって、それを使用して今後「アロマ x IoT の活動をやって行くのね」程度の印象しか残っていませんでしたが、まさか自分が関わることになるとは夢にも思いませんでした。( 後日連絡が来て、一緒に取り組んで行くことになりました。2018 年 6 月 22 日)
プロトタイプ (初号機)
その時に電球ソーダが流行っていたからではありませんが、電球型のディフューザーを改造野良ハックして、リモートから ON / OFF できるものを作りました。(2018 年 6 月 25 日)
IoTLT vol.40 (この回は 40 回記念乾杯スタートの飛び込み LT) で初めてお披露目しました。(2018 年 6 月 29 日)
誰でも作れるようにハンズオン資料をまとめましたが、ハンズオン自体はまだ開催できていません。(´・ω・`) (2018 年 7 月 2 日)
また、SIerIoTLT女子部 vol.2 でも かき氷 IoT の隣にお披露目さりげなく置いて、女性の反応も確認しました。(2018 年 7 月 27 日)
プロトタイプ (3 台構成)
世の中のアロマディフューザーの多くは 1 種類の香りしか出てきません。香りをミックスする場合、手動で複数の香りを数滴ずつ垂らす必要があります。複数のアロマディフューザーを制御 (コントロール) してバランス良く香りをミックスすることにしました。また、電球型のディフューザーの LED も制御 (コントロール) して視覚効果を出しました。
色効果とアロマ (香料) 効果の関係
色の三原色による視覚・心理効果や天然の植物アロマで脳内ホルモンの三要素によるヘルスケア効果を実現する事例が知られています。空調・照明・アロマ (芳香) で生産性を向上させる実証実験も出てきています。
ヘルスケア IoTLT vol.4 で LT 登壇し、プロトタイプ機完成としてデモを行いました。
動画アーカイブ (5:10〜) (2018 年 9 月 11 日)
meetALIVE vol.4 でも LT 登壇し、懇親会の時に 3 台構成で動作させました。(2018 年 9 月 13 日)
構成・配線図
実際に家庭で利用するケースとしてオムロン環境センサー (2JCIE-BL01) を設置して、データをラズパイで収集し、Firebase へデータを送信し、enebular (InfoMotion) を利用して可視化しました。また、オムロン環境センサーのデータ (湿度と照度) を利用して、ラズパイの GPIO でアロマディフューザー (超音波式水蒸気と LED) を制御 (コントロール) しました。
オムロン環境センサーを使用せず、アロマディフューザー (超音波式水蒸気と LED) のみであれば ESP8266 でも制御可能です。
使用した機器
- ラズパイ (ラズパイ3 Model B/B+、ラズパイ Zero W、ラズパイ2 Model B + Bluetooth USBアダプタ、など)
- オムロン環境センサー (2JCIE-BL01)
- USBハブ (電源アダプタから電力を供給できるもの)
- 電球型アロマディヒューザー
- MOS-FET(2SK4017)
使用したソフトウエア
- オムロン提供サンプルプログラム
- Node-RED (ラズパイ上)
- enebular (Node-RED、InfoMotion)
ラズパイでオムロン環境センサーのデータを測定
ラズパイを使用して、オムロン環境センサーのデータを Bluetooth(BLE) 経由で取得し、Firebase へアップロードしています。
enebular InfoMotion でオムロン環境センサーのデータを可視化
Firebase へアップロードされたオムロン環境センサーのデータを enebular InfoMotion で可視化しています。
- enebular developer Meetup vol.3 での LT 登壇資料はこちら。
- Qiita 記事「enebular InfoMotion でオムロン環境センサー (2JCIE-BL01) を可視化してみた。」
ラズパイ上の Node-RED フロー
ラズパイ上の Node-RED フローで電球型アロマディフューザー (超音波式水蒸気とLED) を制御している。また、enebular の Node-RED フローから MQTT (Milkcocoa) 経由で電球型アロマディフューザー (超音波式水蒸気とLED) を制御することも可能です。
まとめ
始まりは突然でしたが、一緒に取り組んで行く過程でアロマと IoT を組み合わせることによって、緩和ケア (がんなどの苦痛を和らげる目的でアロマセラピーが用いられている、火傷の治療でラベンダーが効果がある、など) や日々活動のサポート (ダイエット時に甘い香りで満腹中枢を満たすことで食べたい気持ちを抑える、集中力を高めたい・落ち着きたい時に効果を高める、など) ができる可能性があることがわかり大変興味が湧きました。
既製品にはない機能を実現するのにあたり、最初は試行錯誤の連続でしたが、小型で多くの環境データ (温度、湿度、気圧、照度、紫外線、音圧、など) を取得できるオムロン環境センサーとラズパイとクラウドサービス (enebular) を組み合わせることによって多様なことが実現できることが分かりました。
今回はアロマディフューザーを IoT デバイス化することによって、環境の変化 (湿度と照度) に応じて超音波式水蒸気と LED の制御を実現しましたが、他のデータ (温度と音圧) を組み合わせて快適な睡眠をサポートしたり、(温度と紫外線) を組み合わせて熱中症を回避するなど、新しいアイデアがどんどん出てくるようになりました。
様々なデバイスとの連携が容易な enebular を利用した新しいアイデアやプロダクトが今後も続々と出てくる予感がします。
では、良き enebular ライフを!