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IBM Cloud Security Groups について、まとめてみた

Last updated at Posted at 2017-11-29

Security Groups 概要

一言で言うと、「仮想サーバーに対する通信をIPベースでフィルタリングするサービス

  • 仮想サーバーで適用できるサービス(ベアメタルには使えません!
  • イン/アウト 両方の通信に対して適用可能
  • パブリック/プライベート 両方の通信に対して適用可能
  • Security Groups の費用は、なんと無償!

Kobito.nonCrV.png

以下のガイドを参照していきます。

Getting started with security groups

#Security Group 詳細

  • 単一もしくは複数の仮想サーバーのパブリックまたはプライベートNICに対して、Security Group を割り当てることが可能
  • IBM Cloudから提供されるデフォルトの Security Group または自作の Security Group を割り当てることが可能
  • Security Group を割り当てると、明示的にルールとして許可しない限り、割当先に関するイン/アウトの通信は拒否される
    • つまり、deny all で allow rule をひとつひとつ追加してい形式
  • ステートフル。つまり、許可されたルールに関する戻りのパケットは暗黙的に許可される。
  • イン方向の通信はソースIPの範囲を制限可能。アウト方向の通信はデスティネーションIPの範囲を制限可能。
  • イン/アウト方向の通信の制限範囲として、他のSecurity Group を指定することも可能
    • 例えば踏み台のSecurity Groupからしかアクセスさせないなどが可能
  • それぞれの Security Group に対して、任意のインとアウトのルールを設定可能。それぞれのルールには IPv4 と IPv6 の指定が可能。
  • 通信プロトコルとしては、TCP、UDP、ICMP を指定してフィルタリングが可能

IBM Cloud から提供されるデフォルトルール

試しにこれらを使ってみたり、カスタマイズしたりすることから始めるのがよいでしょう。

  • allow_ssh
    • TCP22番ポートへのイン方向の通信を許可します(ソースIPは0.0.0.0/0)
  • allow_http
    • TCP80番ポートへのイン方向の通信を許可します(ソースIPは0.0.0.0/0)
  • allow_https
    • TCP443番ポートへのイン方向の通信を許可します(ソースIPは0.0.0.0/0)
  • allow_outbound
    • すべてのプロトコル/ポートへのアウト方向の通信を許可します(デスティネーションIPは0.0.0.0/0)
  • allow_all
    • すべてのプロトコル/ポートへのイン方向の通信を許可します(ソースIPは0.0.0.0/0)

##適用例

これらのルールを使うと例えば以下のようなことが可能。

  • アプリ開発者はWeb層にhttpsでのみアクセス
  • アプリ層にはWeb層からのみアクセスを許可
  • データベース層にはアプリ層からのみアクセスを許可

Kobito.9SwSy6.png

ガイドライン

Security Group を使うときは、以下の考慮すべきガイドラインがあります。

##ルール

  • ルールが存在しない Security Group は、インとアウトのすべての通信をブロックするので注意が必要
  • 少なくとも1つは通したいインとアウトのルールを定義してから適用するようにしましょう
  • ルールは、ホワイトリスト型として解釈する機能しか提供しない
  • Security Group の管理権限をもったユーザーのみが Security Group の作成、更新、および削除が可能
  • Security Group に関する変更は、その場で適用され、いつでも修正可能
  • Security Group 内のルールの順序は関係ない。 優先されるのは、常に最も制限の少ないルールになる。
    • たとえばソースIPが絞られたルールがあっても、ソースIP指定のない同様のルールがあれば、それが優先される。
    • Security Group は、OSファイアウォールに上書きされるわけではないので、OSファイアウォールでより強固な内容が設定されていれば、そちらに従う。
  • Security Group 内の仮想サーバーが IBM Cloud 内部のサービス(パッチ、ストレージ、モニタリングなど)にアクセスする必要がある場合は、その定義が必要

インターフェース

  • Security Group は、パブリック/プライベート 両方のインターフェースに対して適用可能
  • インターフェースに対して、複数の Security Group を割り当てることが可能
  • Security Group に割り当てられていない状態から、Security Group に割り当てるときに、初回のみ再起動が必要
    • パブリックもプライベートも一度に割り当てれば、再起動は1回でよい
    • 再起動後は、Security Group に関する変更は自動的に適用される
    • オーダー時に割り当てることも可能

アクセス

  • アカウント内のすべてのユーザーは、アクセス可能な仮想サーバーについてはそのセキュリティグループの読み取り、接続、および切断を行うことができる
  • Security Group の管理権限を持つユーザーのみ、Security Group の作成、更新、および削除ができます
  • Security Group をベアメタルに割り当てることはできない

消去

  • 仮想サーバーに割り当て済みの Security Group は削除できない
  • Security Group 内の1ルールの参照先として使用されている Security Group は削除できない

パフォーマンス上の制限

以下のように、いくつかのパフォーマンス上の制限があるので、要注意。

対象リソース 制限
1つのインターフェースに対する Security Group の数 5
1つのアカウントに対する Security Group の数 500
1つの Security Group に対するルールの数 50
1つの Security Group に対するリモートルールの数 5
1つの Security Group に対するインターフェースの数 100

※リモートルールとは、ルール内でソースあるいはデスティネーションとして Security Group が指定されているルールのこと

いつから使える?

8月頃からベータ版が提供されていましたが、11月にGAとなっている機能です。

How do I get access to the security groups beta for virtual servers on Bluemix? - dWAnswers

どこで使える?

2017/11/26 現在、利用可能なデータセンターは以下です。

$ slcli call-api SoftLayer_Network_SecurityGroup getSupportedDataCenters
:.........:..............:.......:..........:
:    id   :   longName   :  name : statusId :
:.........:..............:.......:..........:
:  142775 :  Houston 2   : hou02 :    2     :
:  224092 : Singapore 1  : sng01 :    2     :
:  352494 : Hong Kong 2  : hkg02 :    2     :
:  358694 :   London 2   : lon02 :    2     :
:  449604 :   Tokyo 2    : tok02 :    2     : # 東京でも使えます
:  449612 :   Sydney 1   : syd01 :    2     :
:  449610 :  Montreal 1  : mon01 :    2     :
:  449600 :   Mexico 1   : mex01 :    2     :
:  449596 : Melbourne 1  : mel01 :    2     :
:  448994 :  Toronto 1   : tor01 :    2     :
:  449500 :   Paris 1    : par01 :    2     :
:  449506 : Frankfurt 2  : fra02 :    2     :
:  814994 : Amsterdam 3  : ams03 :    2     :
:  37473  : Washington 1 : wdc01 :    2     :
:  154820 :   Dallas 6   : dal06 :    2     :
:  138124 :   Dallas 5   : dal05 :    2     :
:  815394 :   Milan 1    : mil01 :    2     :
:  983497 : Sao Paulo 1  : sao01 :    2     :
: 1004997 :  Chennai 1   : che01 :    2     :
: 1854895 :  Dallas 13   : dal13 :    2     :
: 1854795 :  Dallas 12   : dal12 :    2     :
: 1541257 :    Oslo 1    : osl01 :    2     :
: 2017603 : Washington 7 : wdc07 :    2     :
: 2013295 :   Sydney 4   : syd04 :    2     :
: 2017395 :   London 4   : lon04 :    2     :
: 2178495 :  San Jose 4  : sjc04 :    2     :
: 2017695 : Washington 6 : wdc06 :    2     :
:.........:..............:.......:..........:

#実際の管理画面
Kobito.cKDyO5.png

##ルールに設定できる内容

  • Direction
    • Inbound
    • Outbound
  • IP Type
    • IPv4
    • IPv6
  • Protocol
    • TCP
    • UDP
    • ICMP
    • All
    • All TCP
    • All UDP
    • All ICMP
  • Destination / Source Type
    • CIDR Block
    • Security Group


Kobito.Mzfh3Y.png

詳細なログはみられる?

一般的なファイアウォールの Deny / Allow に関する詳細なログは、みられません!

#ユーザー権限は?
「Manage Security Group」が追加。 この権限をもったユーザーのみが Security Group の作成、更新、および削除が可能。
ただし、他のすべてのユーザーは、アクセス可能な仮想サーバーについてはその Security Groups の読み取り、接続、および切断を行うことが可能

Kobito.CXlWXl.png

##権限ありユーザー

  • Security Group の作成、更新、および削除を含む全ての操作が可能

##権限なしユーザー

  • Security Groups の読み取り、接続、および切断を行うことのみが可能
    • Create Group や Security Group に対する Action のボタンがありませんね

Kobito.skKsm9.png

変更が適用されるのはどれくらい?

  • Security Group 自体への割り当て、解除は仮想サーバーの再起動が必要。
  • ルールの追加、更新、削除はすぐに適用される!
    • 実際にやってみたところ、数秒で適用された。
  • Security Group に割り当てられていない状態から、Security Group に割り当てるときに、初回のみ再起動が必要
    • ただし、初回のみなので、それ以降は再起動不要で、すぐに変更が反映される

Kobito.KLSpzS.png
Kobito.ReRAoz.png
Kobito.a0p4xI.png

Security Group を適用して注文する方法は?

注文直前の(ホスト名などを入力する)画面で、デプロイ時の割り当てが可能。
たとえば、以下のようにパブリック側にアウトバウンドだけ許可するルールを定めたSecurity Groupに割り当てれば、いきなりインターネットに晒される危険はなくなります!
(ただし、デフォルトで注文すると Security Group は適用されません = Security Group なしの今まで通りの構成も可能。)

image.png
Kobito.zLVhOL.png

#セカンダリIPが付いている場合はどうなる?
問題なく使える。
項目として、プライマリIP、セカンダリIPを意識するところはなし。

#同じ Security Group にいる仮想サーバー間は通信できる?
ルールで許可されていない限り、通信できません。
ここはある意味、今までのファイアウォールと違いますね。
この状態を維持すれば、同じ Security Group にいても、不正な通信が横に拡がっていくことは防げます。
通信させたい場合は、明示的に以下のようなルールを追加しましょう。
たとえば、Outbound はすべてに対して許可し、Inbound は同じ Security Group からの通信は許可する。
Kobito.AESLto.png

ARPは通る?

はい、Security Groups では、ARPはフィルタリングされません。
対象は、あくまでTCP、UDP、ICMPでみることができるIPヘッダがあるパケットに限る。
ARP通信もフィルタリングしたい場合は、VLAN単位で分ける必要がある。

使ってみた感想

非常におすすめの機能なのでどんどん使いましょう!!!!!

  • データセンターごとにファイアウォールを立てる必要がないので安いし楽
    • 仮想サーバーのみで高いセキュリティ要件がない場合は、Security Groups で十分。AWS に近づいているイメージ。
    • クラウドらしく、スケーラビリティがある。1つの物理アプライアンスにしばられる必要がない
  • 同一ポリシーで仮想的なグループをつくることができるので、上手く Security Groups を活用すれば、物理ネットワーク構成を意識することが少なく、ベーシックなルールであれば世界中のインスタンスに適用して管理できる
    • ただし、サブネット単位でルールを切る場面が出てくるのでそこは配慮が必要(Global Group と Local Group をつくるなど)
  • 初回以外は変更が即時反映されるので権限を与えるユーザーには注意が必要
    • 操作ミスで簡単にノーガードになってしまうので、OSファイアウォールによる多層防御は必須
  • 他のFirewallサービスコンポーネントとも併用が可能
    • ただし、複雑になってしまうので本当に併用するかは要検討

#【参考】APIからの操作
以下をご参照ください。

Softlayer_network_securitygroup - https://softlayer.github.io/

SoftLayer_Network_SecurityGroup | SoftLayer Development Network

#【参考】他のFirewallとの機能比較
Kobito.7m0wDr.png

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