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OpenType フォントのプロポーショナルメトリクス情報をぶっこぬく

Last updated at Posted at 2016-07-11

Saqooshaさんの「OpenType フォントのカーニング情報をぶっこぬく」という記事の最後に

palt があるならそれもちゃんと処理しないといけない。OTF 複雑すぎ、、、

と書いてあって。Saqooshaさんの記事を参考に、paltと、それに関連するhaltテーブルの情報をとってみたログです。

やりたいこと

Open Typeフォントのフォーマットからプロポーショナルメトリクス情報をとりだしたかったです。もっと直接的にいうと、paltとhaltのデータをぶっこぬきたかったです。

paltとは? haltとは?

両方とも、fontのGlyphの位置を調整するためのデータが入ったテーブルです。microsoft のページに書いてあるpaltとhaltの説明で重要そうな部分を抜いて以下にかきます。

palt

  • Proportional Alternate Widths。Glyphの全角幅の代わりのメトリクスとして適用する。
  • kernが有効なとき、paltが存在するなら、paltはマストで有効にするべき。
  • この機能は他の全てのglyph幅にまつわる機能と相互に排他的。

halt

  • Alternate Half Widths。カッコや句読点や記号などの半角幅のGlyphのメトリクスを全角幅にするために適用する。
  • haltはdefaultはoff。
  • カッコや句読点や記号などのときに限り有効にする
  • haltがONのときはpaltやkernがOFF。逆に、kernやpaltがONの時にはhaltがOFF。

Open Typeからどうやってpalt、haltにまつわる情報をとってくる?

microsoftの以下2つの英文がひたすら書かれてるページを、じーっと読んでるとなんとなく理解できました。

Saqooshaさんのページにのってるlibotfという OTF ファイルをパースできるツールを使って、以下の手順でOTFをdumpして、そのdump結果にそってみると、理解しやすかったです。

以下、libotfのotfdumpの使い方メモです。

  • このページからThe libotf library (0.9.13) をダウンロード
  • ダウンロードしたディレクトリへいき、いつもの./configure make make install する。
  • cd exampleすると、otfdumpができてる
  • ./otfdump {任意のOTFフォントファイルへのパス} > output.txt で、output.txtにdumpされた情報が出力される

このdumpしたデータに microsoft のページに書いてある paltテーブル ぶっこぬき方を、ざっくり書き込んでみると、以下のような感じです。

Screen_Shot_2016-07-11_at_13_02_54_2.png

LookUpテーブルのSubtableの中のValueというところに、paltやhaltの情報が入ってるのですが、その数字が何を意味するかというと、ValueFormatに応じて以下のような値が入っています。

  • ValueFormatが0x0001のときは、glyphのleft-side bearingを調整するために、XPlacementになる
  • ValueFormatが0x0004のときは、別のglyphとのadvanceを調整するためにXAdvanceになる
  • ValueFormatが0x0005のときは、XPlacementとXAdvanceになる

Advance、Bearingは、GlyphのPositionまわりの用語で、その用語についてはfreetypeのこのページがまとまっていました。

metrics.png

metrics2.png

これでpalt、haltの情報はとりだして、Glyphの各positionデータに反映することができるようになると思います。

おまけ:フォント用語

  • トラッキング : 文字間隔の「等間隔のアキ」の値。
  • プロポーショナル : 字幅に合わせた文字(グリフ)の位置を調整するもの。OpenTypeでは、横組みの場合は「palt」、縦組みの場合は「vpal」がこれに当たる。以下の図でいうと、「仮想ボディ」のwidth,heightにあたる部分。
  • カーニング : fontごとに、任意の文字ペアに対して登録された「文字間のアキ」の値。OpenTypeでは「kern」がこれに当たる。
  • メトリクス : プロポーショナル情報で字幅を整え、カーニング情報により文字間隔(ツメ)を調整すること。この機能はプロポーショナルメトリクスとか、メトリクスカーニングとか、自動(メトリクス)とか、ソフトによって、いろんな記述されてるっぽい。(もしかしたら厳密には違うかも)
  • オプティカル : イラレや、InDesignの独自機能。fontファイルに内蔵された情報を使わないで、文字の大きさを読み取り、文字間隔(ツメ)の調整を行う機能のこと。
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