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次期リーダーが育つ場作りへの挑戦(1年間の次期マネージャー育成勉強会の試みの紹介)

Last updated at Posted at 2023-12-05

はじめに

こんにちは、グロースエクスパートナーズグループの事業子会社 株式会社GxPで代表取締役副社⻑をしている和田です。

この記事はグロースエクスパートナーズ Advend Calendar 2023の6日目の記事です。

私は、2015年から3年半 グロースエクスパートナーズグループ(以下、GxPグループ)で働き、別の会社に転職して3年半働いて、2022年の夏から出戻りでまたGxPグループでお世話になっているという、少し変わった経歴です。

今回は、そんな私が出戻りしてからはじめた、次期マネージャー育成勉強会を紹介します。

1年間の取り組みの概要

2022年10月から2023年9月にかけて、GxPグループ各社から中堅~若手8名が参加して、マネージャー育成勉強会を開催しました。隔週で1回2時間程度、参加者にはなるべくオフィスにオンサイトで集まってもらい、目標設定・顧客を知る・会計の基礎・チーム運営・当社事業内容など各回テーマを決めて開催しました。

グループCEO(GxPグループの創業者)に、GxPグループの行動指針である GxP Way を改めて語ってもらう会も設けました。

この勉強会の寄与度はさておき、参加者の中の2名が9月からアシスタントマネージャに昇格しました!
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なぜ始めようと思ったのか

当社は10年近く新卒採用を続けており、特に直近数年は、海外からの留学生の方も含めて、20名を超える新卒メンバーがジョインしてくれています。会社の制度/職場環境面で安心して働ける会社であること、IT未経験からでもエンジニアとして成長できる教育やチームのサポートには自負があり、実際この数年は新卒の離職率も低く抑えられています。

一方で、若手がキャリアを築いていく支援(端的には、マネージャーやエキスパートとして昇格していく道筋)にはまだまだ課題もあります。また、これから会社が成長のスピードを上げていくために、リーダー・マネージャー層の強化(育成も中途採用も)が最重要課題と考えています。

当社のような200-300名規模のIT企業で、マネージャーの育成を「仕組み化」している会社は多くないと思います。「ロミンガーの法則」で、リーダーシップの成長に役に立った要素として、「経験が70%、他者からの薫陶が20%、研修は10%だった」と言われるように、多くの打席を用意して、そこで成果を上げたメンバーが昇格していくケースが多いと感じます。私自身が過去に3社に勤めた経験からも、1日間の「新任マネージャー研修」のようなものはあるものの、体系的な研修は見たことがないように思います。

ただ、「ロミンガーの法則」を逆の視点から考えると、30%くらいは、薫陶・研修で支援できるという見方もできます。自分が組織マネジメントについて考えてきたこと、経験してきたことを伝えることで、その一助にできるのではと考えました。また次世代のリーダー候補間に密なコミュニティを作り、会社を牽引していくことを考えるきっかけにもできればと考えてトライしました。

GxPグループでは、なにができるとマネージャーになれるの?

この勉強会を企画するにあたって、また1年間の活動を通して、「GxPグループのマネージャーに求めることはなにか?」「なにができるとマネージャーになれるのか?」を聞かれることが多かったです(当たり前ではありますが)。

私見として、この1年間の勉強会を通して、GxPグループのマネージャの役割と必要スキルを下記と考えました。

  • 案件推進をリードして、安定して案件獲得/デリバリーし、収益を出す(自チームの収益の説明責任を負う)
  • 顧客を理解し、パートナーとして信頼を深めてオーガニックな事業成長につなげる
  • 明るく楽観的にチームをファシリテートする、チームの意思決定を主導する(「決める」)
  • チームが学習し育つ環境を整備する、個々人に向き合ってチャレンジと成長を支援する、みんなから話しかけられやすい人である
  • 経営と現場の橋渡しになる(経営の考えを現場に浸透させる、現場の状況を経営に可視化する、自分たちのミッション/目標を言語化して発信する)

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各回のテーマとゴール

# 日付 テーマ ゴール
1 2022/10/14 キックオフ お互いの人となりを知る
各自のこの勉強会への期待値を言語化する
2 2022/10/31 目標設定 目標の役割を語れるようになる
SMARTな目標が設定できるようになる
3 2022/11/14 先輩Mに聞く GxPグループのマネージャが日々考えていることを聞いて、マネージャとメンバーの役割の違いを具体的にイメージする
日々のプロジェクトやチームの活動を、マネージャの視座で考えられるようになる
4 2022/11/28 目標設定 チームの目標が立てられるようになる
5 2022/12/22 ロジカルライティング 良いドキュメントとはどのようなものかを理解する
ロジカルに考えて書くためのフレームワークを使えるようになる
6 2023/1/16 顧客を知る 自分が主に担当している顧客の理解を深める(顧客と同じ言葉/視座で会話し、顧客のビジネスに寄り添った提案ができるようになっていく)
顧客理解の型を身に着ける
7 2023/1/30 ユーザ価値を提案する 自分が担当しているミッション/システムが、誰のどういう課題を解決しようとしているものなのかを可視化し、アウトカムやインパクトを提案できるようになる。
バリュープロポジションキャンバスの使い方を身に着ける
8 2023/2/13 中間ふりかえり ここまでの活動を一度 立ち止まってふりかえる
この勉強会チームの今後のアクションを決める
各自の今後のアクションを決める
9 2023/3/13 中間プレゼン 2チームに分かれて、マネージャに対する分からなさを課題として洗い出して、自分たちなりに解消して(誰かにヒアリングしながらみんなで議論するなりして)、こういうことでよね、とプレゼンする
10 2023/4/3 会計の基礎 財務3表の役割と、自分たちの日々の活動が会社のP/Lにどう繋がっているかを理解する。
11 2023/4/17 提案プロセスと契約 マネージャが月次でやっている予算統制オペレーションの目的と概要を把握している。
提案プロセスとその過程の契約の種類を把握している。
12 2023/5/8 決める力 「決める」という活動に対する理解の解像度が上がる。
ファシリタティブ・リーダーという考え方を知る。
13 2023/5/29 GxP Way by グループCEO
14 2023/7/10 チーム運営 学習して成長し、高いパフォーマンスを出すチームについて考える
心理的安全性を正しく理解し、その作り方を知る
チームにリズム感と変化をもたらす方法を知る
15 2023/7/24 エンタープライズDX(*)とは 「エンタープライズDX」を語れるようになる
GxPグループの3つの事業区分を理解する
GxPグループのミッション「ITを駆使して顧客企業の価値を創造すること」を改めて考える

(*)GxPグループでは、社会を支える大手企業が環境変化に適応して組織/ITを変革し、新しい事業価値を創出していく取り組みを「エンタープライズDX」と位置づけ、顧客のエンタープライズDXにパートナーとして伴走する「エンタープライズDX事業」に取り組んでいます。

最終プレゼン

8月から9月にかけて、2チームに分かれて最終プレゼンを実施しました。

最終プレゼンのテーマは、GxPグループが成長した先で、どんな会社になっているか、そこに向けて取り組むべき課題とアクションについて、としました。

最終プレゼンの日はグループ経営層が集まってプレゼンを聞き、いつもとは少し雰囲気の違う真剣勝負のディスカッション(と、終了後は3次会まで続いた懇親会)を繰り広げました。

普段はなかなか考えないような大きなテーマでしたが、真剣に準備されたプレゼンだったがゆえに、経営層とメンバーとで、一致している思いと、見ている景色のギャップと、どちらもはっきり見え、腹を割って対話できたと感じます。

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第2期に向けて

第1期の参加者は上長推薦で集めたのですが、2023年10月からは、グループ内公募への自薦に応募してくれた12名で第2期を開催しています。

第2期では、参加者が増えたこともありよりメンバー間の対話の時間を増やすこと、また、マネジメント層の新規顧客訪問時に本勉強会メンバーから同行者を募って顧客接点を体験することにも取り組んでいます。

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