「テックキャンプ」は日本最大級のプログラミングスクールです。今受講すべきかどうか悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。またプログラミング教育に携わる方にとっても、テックキャンプの実態は気になるのではないでしょうか。
そこでテックキャンプ卒業生の生の声を記事にしたいと思います。
先に簡潔な感想を述べるなら、テックキャンプは、アプリ開発の流れを短期間で効率的に学べる点で優れた環境です。一方で受講生の立場によっては受講料が割に合わない部分もあると言えます。
ではその理由を以下の流れで掘り下げていきたいと思います。
1. テックキャンプの学習内容
2. テックキャンプカリキュラムの難易度
3. テックキャンプのメリット
4. テックキャンプのデメリット
5. まとめ
テックキャンプを受講した理由
説明に入る前に、テックキャンプを受講することにした理由を述べておきたいと思います。理由は以下の通りになります。
- 将来的に教育事業にも携わりたいと考えていた
- 「どう学べば良いか」を考える手間を省きたかった
わざわざ高い受講料を払ってまでテックキャンプを受講した訳は、「教育」に高い関心があったからです。将来的に教育事業に携わるのであれば、ただ教育方針を頭で考えるだけでなく、自らが実際に高水準の教育環境を体感することが必要だと思っていました。だとすればマコなり社長が体系化した日本最大級のプログラミングスクールに通うことは、僕にとって貴重な経験財になるはずだと考えたのです。
また独学ではなくスクールに通うことの1番のメリットは、「どう学べば良いか」を考える手間が省けるということです。独学だと自分のやっている勉強が間違った方向に進んでいないか不安になりますが、スクールに通えば、その不安を効率的に解消できます。
1. テックキャンプの学習内容
ではテックキャンプでどんなことを学ぶのかをまとめておきたいと思います。
テックキャンプの特徴は、アプリ開発の流れを短期間で効率的に掴めるということです。「Ruby on Rails」というフレームの使い方を手を動かしながら学ぶのがメインであり、サーバーサイドの実装が受講期間の大半を占めると言えます。
僕の中では、「プログラミング」というと、自分でアルゴリズムを考えて数学の問題を解くといったイメージがあり、アプリ開発というとホームページのデザインを考えて形にするイメージがありました。
しかしテックキャンプでは、アルゴリズム問題を解くことや、ホームページのデザインを考えるクライアントサイドの実装はメインではありません。
「画面上の操作でどのようにデータのやり取りが行われるか」を考えることに多くの時間を使います。HTML&CSS、JavaScript、AWSなど、アプリ開発に関する様々なことを広く学びますが、「Ruby on Rails」を学んだという感触が大きいカリキュラムとなっています。
2. テックキャンプカリキュラムの難易度
テックキャンプのカリキュラムに関して、「ゲーム感覚で学べた」という意見もあれば、「しんどかった」という意見もあります。
このことに関して言えば、カリキュラム終了時点では、「易しかった」と感じるのではないかと思われます。テックキャンプのカリキュラムが終わったとしても、その後自分で学ばなければならないことの方が膨大であるため、テックキャンプのカリキュラムは序の口だったと感じるからです。
ただし、アウトプットの時間が長くなる後半では、しんどさを感じにくいものの、インプットの時間が長い序盤はしんどい部分があるのではないかと言えます。特に学力が優秀ではない人物の目線から言わせるならば、慣れていない序盤は「1文あたりの横文字が多い」、「詰め込みすぎ」と感じることもあるかと思われます。
3. テックキャンプのメリット
そんなテックキャンプカリキュラムの受講から就職活動の終了までを終えた上で、僕が感じたメリットは主に以下の4点です。
- メンターのおかげで学習進捗が遅れない
- 最適化されたカリキュラム
- カリキュラム終了後も勉強しやすくなる
- 同じ課題を共有できる同期の存在
やはり土日も含めて大体10:00~22:00までいつでもすぐに繋がってくれるメンターの存在は大きいのではないでしょうか。考えても分からない課題に直面したとしても、メンターに質問すれば理解度を高めた上で先に進めます。
高い受講料というのは、テックキャンプ社員に対するプレッシャーになっている部分もあるはずです。そのため、どのメンターさんも責任を全うしようとする姿勢が強いです。ただもちろん受講生サイドも、仮説を立てて要点を絞った質問をすることが求められます。
このメンター制度に加えて、アプリ開発の流れを掴める最適化されたカリキュラムがあることによって、独学では到達できないスキルをたった10週間で身につけられると言えます。
またアプリ開発に関する知識を幅広く学べるため、テックキャンプのカリキュラムが終了したとしても次のステップに進みやすいです。
多くの企業はテックキャンプで学んだ「Ruby」ではなく「Java」をはじめとした他のプログラミング言語を扱っています。しかし基本的な考え方は同じであるため、新しい言語を学ぶ際の吸収力は上がります。
そしてなんといっても同期の存在は大きかったです。テックキャンプでは、1日に複数回、同期受講生5~7人でアウトプットをします。僕はオンラインでの受講でしたが、同じ課題を共有できる仲間がいることによって、孤独を感じることは全くなかったです。
また比較できる相手がいることによってグループ内での学習進捗率が大幅に上がります。
4. テックキャンプのデメリット
テックキャンプにはもちろんデメリットもあります。しかし僕が感じたデメリットはテックキャンプ側に問題があるわけではなく、受講生の立場に起因する問題です。受講生の立場次第では、「テックキャンプ以外でプログラミングを学ぶ方が最適かもしれないよ」という気づきになります。
僕が感じたテックキャンプ唯一にして最大のデメリットはやはり「受講料の高さ」です。なぜ受講料が高いのかを切り分けて考えれば、他のプログラミングの学び方も選択できるはずです。
なぜ受講料が高いのかを考えた時に挙げられるのはやはり「人件費」ではないでしょうか。いつでも質問に答えてくれる「メンターさん」がいて、学習面での不安を聞いてくれる「ライフコーチ」がいて、転職活動を支援してくれる「キャリアアドバイザーさん」がいて、テックキャンプ経由で求人を提供するための「営業担当」もいます。これだけ万全の体制が整っていれば受講料が高くて当然です。
しかしこれらに高いお金を払う必要がない立場の方もいらっしゃると思います。メンターさん、ライフコーチ、キャリアアドバイザーさんは全員良い人ですが、受講生の立場によっては、受講料が割高だと感じるかもしれません。
僕の場合は学習面で不安を感じることがなかったため、ライフコーチのサポートは全く利用しませんでした。
またテックキャンプ経由では既卒の求人はほとんどないと言われたため、就職活動も自己応募がメインとなりました。
さらに言えば完全未経験者とプログラミングスクール卒業生を区別した求人はなかなか見当たらず、未経験者を採用する自社内開発企業があったとしても、テックキャンプではほとんど学ばないインフラを扱うエンジニアの求人ばかりでした。アプリ開発のフレームワークよりもアルゴリズム問題を解くスキルやITの基礎的な知識を重視する企業からは好まれない傾向もあります。
メンター制度に関して言えば、カリキュラム外のことは質問できないという特徴もあります。僕の場合は、受講期間の1ヶ月前倒しで最終課題を提出しましたが、もっと学習進捗が速い方からすればほとんどの期間メンターさんが使えない状態となる可能性もあります。
5. まとめ
以上までがテックキャンプ受講から内定までの感想となります。受講料が高いことだけが唯一の懸念材料であり、カリキュラム内容や体制自体に不満は全くありません。僕の満足度は高く、社会人の方にはぜひお勧めしたいです。
仮に合わないと感じたとしても、受講から14日の間に辞めれば受講料は返済されるので、辞めない決断をした場合は文句の言いようもないと思います。
ただ実際に受講した立場として、学生や既卒の方は、テックキャンプ以外の選択肢で勉強した方が合理的な場合があると感じました。その辺を考えて慎重に比較検討してもいいかもしれません。