虎の穴ラボの古賀です。
Tailwind CSS v2.2.0 で、 Tailwind CLI が新しく導入されました。
その CLI ツールを使って、npm install ができない環境に Tailwind CSS (Just-in-Time Mode モード) を導入して、試しにダークモードの対応を行う方法をご紹介しようと思います。
既存の静的サイトなどに、爆速の Tailwind CSS を導入したいと考えている方の参考になれば、、、と思います。
環境
- macOS Big Sur
- Node.js v14.15.1
- Homebrew
利用したライブラリの紹介
Tailwind CSS とは
ユーティリティ・ファーストの低レベルな CSS ライブラリです。
Bootstrap や Vuetify、 ElementUI の様に決まった UI ではなく
オリジナルの UI を爆速で作れます。
設定ファイルを変更することで、 Tailwind CSS のほぼ全てをカスタマイズできます。
Tailwind CLI とは
Tailwind CSS v2.2.0 から新たに追加されたツールです。
Tailwind CLI のビルド機能を利用することで、
プロジェクトに Tailwind CSS をインストールして設定しなくても Tailwind CSS をビルドして利用できる様にするツールです。
そのため npm install や yarn add ができないレガシーな環境でも、ビルドして利用できます。
また、今までの postcss コマンドよりパフォーマンスが最適化された Just-in-Time Mode モードも Tailwind CLI で利用できます。
前提条件
Tailwind CSS は v2.2.0 以降が必須です。
手順
1. Node.js のインストール
最初に npx コマンドを利用するために、Node.js をインストールします。
$ brew install node
2. Tailwind CSS の設定ファイルを作る
下記のコマンドを実行して、設定ファイルを作ります。
$ npx tailwindcss init
Need to install the following packages:
tailwindcss
Ok to proceed? (y) y
Created Tailwind CSS config file: tailwind.config.js
コマンド実行後に npm グローバルに、Tailwind CSS がインストールされます。
3. Tailwind CSS の設定ファイルを修正
下記の 3 つの設定を変更しました
- Just-in-Time Mode モードを正しく動かすための purge の設定
- 今回利用する darkMode の有効化
- 既存の CSS クラスと競合を防ぐため、class 名の先頭に tw- を追加
purge には、Tailwind CSS を利用する HTML や JS などを、ワイルドカードで指定します。
module.exports = {
- purge: [],
+ purge: ["./cms/**/*.html", "./files/**/*.html"], // (1.)
- darkMode: false, // or 'media' or 'class'
+ darkMode: 'media', // or 'media' or false // (2.)
+ prefix: "tw-", // (3.)
theme: {
extend: {},
},
variants: {
extend: {},
},
plugins: [],
}
4. Tailwind CSS をカスタマイズする為の tailwind.css ファイルの作成
Tailwind CSS に追加のクラスなどを追加するための、tailwind.css ファイルを作成します。
/* @tailwind base; 今回は、ノーマライズ CSS が不要なので無効にする */
@tailwind components;
@tailwind utilities;
今回は、Tailwind CLI で生成する前のソースファイルであることがわかりやすいように、src
をファイル名に付与しました。
5. Tailwind CLI で生成した CSS を読み込む script タグを追加する
読み込む CSS ファイルは生成したことがわかりやすいように、dist
をファイル名に付与しました。
5-1. 静的 HTML の場合
通常はこちら
+
<!-- Tailwind CSS -->
+
<link
rel="stylesheet"
type="text/css"
href="/ec/files/exfiles/tailwind.dist.css"
/>
5-2. テンプレートエンジン(Thymeleaf)の場合
今回、試したシステムが Thymeleaf を使用していたため、一応、載せておきます。
+
<!--/* Tailwind CSS */-->
+
<link
rel="stylesheet"
type="text/css"
th:href="@{/files/exfiles/tailwind.dist.css}"
/>
6. HTML にダークモード用の記述を追加する
dark:
の記述を Tailwind CSS の class の先頭に追加すると、OS やブラウザのテーマが「ダークテーマ」の時に有効なスタイルになります。
-
<body>
+
<body class="dark:tw-bg-gray-800 dark:tw-text-gray-50"></body>
</body>
7. Tailwind CLI で CSS を生成する
下記のコマンドを実行して、 tailwind.dist.css を生成します。
# 開発用
npx tailwindcss -i ./tailwind.src.css -o ./files/exfiles/tailwind.dist.css --watch --jit
# 本番用
NODE_ENV=production npx tailwindcss -i ./tailwind.src.css -o ./files/exfiles/tailwind.dist.css --jit --minify
7-1. 生成コマンドの詳細について
開発用も本番用も、--jit
オプションによって Just-in-Time Mode モードが有効になり、使用されている Tailwind CSS のクラスのみ生成されます。
-
開発用のコマンドは、 tailwind.src.css や purge で指定した HTML を修正すると自動的に tailwind.dist.css が再生成される開発中向けのコマンドです。
-
本番用のコマンドは、 tailwind.dist.css を一度だけ作成し cssnano によって最小化します。
7-2. 生成にかかる時間について
時間は、HTML のファイル数は 「21,473 個」 ある時、 Mac の負荷が高い時で 「50 秒」、低い時で 「6〜7 秒」 でした。
HTML の CSS 修正のみなら、数十〜数百ミリ秒で完了します。
7-3. 生成された結果
下記の通り、最小限の CSS になっています 🎊
/* @tailwind base; */
@media (prefers-color-scheme: dark) {
.dark\:tw-bg-gray-800 {
--tw-bg-opacity: 1;
background-color: rgba(31, 41, 55, var(--tw-bg-opacity));
}
.dark\:tw-text-gray-50 {
--tw-text-opacity: 1;
color: rgba(249, 250, 251, var(--tw-text-opacity));
}
}
試しに表示してみた結果
試しに body の背景色だけなので、完全ではないですが下記のようになりました。
もし、ちゃんと対応する場合は、 他の要素にもdark:
で始まる Tailwind CSS のクラスや、 tailwind.css に記述したカスタムのクラスを指定することになると思います。
システム環境設定で、テーマを「ライト」にしたとき
システム環境設定で、テーマを「ダーク」にしたとき
まとめ
Tailwind CLI を利用して、npm install ができない環境に Tailwind CSS (Just-in-Time Mode モード) を導入して、試しにダークモードの対応を行なってみました。
このほかにも Tailwind CSS の膨大なユーティリティをそのまま使えるようになるので、ユーティリティクラスの作成や、管理で悩む必要がかなり少なくなってくるため、導入するメリットがあると思います。
また、HTML のファイル数にしては、爆速でビルドが実行されて快適に開発が可能ですし、生成される CSS も最小限です。
ぜひ、一度、お試しください 🙏
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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参考文献