アジェンダ
基本的なルートディレクトリ、ホームディレクトリ、トップレベルディレクトリの意味の違いについて備忘録的にまとめます。
ルートディレクトリ(/
)
- 説明: ファイルシステムの最上位階層にあり、全てのディレクトリやファイルはここから派生します。
-
例: 家の住所に例えると「国」のようなものです。すべての住所はこの「国」から始まります。LinuxやUnix系OSでは
/
が国の役割を果たします。例えば、/home/user
というパスがあるとき、これは「国の中にある市(home
)の中にある家(user
)」を意味します。
実際のパスの例
- /bin: システムの基本的なコマンド(プログラム)が格納されているディレクトリ。例: /bin/ls(lsコマンドの実行ファイル)。
- /etc: システム全体の設定ファイルが格納されているディレクトリ。例: /etc/passwd(ユーザー情報が保存されているファイル)。
実際の使用例
ルートディレクトリに移動する:
cd /
これは国全体を見渡す感覚に近いです。
ホームディレクトリ
- 説明: 各ユーザー専用のディレクトリで、ユーザーの個人データや設定ファイルを管理します。
-
例: ホームディレクトリは、家の中の「自分の部屋」にあたります。例えば、
/home/alice
は、ユーザー「alice」の部屋です。Aliceがファイルを保存したり、設定を変更したりする場所はこの部屋(ホームディレクトリ)内になります。/home/alice/Documents
は「Aliceの部屋の中のドキュメント用の引き出し」みたいなイメージです。
実際のパスの例:
-
/home/alice/Documents:
ユーザーaliceのドキュメントフォルダ。例えば、/home/alice/Documents/report.txtはaliceのドキュメントフォルダ内に保存されたreport.txtというファイルを指します。 -
/home/alice/Pictures:
ユーザーaliceの画像フォルダ。例えば、/home/alice/Pictures/photo.jpgは、aliceの画像フォルダ内に保存された画像ファイル。
実際の使用例
自分のホームディレクトリに移動する:
cd ~
これは自分の部屋に戻る操作です。例えば、/home/alice
がユーザーaliceのホームディレクトリです。
トップレベルディレクトリ
- 説明: ルートディレクトリ直下に存在するディレクトリのことです。ルートディレクトリ直下にあるため、システムの重要な構成要素が含まれます。
-
例: トップレベルディレクトリは、都市の中にある主要な場所のようなものです。例えば、
/bin
は「都市にある食料品店」みたいなイメージです。このディレクトリにはシステム全体で利用される重要なプログラム(実行ファイル)が保存されています。また、/etc
は「都市にある市役所」のように、システム全体の設定ファイルが含まれており、システム管理者が主に利用します。
実際のパスの例:
-
/bin/bash:
Bashシェルの実行ファイル。bashは、ユーザーがシェル上で使うコマンドラインインターフェースです。 -
/usr/share:
ユーザーが利用する共通リソースが格納されています。例えば、/usr/share/iconsにはシステムで使われるアイコンファイルが保存されています。
実際の使用例
トップレベルディレクトリの内容を表示する:
ls /
すると、bin
, etc
, usr
など、システム全体に関わる重要な場所(ディレクトリ)が表示されます。