1. IPv4アドレス
TCP/IPネットワークではIPアドレスを使用して通信相手を識別している。
1.1. IPアドレスの構成要素
IPアドレスは32ビットの階層型アドレス。
ネットワーク部:所属するネットワークを表す。
ホスト部:ネットワークに所属する個々のホストを識別する。
ただし、現在ではネットワーク部、サブネットワーク部、ホスト部の3つの要素で構成されることが一般的。
1.2. アドレスクラス
さまざまな規模のネットワークに対応するため、IPアドレスはクラスと呼ばれるカテゴリで分類されている。
1.2.1. 概要
クラス | 説明 |
---|---|
A | 超大規模なネットワーク |
B | 比較的大規模なネットワーク |
C | 中規模なネットワーク |
D | マルチキャスト用 |
E | 実験用 |
1.2.2. クラスA
第1オクテットの先頭1ビットは「0」に固定。
ネットワーク部は8ビット、ホスト部は24ビット
1.2.3. クラスB
第1オクテットの先頭2ビットは「10」に固定
ネットワーク部は16ビット、ホスト部は16ビット
1.2.4. クラスC
第1オクテットの先頭3ビットは「110」に固定
ネットワーク部は24ビット、ホスト部は8ビット
1.3. 予約済みのアドレス
IPアドレスには、特別な用途で使用するために予約されているものがいくつかある。
そのようなアドレスは、割り当てることができない。
ネットワークアドレス:ホスト部が全て「0」
ブロードキャストアドレス:ホスト部が全て「1」
ループバックアドレス:第1オクテットが127で始まるアドレス(自分自身を表す)
自動設定アドレス:169.254.0.0/16(リンクローカルアドレス)
1.4. グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
* グロバールIPアドレス:インターネットで使用可能
* プライベートIPアドレス:組織または家庭の内部ネットワークでのみ使用可能
【プライベートIPアドレスの範囲】
クラス | 範囲 |
---|---|
A | 10.0.0.0 - 10.255.255.255 |
B | 172.16.0.0 - 172.31.255.255 |
C | 192.168.0.0 - 192.168.255.255 |
2. サブネットワーク
サブネットワークとは、ある1つのネットワークを複数に分割した小さなネットワークを指す。
また、ネットワークの管理単位を幾つかの小さい単位に分割する仕組みをサブネット化という。
2.1. サブネットワークの利点
より多くの端末をネットワークに接続できる
ブロードキャストドメインの分割できる
全体的なパフォーマンスが改善される
ネットワーク構成が柔軟に出来、管理の手間も軽減できる
ネットワークセキュリティの適用が容易になる
2.2. サブネット化
1つのネットワークを小さなサブネットワークに分割する仕組みをサブネット化という。
* サブネット数=2ⁿ(nはサブネット部のビット数)
* ホストアドレス数=2ⁿー2(nはホスト部のビット数)
ホストアドレス数の計算では、必ずサブネットアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除く。
3. VLSM
VLSMはIPアドレスの無駄をなくして効率的に利用するための技術。
* VLSM:Variable Length Subnet Mask
ネットワークアドレスをサブネット化する際に、サブネットごとに異なるサブネットマスクを使う技術。
VLSMにより、サブネットに接続するコンピュータの台数に応じたサブネットマスクが利用でき、IPアドレスを無駄なく効率的に使用することができる。