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前書き

2023/06/19にAWS Certified Advanced Networking - Specialtyを見事合格し、AWS12冠達成を果たしました。
以下が証拠です。
https://www.credly.com/users/username.921102fa/badges

承認欲求と自己顕示欲を満たしたくて資格集めをしていたところもあるので、
他のAWS12冠達成者の皆様のように全冠達成記事を書こうと思った次第です。

しかし、2023 Japan AWS All Certifications Engineersは500人を超えており、全冠達成記事も世にあふれています。
そこでどうにか自分の色を出すために、「コスト」と「パフォーマンス」に特化して、かつアマとガキ(=新卒未経験)にターゲットを絞って、自分が感じたことをここに残そうと思います。

具体的な勉強法は議論の対象外とします。
Qiitaをはじめインターネット上にたくさんあるので、ほかの記事をあたってみてください。

また、資格の内容が「業務を実践する際に」どれくらい「役に立つ」のか、に関してもこの記事では議論の対象外とします。
つまり、この記事でいう「パフォーマンス」とは実際の業務(=設計書作成やインフラ構築)以外の部分についてを指します。
巷ではAWSの資格なんて持っていたって何の役にも立たない、という言説がちらほらと見受けられます。
そんな言葉に惑わされずにさっさと資格を取ってしまえばいいのに、と思いますが、右も左もわからない新卒未経験が騙されてしまうのは癪です。
そこでそのような言説に真っ向から立ち向かうために、実際の業務には直接役に立たないとしても、それでもAWS資格を取ったほうがいいということを示したいと思います。

当然ですが、筆者が資格取得が実際の業務の役に立たないと思っているわけではありません。むしろめちゃくちゃ役に立っています。
資格を取っていなければ理解できなかっただろうな、という内容は日々業務上の会話で毎日のように出てきます。
また、実際に構築作業をしているときの作業内容の理解度も、資格取得に励んでいなければ全然違っていただろうと思います。

タイトルについて

「アマ(未経験者)とガキ(新卒)こそテスセンに行け!」というタイトルですが、これはかの有名なドラゴン桜という漫画の名台詞「バカとブスこそ東大に行け!」をアレンジしたものになっています。

改めて文字にするとなかなかインパクトのある文言ですが、これは経済学の、情報の非対称性に関する分野で使われる「シグナリング」という概念についてシンプルかつキャッチーに表しています。

この言葉を筆者流に訳すとこうなります。

なんでもできる天才は東大卒などの称号がなくとも頭角を現すことができる。
東大卒のような称号を必要とするのは、むしろ特筆すべき能力のない一般人なのである。

新卒未経験の全冠制覇者が能力のない一般人であるというつもりは毛頭ありません。
実際、筆者は新卒未経験でありながら、AWS資格取得の為に必死で努力をしてきたという自負はあります。

とはいえ、資格保持者の中には、何冊も技術書を出している方や、多くの場面で技術的な講演を行う方のような、いわゆる「つよつよエンジニア」もたくさんいらっしゃいます。
そのような方々と、実務経験がない新卒の全冠制覇者が同じ能力であるというのは無理があります。
能力の差異は当然存在していると思います。

同じ資格者の中でも能力の差異が存在しているのだから、資格を持っているからと言って能力が保証されるわけではない、というのはその通りです。

ただし、だからそのような資格を持っていたところで大して評価されない、というのは大間違いです。
むしろ、そのようなつよつよエンジニアの方々も価値があると認め利用している称号と全く同じ称号を、新卒未経験でありながら利用できる、というのはとてつもないメリットです。
誤解を恐れずに言えば、新卒未経験でもつよつよエンジニアの「フリができる」ということになります。

以下では、新卒や未経験の人にこそ取得する価値がある、ということを「コスト」と「パフォーマンス」の面からもう少し具体的に伝えていきたいと思います。

コスト

ここでいうコストとは、資格獲得にかかるまでにかかる時間・労力などを指しています。
いくらパフォーマンスがいいからといっても、医師国家試験や司法試験のように、当該資格をとるのにあまりにもコストがかかる場合は、新卒未経験はそのパフォーマンスを享受できません。できたとしても、コストに見合いません。
では、AWS資格はどうなのでしょうか?

  1. 教材が豊富
    少しインターネットで検索すれば、勉強法・書籍・問題集サイト・Youtubeの解説動画・udemyの講座などがわんさか出てきます。多すぎて厳選するのが難しいくらいです。
    また、AWS公式からもサービス解説動画や、ハンズオンのためのリソースが配布されています。
    学習リソースを探すコストは低いと言っていいでしょう。

  2. 何度でも受けられる
    AWS資格は1度不合格になっても、2週間たてば再び受験することが可能です。
    対して、大学受験は年に1度しか受けることができません。
    医師国家試験や司法試験も、2週間立てば再びチャレンジする!というわけにはいきません。
    資格取得に対するハードルは、ほかのさまざまな資格と比較すれば、相対的に低いと言っていいでしょう。
    (あくまで相対的に、です。だれでも一瞬で取れる資格と言っているわけではありません。)

  3. 細かく分野に分けられている
    12冠達成というように、AWS資格はレベルや内容によって12の資格に分割されています。
    まずは初心者向けの1分野に絞って勉強をしてテストを受験してみる、というように、テスト受験へのハードルはかなり低いです。
    対して大学受験、例えば東大の文系を考えてみると、2次試験についてのみ言っても国語・数学・外国語・地歴2科目と、5つの分野を以て立ち向かわなければなりません。さらに1次試験も考慮に入れると膨大な科目について勉強する必要があります。
    このように、資格取得への第一歩を踏み出すハードルは低いと言えるでしょう。

以上から、資格取得に対するコストはそこまで高くないということが分かるのではないでしょうか。

ちなみに、自分が所属している組織に関して言うと、周りの人の資格取得意欲が高く、モチベーションの維持や情報交換にとても役立ちました。さらに、優しく質問に答えてくださる先輩方にも恵まれました。
そのため、筆者にとっての資格取得に対するコストはかなり低かったということができます。

パフォーマンス

続いてパフォーマンスに関してです。
前書きにも書いた通り、「業務を実践する際に」どれくらい「役に立つ」のか、
という観点以外から考えてみようと思います。

1.周囲からの認知度、信頼度の向上
資格を保持している、特に全冠達成はインパクトがあるので、周囲からの認知度が向上します。また、周囲に頼られる存在になることで、自己肯定感が高まります。社会人生活を送るうえで、自己肯定感を高く持つというのは必要なスキルといえると思います。
さらに、周囲の人からの質問に回答していく中で、自分の知らなかった知識を補填する機会が増えます。
つい先日も、東京リージョンと大阪リージョンのVPCを接続ってどうやってするのか?と同僚に質問されることがありました。トランジットゲートウェイを使う方法と、VPCピアリングを方法がぱっと思いついたのですが、VPCピアリングってリージョン跨げたっけ?と自分の曖昧な知識に気づくことができました。
質問者は疑問を解消でき、回答者は自己肯定感を高めつつ、知識の補填ができる、というWin×Winの状態を生み出すことができます。
さらにさらに、まわりに質問を受けることで、この信頼を壊してはいけない、という風な程よいプレッシャーを意識せずとも自分にかけることができます。

また、これは組織や会社によるかもしれませんが、登壇のイベントに誘ってもらえたり、AWS関連のコミュニティに属すことができたりもします。自分から行動はできないけど、興味がある!という人にとってはとても価値があると思います。

2.転職に有利
近年ではありとあらゆるサービスがクラウド化されていて、AWSエンジニアの価値は日に日に高まっており、自分の市場価値を高めることにつながります。
転職にとって有利(=市場価値が高まる)ことは、転職する気がない人にとっても価値があります。
自分はいつだって転職できる、という自信が自己肯定感や心理的安全性につながり、会社、PJ、上司などに対する発言もしやすくなります。それによって、現状の仕事がとても楽しいものになります。
実際、筆者は今の会社には愛着を持っていますが、万が一納得できない事態が発生した場合は、退社する覚悟で意見をぶつけよう、という風に思っています。実際にそうするかどうかはともかく、そういうメンタルでいられることはとても大事だと思います。

3.ネットワーク全般の知識も一緒につく
クラウドサービスは、今までオンプレで行っていたネットワークの管理を外部環境で行おう!というサービスなので、ネットワークの知識が必要になってきます。そのため、クラウド特有の知識だけでなく、ネットワークの一般的な知識も併せて身に着けられるので、お得です。

4.やる気の可視化
いくら口先で「やる気に満ちています!」といったところで、行動が伴っていなければ誰にも信用されることはありません。
資格は技術に対する能力の証明になるだけでなく、特に新卒未経験にとってはやる気の証明書になります。
新卒未経験に近ければ近いほど、あなたのやる気は(たとえどれだけやる気があっても)一緒に仕事をしている期間が少ない分、伝わりづらいです。
その内に秘めたるやる気を、AWSという第三者機関の、それも信頼のおける権威を借りて証明できることは、おおきなパフォーマンスと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今まで見てきたように、取得にかかるコストは比較的低く、それでいて莫大なパフォーマンスが得られるAWS資格はアマとガキ(=新卒未経験)こそ取るべき資格だと思います。

また繰り返しになりますが、当然実際の業務に役立ちます。
この記事は、あくまで実際の業務に直接役に立つ部分以外にも様々なメリットが存在することを伝えたくて書いた記事だ、ということをご理解ください。

この記事をきっかけにAWSを全く触ったことがない人や、新卒入社して未経験でやる気はあるけど何がしたらいいかわからなくて困っている人がAWS資格を取ろうという気になってくれれば幸いです。

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