皆さん、こんにちは。
今回は「React Nativeアプリで「Adjust」を設定する方法」について紹介させていただきます。
「Adjust」は、モバイルアプリのパフォーマンスを最適化し、マーケティング活動を追跡・分析するためのツールです。
モバイルアプリのアナリティクスやアトリビューションを追跡するために使用されます。
React NativeでAdjustを使うためには、react-native-adjustという公式のSDKを利用します。
「Adjust」の主な特徴
- アプリのインストール追跡: Adjustは、アプリのインストールとその後のユーザー行動を追跡します。これにより、どの広告キャンペーンがインストールを促進しているかを特定できます。
- アトリビューション分析: Adjustは、ユーザーがアプリをインストールした原因(どの広告、どのキャンペーンが影響したのか)を明確にし、広告の効果を測定します。
- 広告キャンペーンの最適化: 広告主は、Adjustを使用して広告キャンペーンの効果を分析し、リソースを効率的に使うためのインサイトを得ることができます。
- リテンション分析: ユーザーがアプリをインストール後、どれだけ続けて使用しているかを追跡し、ユーザーのリテンション(維持率)を改善するための戦略を導き出します。
- プラットフォーム統合: Adjustは、さまざまな広告ネットワークやアナリティクスツールと統合でき、広告主は複数のプラットフォームからデータを一元管理できます。
- データの透明性とセキュリティ: Adjustは、プライバシーやセキュリティにも重点を置いており、GDPRなどの規制に対応したデータ管理を提供します。
このツールは、アプリの成長を促進するためのデータドリブンな意思決定を支援し、広告費のROI(投資対効果)を最大化するのに役立ちます。
必要なパッケージをインストール
まず、React NativeプロジェクトでAdjust SDKをインストールします。
npm install react-native-adjust
iOSの設定
iOS用の依存関係インストール
react-native-adjustは、iOSの依存関係を自動的に管理しますが、CocoaPodsを使ってインストールする必要があります。iosディレクトリに移動し、pod installを実行します。
iOSの設定
ios/Podfileを開き、必要な場合はAdjustのバージョンを明記します。
pod 'Adjust', '~> 4.26.0' # Adjust SDKのバージョンを指定
その後、再度pod installを実行します。
Androidの設定
AndroidManifest.xmlの設定
android/app/src/main/AndroidManifest.xmlに以下の内容を追加します。
<uses-permission android:name="android.permission.INTERNET" />
<uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_NETWORK_STATE" />
<application
android:name=".MainApplication"
android:label="YourApp"
android:icon="@mipmap/ic_launcher">
<!-- Adjust service and receiver -->
<service android:name="com.adjust.sdk.AdjustService" android:enabled="true" android:exported="true" />
<receiver android:name="com.adjust.sdk.AdjustReferrerReceiver" android:enabled="true" android:exported="true" />
</application>
React NativeでAdjust SDKの初期化
次に、React NativeでAdjust SDKを初期化します。例えば、App.jsのuseEffect内でAdjustを初期化する方法は以下のようになります。
import React, { useEffect } from 'react';
import { Adjust } from 'react-native-adjust';
const App = () => {
useEffect(() => {
// Adjustの初期化
const adjustConfig = {
appToken: 'YOUR_APP_TOKEN', // Adjustで取得したアプリのトークンを指定
environment: Adjust.Config.EnvironmentProduction, // 本番環境
};
// Adjustの初期化
Adjust.create(adjustConfig);
// 任意のイベントをトラッキング
const event = new Adjust.Event('YOUR_EVENT_TOKEN'); // Adjustで取得したイベントのトークン
Adjust.trackEvent(event);
// その他必要に応じて設定
}, []);
return (
<YourAppComponent />
);
};
export default App;
イベントトラッキング
Adjustでは、ユーザーのアクションをイベントとしてトラッキングできます。
例えば、購入イベントをトラッキングする場合は以下のように記述します。
const trackPurchaseEvent = () => {
const event = new Adjust.Event('YOUR_EVENT_TOKEN'); // イベントトークンを指定
event.setRevenue(9.99, 'USD'); // 購入金額と通貨を指定
Adjust.trackEvent(event);
};
デバッグと本番環境の設定
- デバッグモード: 開発中は、environmentをAdjust.Config.EnvironmentSandboxに設定して、テスト環境でデータを送信します。
const trackPurchaseEvent = () => {
const event = new Adjust.Event('YOUR_EVENT_TOKEN'); // イベントトークンを指定
event.setRevenue(9.99, 'USD'); // 購入金額と通貨を指定
Adjust.trackEvent(event);
};
本番環境: 実際にユーザーに向けてアプリを公開した場合は、Adjust.Config.EnvironmentProductionを使用します。
まとめ
- react-native-adjustパッケージをインストールし、iOSとAndroidで設定を行います。
- Adjust SDKをReact Nativeアプリ内で初期化します。
- イベントトラッキングを行い、デバッグおよび本番環境で適切な設定をします。
これで、react-native-adjustを使用して、React NativeアプリにAdjustを統合し、パフォーマンスと広告キャンペーンの効果をトラッキングできるようになります。
今日は以上です。
ありがとうございました。
よろしくお願いいたします。