WROとは
WRO(World Robot Olympiad) は自律型ロボットによる国際的なロボットコンテストです。
世界中の子どもたちが各々ロボットを製作し、プログラムにより自動制御する技術を競うコンテストで、市販ロボットキットを利用することで、参加しやすく、科学技術を身近に体験できる場を提供するとともに、国際交流も行われます。
今年のWROの振り返りをするよ
WROの決勝大会が先日8月28日行われ、私達の活動も一段落しました?ので振り返りをしたいと思います。
私が参加したのはWROのエキスパート競技シニア部門です。
結果としては地区予選優勝。決勝大会は、、、察してください、、、
かなり下位の人が喋ってるので、全国上位を目指す人の参考にはならないかもしれないです。
かなり長いですが良ければお付き合いください。
地区予選の振り返り
全体的な感想としては「周りのレベルが低かった」です。私達を含め4チームが参加していましたが、半分のチームは加点をもらうことができていませんでした。なんなら減点されているチームもありました。私達を除くもう一つのチームは1つだけミッションをクリアし、ゴールポイントをもらって終わりでした。
私達は洗濯物ブロックを回収&配置し、水筒を所定のフィールドに置きました(机上ではない)。ちなみにこれで合計81ポイントです。2位のチームは67ポイントでした。
もちろん地区大会の情勢は年や地区によって全く異なります。レベルが高い地区は本当に高いです。予選会から満点を叩き出したチームもあるそうです。怖、、、
競技攻略
競技攻略の考え方として、ポイントを取れないチームによく見られたのが「完璧を目指す」という点です。例えば水筒を指定の机の上に置くというミッションでは、机のある部屋に置くだけで6ポイントもらえます。ところが、机の上に置いて14ポイントを取ろうとしてしまったばかりに失敗して0ポイントになってしまうチームがありました。もったいない。世界大会や全国上位を視野に入れるなら、はじめから満点を狙うべきですけどね。
全国大会の振り返り
はじめに言い訳しておくと、全国大会は「浜松にうなき食いに行くぞー」というテンションで参加したのではじめから優勝or上位を目指してはいませんでした。うなぎ美味しかったです。
結果的に、上位勢には手も足も出ませんでした。
調整時間
第一走と第二走の間には20分の調整時間がありますが、たくさんのチームが試走しようと並ぶので何度も試走する余裕はありません。2回できるかどうかです。第一走が終わり次第、どんな修正をするか検討するべきでしょう。
プレゼン
競技後に行われるプレゼンは、パネルに張り出したポスターを前に審査員数名にプレゼンをするという形式で、比較的フランクに進めることができました。
本競技で優勝したチームがプレゼン賞ももらっていました。
全体の振り返り
ハードウェア&ソフトウェア
WROのエキスパート競技シニア部門は毎年コースが変わります。今年のコースに関して語ってもあまり来年以降の役には立たないと思うので程々に。気が向いたら別記事で喋ります。
ハードウェアに関して私が意識したのが「機体をシンプルにする」という点です。理由は主に2つ。1つは「組み立て調整時間」における「組立時間」を最小限に抑えてより多くの時間をプログラムの調節に費やすことです。全国大会のように広い会場では光の加減などによってセンサーの値が変わってきます。2つ目は当日組み立てが失敗して貴重な時間をロスすることを防ぐためです。ちなみに殆どのチームが30分程度で組み立てをしていました。
しかし、上位のチームにはそこそこ複雑な機体を作っているチームも多かったです。Youtubeなどで「こういうミッションにはこの機構」のような研究をしておくと良いのかもしれません。
ソフトウェアに関して、WROはロボカップと違ってすべての移動をセンサー基準に行うことができません。なので予め指定した距離を動かすコードを書かざるを得ません。この2つの棲み分けに苦労しました。
また、RGBの有用性にも気づかされました。カラーセンサーの色モード、反射光モードで判別できなかったブロックがRGBモード、それを元にしたHSVモードを使うと判別できました。
競技フィールド
競技フィールドを購入できるか否かは、当日会場での調整、その他もろもろを成功させる重要な鍵になると思います。
私達は地区予選まで大判プリンターで印刷したコースを使用していましたが、タイヤにインクの粉がついて汚れたり、その汚れが原因でタイヤが空回りしたりなど、様々な問題が起こりました。
また、パチもんと本物では反射光が、競技に影響があるレベルで違いました。なので、お金があるなら購入すべきです。
ただ、フィールドって3万円と高いんですよね、、、地区予選の運営さんもフィールドを毎年購入するせいで赤字だと嘆いていました。
サプライズルール
私達は地区予選、全国大会ともにサプライズルールは捨てました。サプライズルールに挑むより、今あるものを完璧にする方が優先だと判断したからです。もちろん全国上位勢になたいならば取ったほうがいいのかもしれません。
チームメイト
※ちょっと私的な愚痴が入ります
私のチームは、基本的に私がソフト・ハードの作成をして、他のメンバーはその補佐という仕組みになっており、実質的に私が一人ですべてのことをしていました。これは私のこだわりが強く、他のメンバーを抑圧しすぎたこと、やる気に私と他のメンバーで差があったことが原因だと思います。
もし互いに切磋琢磨できる仲間が欲しいなら、チームメイト選びには慎重になるべきです。やる気や力量に差があると、誰かの負担が大きくなりすぎてしまいます。
そんな状況でもうまくできればいいのですが、私にはできませんでした。反省。
準備期間
敗因は何か、そもそも機体が低水準であったこと、協調性、プログラミングの技術不足、、、様々なものがあげられますが、私の思う最大の敗因はスケジューリングの甘さだと思います。
今回私たちは5月の半ばにWROに出場することが決まり、期末テスト・修学旅行・生徒会に籠もっていた期間、を除くと1ヶ月程度の準備期間しかありませんでした。初参加でこの準備期間は無理があったと反省しています。ルール自体は1月中に公開されていたのにです。早め早めの活動開始をおすすめします。
ロボカップとの比較
WRO(エキスパート-シニア)とロボカップ(レスキューライン)でどちらの方が難易度が高いかと言えば、どちらにも特有の難しさがあり、甲乙付け難いです。
ハードウェアに関して言うと、WROは部品がLEGOの製品に限られているのに対して、ロボカップはLEGOでもArduinoでもなんでも使えるという点で、突き詰めた結果の難易度はロボカップのほうが高いと思います。
ソフトウェアの難易度はハードウェアの程度によっても大きく変わるので一律には比較できません。ただ、ロボカップはミッションに対してすべきことが明確であるのに対して、WROはミッションに対する攻略法がいくつもあるという点や、オブジェクトを多く扱うという点において、WROの方が勝るかもしれません。
また、WROは選手同士の公平性にすごく気を使っているなと感じました。ロボットを1から組み立てさせるのもそうですが、競技中にプログラムや機体に触れられないのはいいなと思いました。
次は
全国大会で結果を出すことができなかったとはいえども、初めての全国大会という貴重な経験をすることができました。面接の良いネタも手に入りましたからね。しかし、納得のいくハード・ソフトを準備的なかったという点ではすごく悔しい気持ちがあります。
あと2〜3ヶ月すれば次はロボカップがやってきます。WROは自分の中での妥協点を探しながらやっていた節があるので、ロボカップでは全力を出したいです。
ロボカップが終われば次は大学受験、、、うっ、、、青春が溶けていく泣、、、。