はじめに
日本語プログラミングのタグでTRONの話題がありました。昔話ですがMindを使ってくれませんかと坂村先生に提案しに伺ったときの様子です。
研究室訪問
坂村先生には1度だけお会いしたことがあります。OSの標準言語としてMindを使ってくれませんかと提案しに研究室に伺いました。もちろん私にはツテが無く、メインの訪問者はMSAさん(当時、マイクロソフトウェア・アソシエイツ)で私は同行者でした。時期は1987年~1988年ぐらいだと思います。
一通りMindのデモと説明をさせていただいたあと、先生のお答えは「TRONにはプログラム言語(名前は忘れました)があるからいいです」ということでした。
当時の記憶が薄れていて、その言語がカード型のものを指していたのか、別のタイプだったのかははっきりしませんが簡易型のものだったように思います。ちなみに当時は既にMacの「HyperCard」が登場していました。いずれにしても「それでいいのかな?(それだけで間に合うのかな)」というのが私の感触でした。もちろん恐れ多くて突っ込んでお聞きすることはしませんでした。
あとから思えば、先生のお考えとして「このOSでプログラムをぐりぐりと書くのはふさわしくない」というのがあったかもしれません(でも誰かがそのぐりぐりをやらないとアプリケーションは増えないのですが)。
あるいはMindを同様の簡易言語のように捉えられていて、だったら二つは要らないと思われたのかも知れません。
そのようなことで、MindはTRONにぴったりだと思っていたのですがちょっと残念な結果でした。