はじめに
本記事は、2024年開催の「kintone Advent Calendar 2024」のブログです。
kintone転職することになったキッカケ
一年半前ほどから周囲が「kintone転職」しているのを見て羨ましく思いながら話を聞いていました。
思い立って私自身が行動を起こし始めたのは正式には2023年8月中旬頃からになります。トリガーはkintoneと関係ないのでここでは割愛します。この頃は職務経歴書を書き直してエージェントに相談して漠然と話を聞いてみよう、くらいの温度感でした。
第一次転職活動(2023年8月~12月)
平均残業時間が30時間だったのもあって、緩やかに進めていました。10年ぶりの転職活動はオンライン面接や「履歴書は手書き!」って時代じゃなくなっているおかげで応募はかなり楽になっていました。経験している経理職であれば、私の年齢(40代)・年代(氷河期)の割に書類選考の勝率は悪くなかったです。体感3社に1社は呼んでもらえました。
書類選考突破率1割未満ですが、エンジニア枠も数社1次面接までいけました。内定もらえれば当然即承諾だったので温度感は高かったのですが、カスタマイズ経験ほぼゼロなので「スキル不足」でお見送りでした。
12月に月の残業時間50時間超過するくらい業務が立て込んだところで転職そのものを断念しました。
第二次転職活動(2024年2月~5月)
転機が訪れます。
2月に情シス的部門への異動という内示が出ました。この頃、「ファイナンス交流会」という経理のコミュニティに参加するようになり、経理のキャリアを周囲と比較して考えるようになっていました。その風に乗る形で「3月で経理ではなくなる、つまり3月に今の部署からいなくなる人なので会社への迷惑は最小限で済む!上手くいけば引継ぎのめどが立ったところで退職だ!」と転職活動を再開しました。
残業時間はあまり減ってないのと年度末決算業務で面接もリスケの連続だったのでエージェントさんからものすごく心配されました。そして、上場企業や東証プライムとかで管理職とか目指していたのでライバルが手強く、温度感が高くしても面接は苦戦しました。合間にエンジニア転向も挟みましたが、奇跡的に一次選考好印象で最終面接行きながら「エンジニア未経験によるスキル不足」でお見送りになりました。いや、書類で落としてくれよ…一次選考の大勝はなんだったんだよ。
この時期を逃せば、もうこんな絶好の転職チャンスはなかったので内心焦りがありましたが、ステップアップ転職でないと意味がないので試行錯誤した結果、「ペーパーレスが課題の経理ベンチャー」から内定がいただけました。上場子会社ですが、kintone導入を視野に入れているところで人数が少ないのけど逆に色々経理専門職として経験が望める上に年収アップというこの時点で考えられる最高の転職先でした。
その後、紆余曲折あってkintone hiveエントリーから一気に登壇が決まり、その時点での現職(今となっては前職)と協議して、内定先とも相談した結果、内定辞退しました。
第三次転職活動(2024年7月~8月)
kintone hiveが終わって一息ついたあと、やり直しました。
この時はもう経理は一旦考えずにエンジニア転向寄りで活動を再開しました。ただ、序盤に何社か受けてダメならもう諦めよう、そのつもりで数社応募しました。
結論として、ここで面接呼んでいただけた3社全部から内定が出ました。書類選考突破率5割、面接の勝率10割という学生時代の就活から振り返っても破格の勝率。内定承諾の間にスカウトのあったエージェントさんからの面談を皮切りに1日3~5件面接を入れました。この頃はもう退職願を出して随分経っており、会社は面接に行くのを認識して有休で受けまくりました。経理職も善戦の末、(kintoneユーザー企業の)東証プライム企業と最終面接までさせていただけました。肝心の経理職としての経験とスキルが足りてないという形で文字通り「お見送り」いただき未練を断ち切ってくれました。
内定いただいた3社について
それぞれを端的に触れておきます。
【受託開発のkintoneパートナー企業様】
kintone導入いただいたお客様先とやりとりしながら、自社でカスタマイズを請ける、という感じの事業をされています。元々はkintoneとは別のシステム開発をしていたところから近年参入したところで、私のkintone経験を高く評価くださいました。入社後の私に与えられた役割は「お客様と折衝しながらカスタマイズ要件を取ってくる」というものでした。面接だったので飲み込みましたが、「基本機能でできることをアドバイスしていいでしょうか?」が言えませんでした。
【いわゆるSESのkintoneパートナー企業様】
こちらもパートナー企業になって間もないところでした。この時点で無知すぎて知らなかったのですが、SESといえば、「35歳定年説」があり、振り返ると無謀な挑戦でした。生まれて初めて書くスキルシートをダメ元で書きましたが、私のkintone経験と行動力を評価下さいました。普通に考えれば当たり前ですが、他プログラミング言語を早々にキャッチアップする要望がありました。また、本社管理職を目指して欲しいとの意向もあり、それはそれで良いことかもしれないけど、違和感を感じました。内定がここだけだったら、「私の手で理想のkintoneパートナー企業にしていこう」と、より無謀な挑戦をするところでした。
【kintoneユーザー企業のシステム開発部門】(現職)
最終的にここに決めて今働いています。機器管理やヘルプデスクは別部署があると聞き、前職では片手間でやっていた様々な部署のkintoneアプリ開発に携われるという、最高の環境でした。入社して周囲のエンジニアスキルも高いことを知り、どこかで事例発表したいくらいです。良くない喩えになりますが、「Jリーガーがプレミアリーグに移籍するときの気持ち」になりました。パートナー企業が入っておらず、kintoneの知見がないことを課題にされていて、私の経験を高く評価くださいました。異業種転職として破格の年収提示でした。
最後に~システム会社がkintoneパートナー企業になるところが増えている~
ここ一年で「kintoneを事業にしよう!」という会社さんがかなり増えたように思えます。その波に乗っかった感じでした。面接でも「”石を投げれば当たるほど”(たくさんある)kintoneパートナー企業がある中、なぜウチだったのか?」という感じの質問があったくらいです。
最近エンジニアの方やその採用に関わる方と交流を意図的に増やしてます。それは「なぜノーコードというベテランエンジニアと相性が良くないkintoneを事業にする会社が増えてるのか?」という私が追いかけている謎の一つに対する答えを得るためです。
仮説としてシンプルに「kintone導入企業が増えてるから」も一定ありますがそれだけではありません。「ノーコードは開発コストがやはり低い」「保守コストも低く、納品してお客様に任せる選択肢もある」などを聞きました。あとパートナー目線で「kintone使っている限りは利用料で利益でるから」「カスタマイズの発注が望める」というのもありそうです。
乗っかりながら『この波は一過性のもの』で来年あたりには引くのでは?という肌感覚があります。
理由の一つは「コーディングした方が早い」です。これは、コーディングが超苦手な私でも「それはそうだろう」と気持ちが理解できてしまいます。
他にも「ノーコードの学習コストが見合わない」というのもあります。エンジニアは少しでも自己研鑽でキャッチアップを繰り返していかないといけない中、ここのコストをこれほどまで払いたいか?というと「答えはNO」ということなのでしょう。
更にこれは私が聞いた話です。SESで長年やっててkintone案件に入っている方と話して感じたことです。私が「それ、そう思うなら周囲に共有してすぐ変えちゃえばいいじゃないですか?」と言ったら「ドキュメントとか会社間のやりとりがあるからなかなか・・・」と返され唖然としました。率直に「その体制はkintoneに向いてない」と思いましたが、その人が悪いわけでも変えられるわけでもないので言葉を飲み込みました。
挙げるとキリないのですが、kintoneはやはり非IT部門向けのシステムである、ということです。どこかで気づいて方向転換などする可能性も十分考えられます。
理由はどうあれ、一時期はkintoneに関わる人や会社が増えるのを単純に喜んでいました。ただ、導入に関わるとき「システムを売るスキル」が決め手となり、売上が優先されてゴリ押しされた結果、不幸になるのはどうなのでしょう?何かできることがあるかな?と思いながらいろんなところで情報交換を続け、謎を追いかけていきます。