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タスク管理ツール「Trello」で物品管理する3つのポイント


はじめに

日々、物品管理をするには手間がかかります。情報も共有しなければならず、煩雑な場面が多いです。Excelで管理すると、表形式で一覧を作ることができますが、写真をのせたり、日々変わる場所の情報の管理が難しい場面に遭遇します。

「Trello」はタスク管理ツールですが、これを利用すると、物品の所在確認や、棚卸し、貸出等が簡単にできるようになります。

参考までに、サンプルの物品管理ボード(https://trello.com/b/8sAbvF0f/) を公開します。

前提:物品管理する人は個人ごとにTrelloアカウントに登録していること。代表者がTorelloでボードを作成していること。

以下の3つのポイントで示します。


  1. カードを「物品」とする

  2. リストを「保管場所」or「持っている人」とする

  3. ルールを浸透させる


1. カードを「物品」とする

カードを物品(使う単位のセット)とすることで、その物品の構成がわかったり、シリアルNoで検索出来たりと物品の単位をカードで表現します。

カードタイトルは品名にします。他と被らない名称にして識別できるようにします。タイトルは物にラベルが貼ってある場合はそれを使うと物との一致がわかりやすくなります。

カードのカバーには写真が貼れるため、セットの状態を写真でとり一目で何か確認するのに役立ちます。

カードメンバーを「所有権者」とします。業務の場合は部署名、友達同士の場合はお金を払った人として誰が所有者かわかるようにすることで、最終的に戻すべき所や人をわかるようにします。

カードの例

image.png


2. リストを「保管場所」or「持っている人」とする

物の「保管場所」や「持っている人」はよく変わるものです。頻度よく更新する事項をリストにします。これにより、保管場所の移動を行ったり持っている人を変えた場合は、別のリストへ移動するだけで表現できます。

また、簡単に物品の在庫確認や、棚卸し、貸出等ができるようになります。

業務で使う場合は、物は場所に置かれている場所が重要になるためリストを「保管場所」にするとよいでしょう。

一方、有志団体や友達同士で使う場合は、物はだれが持っているかが重要になるため、リストを「持っている人」にして、その人が管理しているとするといいでしょう。

リストの例

image.png

カードをドラッグして場所を移動

image.png


3. ルールを浸透させる

ココが一番難しいです。Trelloの使い方は拘束条件や自動補正がないので、使用者が頑張ってルールを改善し維持する事が大切です。

ルールが厳しすぎると工数だけ取られて形骸化し、維持できなくなるため、できるだけ軽く、必要な事だけにすべきです。



ユースケース


UC1:物を借りたい


  1. 借りたい物のカードを検索

  2. 「持っている人」を確認する

  3. 「所有権者」を確認する

  4. 借りてもよいか問い合わせる

  5. (※重要)借りると同時にカードのリスト「保管場所」or「持っている人」を更新する


UC2:物を誰が持っているか探したい


  1. 物のカードを検索

  2. リストより「持っている人」を確認する


UC3:物を誰へ返却したらいいか知りたい


  1. 物のカードを検索

  2. カードメンバーである「所有権者」を元に返却先を検討する


UC4:自分の今手元に持っているはずの物の棚卸をしたい


  1. リストより「持っている人」が自分のカードを検索

  2. 一覧をエクスポートして一覧表にする(Chrome拡張機能のTrelloExportを利用する。https://chrome.google.com/webstore/detail/export-for-trello/nhdelomnagopgaealggpgojkhcafhnin?hl=en-US)

  3. 物を持っていれば一覧表の項目に○をつける

  4. 一覧表に○のつかなかった物に関して所在確認する

  5. 一覧表に無いものを持っていたら、物のカードを検索して、自分を「持っている人」にする。(シリアルNo等で一意に決定できなければ、「最終使用者」をもとにチーム内要確認)

image.png


UC5:自分の所有権がある物が全部返却されているか確認したい


  1. 「所有権者」が自分のカードを検索
    (@me)

  2. 「持っている人」を確認する
    自分のリストになければ、リスト名の人に返却できるかを問い合わせる


UC6:特定のシリアルナンバーの物の状況を確認したい

→シリアルナンバーを検索キーワードとして検索する。


UC7:シリアルナンバーの振られていない物品を管理したい

→物の特定が出来ないため、下記対応。

・シリアルナンバーを貼る

・シリアルナンバーの貼ってある物にくっつけて外せなくする

・数だけ管理する運用で対応する。



物品管理ルール(テンプレート)

##運用ルール

https://trello.com/c/qT0CE6vG をコピーして作成する。

###リスト
→「保管場所」とする。
リストに無い場所の場合、リストを追加するか、「その他」のリストへ入れて「保管場所」をカードへ文章で記載
リスト名は「xxx保管」とする(xxxは場所)。

→「持っている人」とする。
リストに無い人の場合、リストを追加するか、「その他」のリストへ入れて「持っている人」をカードへ文章で記載
リスト名は「xxx保持」とする(xxxは人名、敬称略)。
持っている人が管理しているので、カードの文章で記載する「場所」は持っている人の覚え書きとして利用する。

###カード
→1セットの機材(分割して使う単位)

###カードタイトル
→「品名」とする。

###カードカバー
→「写真」とする。

###カードメンバー
→「所有権者」とする。
「所有権者」がTrelloのユーザに居ない場合、その他の人として「所有権者」を文章で記載



Trelloの物品管理考察

以下に考察を示します。

2019/08/25時点でのTrelloの機能で検討します。


Trelloの機能

○=採用する

×(*)=カッコ内の理由で採用しない


リスト○

コロコロ変わる単位、見え方を整理したい単位を表現できる。

→「保管場所」とする。

リストに無い場所の場合、リストを追加するか、「その他」のリストへ入れて「保管場所」をカードへ文章で記載

リスト名は「xxx保管」とする(xxxは場所)。

→「持っている人」とする。

リストに無い人の場合、リストを追加するか、「その他の人」のリストへ入れて「持っている人」をカードへ文章で記載

リスト名は「xxx保持」とする(xxxは人名、敬称略)。

持っている人が管理しているので、カードの文章で記載する「場所」は持っている人の覚え書きとして利用する。


カード○

1つの情報の塊を表現できる。

→1セットの機材(分割して使う単位)


リストを「保管場所」とする場合のテンプレート

##ステータス

###状況
使用可能/故障中

----
##固有情報
###シリアルナンバー
不明

###メーカー
不明

###補足


リストを「持っている人」とする場合のテンプレート

##ステータス

###場所
「持っている人」宅

###状況
使用可能/故障中

----
##固有情報
###シリアルナンバー
不明

###メーカー
不明

###補足


カードタイトル○

検索キーワードとして使用できる。

→「品名」とする。


カードカバー○

添付画像を貼れる

→「写真」とする。


カードメンバー○

人の割り当てを表現できる。

→「所有権者」とする。

「所有権者」がTrelloのユーザに居ない場合、その他の人として「所有権者」として文章で記載


カードラベル×(煩雑)

固定的な単位を表現できる。検索できる。

→煩雑なため使用しない


カード期限×(煩雑)

期限、実施完了状況を表現できる。検索できる。

→煩雑なため使用しない


チェックリスト×(煩雑)

固定的な確認事項を表現できる。検索できる。

→煩雑なため使用しない


検索機能○

ユーザ名で検索(@ユーザ名)

カードラベルで検索(#カードラベル名)

カードタイトルで検索(name:カードタイトル)

カードラベルで検索(label:カードラベル)

カード説明で検索(description:説明)


アクティビティログ機能○

カードのリスト間の移動を記録できる

→リストを「持っている人」とすることで、以前の使用者、使用者が変わったタイミングの確認に活用できる。



分け方検討

○=採用する

△()=カッコ内の名称で採用する

×(
)=カッコ内の理由で採用しない


管理したい情報の種類

「変わりやすい情報(ステータス)」と「固定的な情報」がある。

「変わりやすい情報(ステータス)」は書きすぎると管理が煩雑になり、形骸化するため最小限とする

「固定的な情報」は物を特定するため1回書けばいいので、運用障壁は低い。


変わりやすい情報(ステータス)


持っている人○

現在持っている人を想定

貸し借りで変わりやすい

→リストに割り当て。


最終使用者○

機材の最終状況を確認するための知ってそうな人を想定

→リストを「持っている人」とすることで、アクティビティログで確認できる


置いてある場所△(場所)

使用中に置いた場所を想定

持っている人が管理しているため、人によってマチマチ。補足的な情報として「場所」として文章で記載


保管場所△(場所)

未使用中に置いた場所を想定

持っている人が管理しているため、人によってマチマチ。補足的な情報として「場所」として文章で記載


稼働状況△(状況)

機材を稼働しているか、停止しているかの状況を想定

補足的な情報として「状況」として文章で記載


故障状況△(状況)

機材が故障しているか+何をすれば修理できるか、故障していないかの情報。

補足的な情報として「状況」として文章で記載


使用頻度×(煩雑)

使用頻度を基に機材追加が必要かを検討する情報を想定


使用予定期間×(煩雑)

現在使用している物の使用終了予定を想定


使用予約×(煩雑)

将来の予約を想定


ライセンス期間×(煩雑)

物にライセンス期間がある場合、その起源が切れていないかを確認する情報を想定



固定的な情報


種類×(煩雑)

ジャンル分けを想定

基板、筐体、紙媒体、デジタル情報


品名○

物の名前を想定

「RPi 3B+」「SDカード32GB」「電源アダプター2A」「スイッチ基板」

→カードタイトルに記載


シリアルナンバー○

物を特定するための情報を想定


メーカー○

製造メーカーを想定


写真○

見た目を判断できる情報を想定

→添付してカードカバーにする


所有権者○

元々持っていた人、お金を払った人、権利を譲渡された人を想定

→カードメンバー機能でユーザ名を割り当てて管理


ライセンス種別×(煩雑)

ライセンスの更新が必要か、使用に制限が無いかの情報を想定


補足○

その他の記載情報を想定



最後に

「Trello」は使い方次第で幅広く使えるため、やりたいことにあった管理方法を検討することがよいと思います。

物品管理に関して記載しましたが、やさしい目でご意見いただけると幸いです。