はじめに
この記事は学生時代3年間お手伝いした講義でアシスタントをしていた時に学んだことをまとめたものになります
この講義の目的は学生エンジニアが「ものづくり」からサービス・プロダクト作りに意識を変えていくことを目標として行われました
大学生向けに1年間を通じてプログラミングの学習から始まり最終的に投資家への発表までを行うプログラムでした
新卒向けの研修や夏のインターンなどの参考になれば幸いです
この記事はシリーズになります
今回はこの講義で伝えたかった価値観の基本的なことを解説します
方法などは次回以降になります
「ものづくり」エンジニアとは?
エンジニアは往々にして「ものづくり」をしがちです
ここで表現する「ものづくり」とは、自分たちの頭の中にある実現したいことを作り上げることを示しています
「ものづくり」の問題点としてはいくら技術的に優れたものを作ってもその結果として人々に受け入れられる価値がなければ無用の長物となり誰も使ってはくれないことにあります
使ってもらえないと対価を得ることはできません
つまり生きていくことができません
具体例でいえばセグウェイがわかりやすいかもしれません
セグウェイはジャイロセンサーを使って姿勢を検知して姿勢制御を行うと技術的には素晴らしい物だったように思います
しかし結果として価格や速度などが要因となり欲しがる顧客はいなかったことがビジネス的な失敗の要因となったのだと思っています
つまり技術的には優れていても対価をは払って使ってくれる人がいないことは起こり得るということを示しています
またどういった価値を実現するのかを考えることをエンジニアの役割ではないとする考え方があることも理解しています
ただ自分の考えではありますがめちゃくちゃ極端なことを言えばプログラムを組んで期待した処理をさせるだけであれば人件費コストの安さで勝負することになるのではないでしょうか
グローバル化が進んでいく中で日本で生きていくことは決して安くはありません
圧倒的で代替え不可能な技術力を身につける生存戦略もありますが、代替え不可能な技術力がありその先まで考えられるエンジニアのほうが強いと自分は考えています
なので自分は「ものづくり」をしないエンジニアとなることは1つの生存戦略になりうると思っています
「ものづくり」をするのはエンジニアの生態だ
エンジニアはプログラミングを通じてどうやって期待する処理を実現するかを考えることが多くあります
そのため手段に対しての思考が向きがちでそこで実現したい価値や利用者に対して使ってもらうことに意識を向けることは訓練が必要となります
この訓練が不十分であると「ものづくり」が始まってしまいます
私はエンジニアのという生き物の生態だと思っています
教育を行わなければほとんどのエンジニアは失敗し学びを得るまでは意識を向けることが必要であることすら共感をえられません
常に自分の開発しているものが価値ある物かを問うようになるには相当訓練する必要があります
ここで必要となるスキルが価値と手段は分けて考えることになります
分けて考えられるようになって初めてその手段が提供したい価値に対してもっとも有効なのかを評価することができます
エンジニアは〇〇できるということが価値だと考える傾向が強い生き物です
価値とは簡単に言えば〇〇した結果として得られることを指しています
ここでは詳しく説明しませんが有名な話で言えば顧客はドリルが欲しいのではなく穴がほしいという話でわかると思います
顧客が欲しいのはドリルではなく穴である、つまり指で穴があく壁が解決手段として最適な場合もあるということですね
価値と手段の区別ができないエンジニアには多い印象ですので丁寧に粘り強く取り組む必要があります
対価を得ることは必要だけど難しい
価値について考える上で重要となるのが対価をもらえるほどの価値なのかという点です
みんな使いたいと思うけどお金を払うほどじゃない物って多くあると思うんです
皆さんも無料で提供されているサービスはいくつもあると思いますが、10円の支払いが必要になったら使わなくなる物はあるんじゃないでしょうか
また無料で提供されているサービスが対価を得ていないかと言えばそうではありません
顧客から直接支払いをしてもらう以外の対価の得える方法をしり考える必要があります
なので対価を得る仕組みを考えられるようになって初めて価値を評価できるようになります
対価を得られる仕組みを作ることができるスキルを身につける必要があります
また学生に向けての講義だったので対価を得ることの重要性を伝える必要もありました
一定数お金儲けをすることに拒否感を示す人がいるので価値を提供し続けるためには対価を得ることの必要性を丁寧に伝える必要があります
開発リソースは無限じゃないよ
開発あるあるだと思うので釈迦に説法だとは思いますが、学生に考えさせると機能をゴテゴテに実装する前提のプロダクトができます
リソースは無限ではないので本質的な機能のみに削り落とす必要に迫られるのはよくあることです
価値と手段を適切に評価できるようになれば本質的な機能が見えてきます
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