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パワーポイントの自動作成ことはじめ(SlidePack)

Last updated at Posted at 2022-01-27

image.png

パワーポイントの資料作成を自動化するAPIのSlidePackというサービスを運営しています。

このサービスはこれまで企業向けの有料サービスとしてご提供してきたのですが、2022年1月28日より無料プランのご提供を開始したのであわせて簡単なチュートリアルを書いてみます。

SlidePackとは

image.png

SlidePackは一言で言うと、パワーポイントを出力するテンプレートエンジンのようなものです。

テンプレートとなるpptxファイルと、そこに流し込むデータであるJSONファイル、そして必要に応じて画像や動画などのアセットをzipファイルにまとめてSlidePackのAPIに送ることで、レンダリングした結果のpptxを受け取ることができます。

新しい無料プランでは毎月50スライドまでの資料を出力して頂けるため、個人の方でも日々のちょっとしたレポートの定型作業などを自動化できるようになりました。また、利用開始直後はテンプレート作成のための試行錯誤が必要かと思いますので、はじめの30日間は500スライドまで無料でお試し頂けるようになっています。

テンプレートとJSONの書き方

基本的な書き方はHTMLのテンプレートエンジンととても良く似ています。例えば以下のように {} で囲った変数をテンプレートのpptx内に書き込んでおき、

image.png

これに対応するJSONファイルを用意すると、

{
  "slides": [
    {
      "template": 1,
      "text1": "スライド上のどの位置にあるテキストボックスも置換できます。",
      "text2": "テンプレートに設定されたフォントサイズやスタイルは維持されます。",
      "text3": "テキストボックスの自動調整などの設定も維持されます。",
      "text4": "表内の",
      "text5": "テキストも",
      "text6": "置換することが",
      "text7": "できます"
    }
  ]
}

以下のようなレンダリング結果を得ることができます。

image.png

上記は基本的な例ですが、表やグラフ、画像、動画、スタイルの上書きなど、様々なフォーマットを扱えるようになっています。

扱えるフォーマットの詳細についてはドキュメントをご覧下さい。

webコンソール上で試す

image.png

APIを実際に叩く前にwebコンソール上でレンダリングを試すことができます。サンプル一覧から適当なzipをダウンロードしておくか、テンプレートpptxとJSONファイルを格納したzipをご用意ください。

もしアカウントをまだ作成されていない場合は、アカウント作成ページにてアカウントを作成し、メールアドレス認証を完了してください。

ログインができたら、

  1. セッションページで「セッションを作成」をクリックし、作成されたセッションの右側にある「Zipアップロード」をクリックしてください。
  2. 次に「Zipファイルを選択」をクリックして対象のzipファイルを選択し、「パワーポイントを生成」をクリックしてください。
  3. レンダリングに成功すると、セッション一覧ページに戻りダウンロードボタンが表示されます。

以上でレンダリング完了です。

API利用の全体の流れ

ここから先は、webコンソールで行ったことと同じ操作をAPI経由で実行する流れをご説明します。公式ドキュメントのAPIリファレンスにも詳細がございますので、あわせてご参考ください。

APIを使ったレンダリングは、以下のようなステップで行います。

  1. APIキーの発行
  2. セッションの作成
  3. zipファイルのアップロード
  4. レンダリング実行
  5. 結果のダウンロード

それぞれ順番にご説明します。

APIキーの発行

SlidePackのAPI認証はトークンをリクエストヘッダに含めて認証する方式なので、まずAPIキーを発行します。

  1. ログイン直後のダッシュボードの右側にある「APIトークンを作成」ボタンをクリックして、APIトークンを発行してください。

このときに発行されるトークンは一度しか表示されないので、どこか安全な場所に書き写してください。

セッションの作成

はじめに、zipファイルをアップロードしたりレンダリングしたりするためのセッションを作成します。セッションは、https://slidepack.io/sessions にPOSTすることで作成されます。

curl -X "POST" "https://slidepack.io/sessions" \
     -H 'Authorization: Bearer {api_token}'

すると、次のようなJSONが返ります。


{
  "session": {
    "uuid": "f0155f9f-d3f3-4fa9-9f8d-70f8fd2f9c36",
    "is_rendered": null,
    "message": null,
    "created_at": "2020-08-13T13:14:32.000000Z",
    "updated_at": "2020-08-13T13:14:32.000000Z"
  },
  "upload": {
    "action": "https://slidepack-api.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com",
    "method": "POST",
    "enctype": "multipart/form-data",
    "params": {
      "acl": "private",
      "key": "sessions/zip/f0155f9f-d3f3-4fa9-9f8d-70f8fd2f9c36.zip",
      "Content-Type": "application/zip",
      "X-Amz-Security-Token": "***",
      "X-Amz-Credential": "***",
      "X-Amz-Algorithm": "AWS4-HMAC-SHA256",
      "X-Amz-Date": "20200813T131432Z",
      "Policy": "***",
      "X-Amz-Signature": "***"
    }
  }
}

sessionには作成したセッションに関する情報が入っており、uploadにはこの後zipをアップロードする際に必要な情報が入っています。

zipファイルのアップロード

zipファイルはAmazon S3に対して直接アップロード(POST)します。

POST先は、セッション作成時に得られたJSONにあるupload.actionで、フォームデータパラメータとしてupload.paramsにある値をすべて入力します。さらに、フォームデータパラメータの末尾にキーをfileとしてzipファイルを添付します。

このリクエストは、curlの場合は以下のような形になります。

curl -X "POST" "https://slidepack-api.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/" \
     -F "acl=private" \
     -F "key=sessions/zip/{uuid}.zip" \
     -F "Content-Type=application/zip" \
     -F "X-Amz-Security-Token=***" \
     -F "X-Amz-Credential=***" \
     -F "X-Amz-Algorithm=AWS4-HMAC-SHA256" \
     -F "X-Amz-Date=***" \
     -F "Policy=***" \
     -F "X-Amz-Signature=***" \
     -F "file=@/path/to/your/data.zip"

リクエストを送り、AWSから204 No Contentが返ってくればアップロード成功です。

レンダリング

zipファイルをアップロードしたら、レンダリングを行うようSlidePackに指示を送ります。

セッション作成時に得られたsession.uuidを使って、https://slidepack.io/sessions/{uuid}/renderにPOSTすることでレンダリングを実行します。

curl -X "POST" "https://slidepack.io/sessions/{uuid}/render" \
     -H 'Authorization: Bearer {api_token}'

すると以下のようなJSONが返ってきます。

{
  "session": {
    "uuid": "f0155f9f-d3f3-4fa9-9f8d-70f8fd2f9c36",
    "is_rendered": true,
    "message": "Render succeeded.",
    "created_at": "2020-08-13T13:14:32.000000Z",
    "updated_at": "2020-08-13T13:17:43.000000Z"
  },
  "download_url": "https://slidepack-api.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/..."
}

この中のdownload_urlにアクセスすると、レンダリング結果のpptxをダウンロードすることができます。

おわりに

以上、基本的な使い方を簡単にご紹介させて頂きました。

SlidePackは現時点でも既に様々な実務でご活用頂いており、毎月数十万スライドを出力しておりますが、まだまだ新機能の開発や改善を行っております。

もしSlidePackをお試し頂けましたら、便利なことや不便なこと、ご質問、機能要望など、是非お気軽にご連絡頂けると大変ありがたいです。

問い合わせフォーム: https://slidepack.io/ja/contact
代表の個人ツイッター: https://twitter.com/kitar

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