Nest.jsでは、公式に用意されたテストユーティリティ (@nestjs/testing) とSupertestを組み合わせることで、統合テスト（integration test）を簡単に作成できます。以下は基本的な手順とサンプルコードです。

テスト用モジュールの作成

TestingModuleの作成:
テスト用に対象のモジュール（例えばAppModule）をインポートし、Test.createTestingModule()を使ってテスト用モジュールを作成します。
Nest アプリケーションインスタンスの生成:
コンパイル後、moduleFixture.createNestApplication()でNestアプリケーションのインスタンスを作成し、app.init()を呼び出して初期化します。

エンドポイントのテスト

`Supertest`を利用したエンドポイントのテスト

HTTPリクエストの送信:
app.getHttpServer()を用いて、SupertestでHTTPリクエストをシミュレートし、実際のエンドポイントの動作を確認します。
レスポンスの検証:
ステータスコードやレスポンスボディを.expect()メソッドで検証します。
サンプルコード

以下は、GET/エンドポイントに対する統合テストのサンプルコードです。

import { Test, TestingModule } from '@nestjs/testing';
import { INestApplication } from '@nestjs/common';
import * as request from 'supertest';
import { AppModule } from './../src/app.module';

describe('AppController (Integration Test)', () => {
  let app: INestApplication;

  // テスト実行前にアプリケーションをセットアップ
  beforeAll(async () => {
    const moduleFixture: TestingModule = await Test.createTestingModule({
      imports: [AppModule],
    }).compile();

    app = moduleFixture.createNestApplication();
    await app.init();
  });

  // エンドポイントのテスト例
  it('/ (GET)', () => {
    return request(app.getHttpServer())
      .get('/')
      .expect(200)
      .expect('Hello World!');
  });

  // テスト終了後にアプリケーションをクローズ
  afterAll(async () => {
    await app.close();
  });
});

ポイント解説

TestingModuleの活用:
Test.createTestingModuleを使うことで、実際のアプリケーションのDIコンテナやミドルウェア、ガードなどを含む状態でテスト環境を再現できます。
Supertestの利用:
Supertestによって、HTTPリクエストを模擬し、APIのエンドツーエンド動作を検証可能です。これは、統合テストとして非常に有用です。
後処理:
テスト終了後は app.close()を呼び出してリソースを解放し、次のテストへの影響を防ぎます。
拡張例:
データベースとの連携がある場合は、テスト用のDB環境を用意したり、モックを利用するなどしてテストを実行します。

`e2e`テストコードを作成

エンドツーエンド（e2e）テスト:
アプリケーション全体（ルーティング、ミドルウェア、ガード、コントローラー、サービスなど）が実際に動作しているかを検証します。
利用するライブラリ:
@nestjs/testingでアプリケーションのテスト用インスタンスを作成し、HTTPリクエストのシミュレーションにはSupertestを使用します。

`e2e`テストのセットアップ

通常、e2eテストはプロジェクト内のe2eフォルダに配置され、専用のJest設定（例: jest-e2e.json）で実行されます。例えば、package.jsonのスクリプトに以下のように記述します。

{
  "scripts": {
    "test:e2e": "jest --config ./test/jest-e2e.json"
  }
}

jest-e2e.json のサンプル設定は以下の通りです。

{
  "moduleFileExtensions": ["js", "json", "ts"],
  "rootDir": "../",
  "testRegex": ".e2e-spec.ts$",
  "transform": {
    "^.+\\.(t|j)s$": "ts-jest"
  },
  "coverageDirectory": "./coverage",
  "testEnvironment": "node"
}

サンプルコード

以下は、GET/エンドポイントに対するe2eテストのサンプルコードです。アプリケーション全体をテスト用モジュールとしてセットアップし、Supertestを使ってHTTPリクエストをシミュレートしています。

import { Test, TestingModule } from '@nestjs/testing';
import { INestApplication } from '@nestjs/common';
import * as request from 'supertest';
import { AppModule } from './../src/app.module';

describe('App E2E Test', () => {
  let app: INestApplication;

  // テスト実行前にアプリケーションを初期化
  beforeAll(async () => {
    const moduleFixture: TestingModule = await Test.createTestingModule({
      imports: [AppModule],
    }).compile();

    app = moduleFixture.createNestApplication();
    await app.init();
  });

  // GET / エンドポイントのテスト
  it('GET / should return "Hello World!"', () => {
    return request(app.getHttpServer())
      .get('/')
      .expect(200)
      .expect('Hello World!');
  });

  // テスト終了後にアプリケーションをクローズ
  afterAll(async () => {
    await app.close();
  });
});

このようにしてSupertestとe2eテストを実装することで、実際のHTTPリクエストに基づいたエンドポイントの動作検証が可能となり、アプリケーション全体の品質向上に寄与します。

今日は以上です。

ありがとうございました。
よろしくお願いいたします。