実家に眠っていた10年前のMacBook (Early 2008)を工場出荷状態に戻そうとしてHDDを初期化したら再インストールができなくなってインストールディスクが必要になったものの、作成できずに四苦八苦した記録です。
環境
インストールディスクを作成するために使ったマシンです。
- MacBook Air Mid 2013
- macOS 10.15
- Homebrew 2.1.15
インストールディスクはポータブルHDDに作成しました。
- 30GBくらいの外付けUSB HDD(ずっと昔のEeePCについてたやつ)
1. Mac OS X Lionのインストーラーを入手する
すでに通常の手段でのAppStoreからのダウンロードができなくなっています。
再インストールを施したかった古いMacBookのリカバリーモードからも、AppleIDを入力してもインストーラーを入手できず再インストールに失敗していたようです。
しかしAppStoreにはまだデータは残っているようで、 mas-cli
を使用して以下の手段でダウンロードできました1。
$ brew install mas
$ mas install 444303913
ダウンロードが終わると /Applications
に Install Mac OS X Lion.app
(Mac OS X Lion インストール)が出現しています。
2. 書き込み可能なディスクイメージを作成する
Install Mac OS X Lion.app
の中には InstallESD.dmg
というイメージファイルがあり、これがいわゆるインストールディスクのイメージになっています。
これをUSBメモリに書き込めばいいのですが、これが一筋縄ではいかない2。
検索すると良く出てくるのはInstall Disk Creator もしくは DiskMaker X を使用する方法ですが、Install Disk Creatorはプログレスバーが進まず、DickMaker Xは途中で要求される ASObj-CRunner.app
が64bit対応しておらず3に作業を完遂できない、という状態でした。
ディスクユーティリティからdmgをUSBディスクに書き込もうとしても Could not validate sizes - その操作は許可されていません
というエラーが出るだけで書き込みできず。
ところが、ブータブルなISOファイルをimgファイルにして書き込むのに使う hdiutil
を使ったらうまく行ったので、その方法をご紹介します。
$ hdiutil convert -format UDRW -o ~/Lion.img /Applications/Install\ Mac\ OS\ X\ Lion.app/Contents/SharedSupport/InstallESD.dmg
これでホームディレクトリ直下に Lion.img
ができているはず。
これを dd
でUSBメモリに書き込みます。
ここでは書き込み対象を /dev/disk2
とします。(使用前にフォーマットとアンマウントを済ませておく必要があります。)
$ sudo dd if=~/Lion.img.dmg of=/dev/disk2 bs=1m
これで出来上がり!
USBメモリがインストールディスクになりました。
3. インストールに使う
インストール先のMacBookにUSBメモリを挿し、 option
を押しながら電源を投入。
USBメモリが表示されているはずなので、これを選んで起動。
すると復元ユーティリティが立ち上がるので、「Lionをインストール」を選んでウィザードの通りに進行すればインストールは完了!
お疲れ様でした!!
久しぶりにLionの画面を見たぞ!! このころはまだウィンドウの閉じるボタンに立体感があったんですね!! なつい!!
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こちらの記事を参考にしました https://applech2.com/archives/how-to-create-usb-installer-lion-to-high-sierra.html ↩
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当時はまだ
createinstallmedia
なんていう便利なコマンドは付属していないんです! El Capitan以降の最近のmacOSインストーラーにはついてくるので、多分簡単にディスク作れると思います。 ↩ -
macOS Catalinaから32bitアプリは動作しなくなりました。 ↩