目的
IBM Cloud における vCenter Server の選択肢 を解説します。
VMware on IBM Cloud
IBM Cloud としては、以下のような VMware 基盤の払い出しが可能です。
VCS、VCF の場合は、vCenter Server Appliance が自動払い出しの範囲に含まれているので、vCenter の選択肢はありません。
vSphere on IBM Cloud の場合は、ベアメタル+ESXi までの自動払い出しとなるので、vCenter は別途手動で用意する必要があります。
ちなみに、 IBM Cloud から ESXi を購入する場合は、vCenter Server のライセンスは無料です。
(ESXi ライセンスにバンドルされていると考えてください)
(アプライアンスと記載がありますが、ライセンス上、Windows版と区別はありませんので、Windows版にも使えます。)
vCenter Server for Windows
vSphere 4.0 から親しまれて、使われている導入方式になります。
ただし、次期 vSphere バージョンを最後にサポートを打ち切る予定だと、すでに VMware は発表しています。
そのため、今後は Appliance 版が VMware としての推奨となります。
Farewell, vCenter Server for Windows - VMware vSphere Blog
VMware plans to deprecate vCenter Server for Windows with the next numbered release (not update release) of vSphere
...
The VCSA model is simply a better model for vCenter Server deployment and lifecycle management
追記
The vSphere 6.7 release is the final release of vCenter Server for Windows. After this release, vCenter Server for Windows will not be available.
IBM Cloud で提供する vCenter Server for Windows
仮想サーバー、または物理サーバーの Windows OS アドオンとして vCenter Server for Windows を無料で導入することが可能です。
(どちらも Monthly インスタンスで、注文時に選択またはOS Relaod で導入可能です)
(仮想サーバーの場合、最低限 2 コア 4 GB メモリが必要です。)
導入直後は、以下のような状態で立ち上がりますので、vSphere Web Client にログインして、データセンターをつくったり、クラスタをつくったりするところから始めることができます。
vSphere Web Client のパスワードは、以下の画面で確認できますので、この credential を使ってログイン可能です。
vCenter Server Appliance (vCSA)
vSphere 5.0 以降で導入された方式です。
今後の VMware の開発方針として、こちらの方式を優先して機能追加がされていきます。
VMware が vCSA を推奨する理由としては、主に以下の3つの点が挙げられます。
- この統合された提供形態により、VMware として、より良い性能や機能を開発するペースを加速させることができる
- 結果として、ビルトインバックアップ&リストア、組み込みのアップデートマネージャー、ネイティブの vCenter HAなどの新機能により基盤の安定性をさらに向上させ、運用をシンプルにすることができる
- vCSA に対しては 、OS (Photon OS) 、 データベース (vPostgres) 、vCenterアプリを含む全ての層のサポートを VMware として提供することができる
IBM Cloud で提供する vCenter Server Appliance (vCSA)
以下の VMware 用内部レポジトリ、またはサポートチケットにより、vCSA のインストールファイルを入手可能です。
もちろん My VMware からダウンロードして導入することも可能です。
比較
vCenter Server Appliance の採用をおすすめします。
vCenter 方式 | Windows 版 | Appliance 版 |
---|---|---|
次期バージョンでのサポート | なし | あり |
OS ライセンス | 必要 | 不要 |
組み込みの Postgres 利用時の最大ホスト数 | 20 (v6.5) | 2000 (v6.5) |
DBライセンス | 規模により必要 | 不要 |
外部データベースのサポート | Oracle, MS SQL | なし |
新機能開発 | 遅い | 早い |
高可用性構成のバラエティ | 少ない | 多い |
ファイルベースのバックアップ & リストア | なし | あり |
Update Manager | 追加構築 | 組み込み |
vCenter HA | なし | あり |
参考資料
- vCenter Server on Windowsの今後 - VMwareな日々
- ここが変わった! VMware vSphere 6.5 Part1 - Japan Cloud Infrastructure Blog - VMware Blogs
- What's New in vSphere 6.5: vCenter Server - VMware vSphere Blog
- VMware announced Windows vCenter and vSphere Web Client EOL - Provirtualzone - Virtual Infraestructures