#はじめに
MOLファイル、SDFファイルにおける同位体、電荷、ラジカルの記載方法について、少し突っ込んで調べてみた。
#対象
以下の形式とした。
- V2000 fomat
#調査したURL
-
CTFile Formats
本家っぽい。これが一番詳しかった。 -
MOL V2000 files
chemaxonのサイト。まとまってはいるが、具体的な書式等に関する詳細はかなり端折られている。 -
平成 29 年度化学物質安全対策(新規化学物質申出における構造を表すコードの記載のあり方に関する調査)報 告 書
経済産業省の調査報告書であり、概要レベルの話が載っている。
#分かったこと
ほぼCTFile Formatsの抜粋になるが、以下の通り。
同位体
プロパティブロックに以下の形式で記載する。
M ISOnn8 aaa vvv ..
ここでnn8はエントリーの数であり、1~8まで指定できる。aaaは原子番号である。
vvvは、同位体の絶対質量であり、正の整数である。
このプロパティが存在する場合、原子ブロック内の同位体値に優先する。
デフォルト(エントリなし)は、natural abundanceである。
電荷
プロパティブロックに以下の形式で記載する。
M CHGnn8 aaa vvv ...
nn8とaaaは同位体と同じである。
vvvは電荷であり、デフォルトの0は非荷電原子を意味する。
このプロパティが存在する場合、原子ブロック内の電荷およびラジカル値に優先し、M CHGまたはM RAD行にリストされていないすべての原子に0電荷を強制する。
ラジカル
プロパティブロックに以下の形式で記載する。
M RADnn8 aaa vvv ...
nn8とaaaは同位体と同じである。
vvvがラジカルの値であり、デフォルトは0 =ラジカルなしである。 1 =singlet(:)、2 =doublet(.または^)、3 =trilet(^^)。
このプロパティが存在する場合、原子ブロック内のすべての電荷とラジカルの値に優先し、M CHGまたはM RAD行にリストされていないすべての原子に0(ゼロ)の電荷とラジカルを強制する。
#注意
これらは原子ブロックでも指定はできるようだが、古いCtabとの互換性のために保持されており、プロパティブロックが優先されるようだ。