はじめに

ルートファイルシステムを NVMe SSD ドライブへ変更すると OS の起動時間や起動後の動作が劇的に改善するとのことで、さっそく試してみました。
最初に SD カードからの起動は変わりませんが、systemd によるシステム起動シーケンスで initrd からルートファイルシステムへの chroot 先を SD カードから NVMe SSD ドライブへ切り替えることにより起動時間が早くなります。

OS 起動時間の比較

systemd-analyze で OS 起動時間を比較したところ 33.2 秒 → 17.3 秒へ短縮されました。

$ systemd-analyze plot > result.svg

左: SD カード、右: NVMe SSD ドライブ (result.svg の表示例)

カーネルビルド時間の比較

buildKernelAndModules ツールを使用してカーネルイメージやモジュールのビルド時間を比較したところ以下のように短縮されました。

$ ./makeKernel.sh
real    111m40.689s
user    44m39.048s
sys     3m40.908s
↓
real    22m50.904s
user    92m5.668s
sys     8m16.444s

$ ./makeModules.sh
real    207m34.403s
user    108m12.652s
sys     9m6.864s
↓
real    27m43.071s
user    123m45.088s
sys     10m5.556s

ルートファイルシステムを NVMe SSD ドライブへ変更する手順

パーティションを作成します。

$ sudo fdisk /dev/nvme0n1

Command (m for help): n ← n を入力

Select (default p): p ← p を入力
Partition number (1-4, default 1): (改行) ← Enter を入力
First sector (2048-250069679, default 2048): (改行) ← Enter を入力
Last sector, +sectors or +size{K,M,G,T,P} (2048-250069679, default 250069679): (改行) ← Enter を入力

Command (m for help): w ← w を入力

ファイルシステムを ext4 でフォーマットします。

$ sudo mkfs -t ext4 /dev/nvme0n1p1

JetsonHacks のスクリプトをダウンロードして実行します。

$ git clone https://github.com/jetsonhacks/rootOnNVMe.git
$ cd rootOnNVMe/
$ ./copy-rootfs-ssd.sh
$ ./setup-service.sh

最後に再起動します。

$ sudo reboot

変更後の注意点

JetsonHacks にも記載されていますが、カーネルイメージやカーネルモジュールを更新した場合は SD カードへの反映も必要になります。

カーネルイメージとモジュールを更新した後に SD カードへ反映するコマンドのサンプルです。
( <UUID> の部分はデバイス毎に変わるため mount や df コマンド等で確認)

$ sudo rsync -av /boot/ /media/jetson/<UUID>/boot/
$ sudo rsync -av /lib/modules/4.9.140-tegra/ /media/jetson/<UUID>/lib/modules/4.9.140-tegra/

例.

$ sudo rsync -av /boot/ /media/jetson/239f3029-4825-443b-972e-4392c57f5749/boot/
$ sudo rsync -av /lib/modules/4.9.140-tegra/ /media/jetson/239f3029-4825-443b-972e-4392c57f5749/lib/modules/4.9.140-tegra/