この記事は、大阪工業大学 Advent Calendar 2022 の16日目の記事です。
こんにちは。普段はWebアプリを開発するエンジニアをしているOBです。
今年1年は3Dプリンターを買って遊んでみましたので、やってみたことを雑にまとめてみたいと思います。
3Dプリンターとは?
3Dプリンター(スリーディープリンター、英語: 3D printer)とは、3次元的なデジタル・モデルをもとにして、(現実の)物体をつくりだすことができる機械のこと。
とのことです。
よくAmazonだとレジンを使った光造形方式のものと、プラスチックを溶かして重ねていくFDM(熱溶解積層方式)のものを見かけます。
触ったプリンター
プリンターはEasyThreed X1とSCOOVO X9の2台を購入して触りました。
X1についてはちょっとした失敗をした関係で少ししか触っていないので、主にX9を触った話が中心になります。
(X1についてはファームウェアの書き換えチャレンジに失敗。制御ボードにSTM32のマイコンが使われていたのですが、まともに触ったこともないし道具もないし、そもそもこのプリンターの復旧に時間かける意味あるのかなと思ったので早々に手放しました。)
SCOOVO X9
FDM方式の3Dプリンターです。2014年くらいに登場したみたいですね。
Amazonでよく売られている3Dプリンターとは違って単体で動かすことはできず、パソコンとの接続が必須になっています。不便。
今回は某所でジャンク品のものを購入しました。冷却ファンが壊れていましたね。
ちなみに専用の保守部品はまず手に入りません。
改造
最初は40mmのファンを交換するだけで済んだものの、ABSを使おうとするとすぐに詰まったりと色々問題が出てきました。
なので、とりあえず詰まる心配がなかったPLAで部品を印刷してみたり、パーツ交換してみたりとちょっとずつ改造していきました。
(のんびり印刷したりパーツいじったりを繰り返していたので、改造におそらく6~8ヶ月くらいかかりました)
パーツ交換
材料を溶かし出すホットエンド周辺と、制御部分を変えました。
見る人が見たら思いっきり怒られそうですね...
いろいろツッコミどころ満載ですが、一応印刷できます。
変えた場所を大雑把に並べてみます。
ホットエンド部分
ホットエンドは素材を溶かし出すために必要ないくつかの部品で構成された3Dプリンターのパーツです。(間違っていたらすみません...)
ホットエンドのマウンタは3Dモデル共有サイトのThingiverseからUltimaker 2向けのものをダウンロードして出力しました。
https://www.thingiverse.com/thing:1102900
https://www.thingiverse.com/thing:2399288
(BLTouchを取り付けるパーツはリンクが分からないです..)
ヒーターなど追加のパーツはほとんどAliExpressで調達しました。
- E3D V6互換のホットエンドとVolcano化する関連パーツ
- ファン類
- Titan Extruder
- BLTouch互換の3DTouch
- スライドシャフトとそのマウンタ
- シャフトだけミスミで長さ指定で調達しました。便利
制御部分
いい感じにしました。足したり交換したものは大体次の通りです。
- Raspberry Pi 3 (Mainsail OS)
- 制御ボード
- ファームウェアはKlipperを入れています。
- モータードライバー(TMC2209)
- 動作音をそれなりに静かにするモードが使えます。
- 12864の画面付きコントローラ
- 電源
印刷
今回、木材の1x4向けに使えるドリルガイドが欲しいなと思ったので、雑にOpenSCADでモデルを作りました。
ちょうどいいところに部屋に使い道のないベアリングが転がっていたので、それを丸いところに埋め込んで使えるようにします。
印刷します。
印刷中の様子は監視カメラ化したスマホと、適当な機械に繋いだWebカメラから見ることができるようにしています。
ビルドプレート(印刷している台)が汚いのは、整髪剤のケープを撒いてるからですね。
ステータスはラズベリーパイからスマホにXWindowの画面を転送して映しています。
まさかスマホをLinuxのモニターとして使えることを3Dプリンターを触る中で知ることになるとは...
印刷して不要な部分を取り除くとこんな感じになりました。
素材はPCです。おそらく印刷の設定ミスとモデルの設計ミスで寸法がきびしい...
微妙にハマってないけど大体中心に穴あけできる感じにできたのでヨシ!
さいごに
普通のインクジェットプリンターみたいに印刷ボタンを押せば出てくるみたいな簡単さは3Dプリンターにはなくて、簡単に失敗します。
だからこそ、試行錯誤してちゃんと印刷できるように設定等を調整していくのはすごい楽しいので、ぜひ3Dプリンターをn台家に置いてみてください。
もし来年も3Dプリンターの熱が残ってたらVoron 2.4作りたい...