R6 問1 サービスの予算業務及び会計業務
【解説】
クラウドサービスの利用が進む中、クラウドサービスの利用体系と特徴を踏まえた予算化や、予算と実際に発生する費用の管理が重要になっている。除法系サービスのクラウドサービスへの移行計画を通して、予算と費用実績管理を実施する能力を問う出題である。
設問1【Rクラウド利用料の見積り】について答えよ。なお、計算の最終結果で小数が発生する場合は、小数第一位を四捨五入し、答えは整数で求めよ。
(1)本文中の(a)に入れる適切な数値を答えよ。ここで、情報系サービスにおける1年間の平日は260日とする。
表1より、情報系サービスの利用時間は「平日の6時から21時まで」とあるので1日15時間となる。260日稼働するため、15(h)×260(日)=3,900
3,900
(2)本文中の(b)に入れる表3中の価格モデルの記号➀又は➁を答えよ。
1台あたりの料金を求めて比較すれば良い。
➀従量制料金:3,900×100=390,000
➁使用量予約:(100×24×365)×0.75=65.7000
空欄(b)には、➀
(3)表4中の空欄(c)に入れる適切な数値を求めよ。
- 表1から2023年4月時点での情報系サービスが利用されている利用料は、「100TB」
- また、2024年期初に2023年期初に比べて20%の容量・能力増加が必要」と示されているため、2024年度のストレージは120TBであることが分かる。
120TB=120,000GB
120,000÷10GB×0.75×1ヶ月=10,800,000円となる。
よってく空欄cには、10,800
設問2【サービス事業本部への費用の提示】について
(1)本文中の下線(ア)についいて、ITサービスの需要見込みに対する実績の差異を確認する観点で報告すべきリソース実績は何か。30字以内で答えよ。
本文中の下線(ア)は、「新たに割り当てる直接費についても関連するリソース実績をT事業部に報告することにした」とある。新たに割り当てる直接費とは、情報系クラウドのサーバとストレージの使用料のことである。
よって、回答としては、Rクラウドのサーバとストレージの使用量(19字)
(2)本文中の下線(イ)について、指摘された問題の内容を、30字以内で答えよ。
本文中の下線(イ)は、「現在の間接費の配賦の方法では問題がある」との指摘について考える。
黄色マーカー部分よりRクラウドへ移行後もT事業部としては、DCを利用していないにも関わらず、DC使用料の課金を請求される点が問題である。よって、回答としては、DCを利用しないT事業部にもクラウド移行後もDC使用料を間接費として配賦すること
本文中の下線(ウ)予算管理上のリスクを、35字以内で答えよ。
黄色マーカ部分より、今後Rリソースを拡張する可能性があることが分かる。
Rクラウドでは、リソースの拡張によって使用料が増加するため、当初の予算計画より実績が超過してしまう可能性がある。したがって急増する需要に対してリソースを拡張し、予算を超過する
(2)本文中の下線(エ)について、予算管理者として検討すべき対策を40字以内で答えよ。
ITサービスマネージャとしては利害関係者と合意を得ることが重要。また、事業部門の立場としては、リソース拡張のための費用を念頭にキャンペーンを立案することになるが、予算超過する場合はそれを承認するプロセスが必要である。
よって、回答としては、予算を超過して費用支出する場合の承認手順を作り、利害関係者者と合意する