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【2025年最新版】◯aaS系(IaaS,PaaS,SaaS,AIaaS,SECaaS等)を整理してみた

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はじめに

「◯aaS」系のサービスは非常に多く、 聞き慣れないワードがどんどん出てきて戸惑う方も多いのではないでしょうか。
こちらの投稿↓によるとネタ系やマイナー系も含むと「910個ある」とも言われており、すべてを把握するのは不可能です。

そこで、今回は特にエンジニア視点でよく耳にしたり、重要と考える「◯aaS」を厳選して解説します!
「知っておくべき度」 として5つ星で評価したので、4つ星以上のサービスは目を通しておくと、実務で使える知識の引き出しが広がると思います。

カテゴリ説明

今回紹介する「◯aaS」は、以下の4つのカテゴリに分類しています。

  1. IaaS系
  2. PaaS系
  3. SaaS系
  4. 概念系

なぜこのカテゴリ分けで説明するのか

現在、多くのサービスがIaaS、PaaS、SaaSをさらに細かく分類して「◯aaS」と名付けられています。また、技術的な枠組みに限らず、特定のビジネスモデルや枠組みといった概念を「◯aaS」と命名されるケースがあります。
サービスや概念の特性を理解しやすくするため、このような分類にさせていただきました。

まずは基本をおさらい

まずはこのカテゴリ分けで基本となるIaaS/PaaS/SaaSを抑えましょう。
もし、以下の説明で分かりづらい方は、「IaaS PaaS SaaS 違い」というワードで検索し、図表を使って解説した記事を読んでいただくことを推奨します。
本記事はIaaS、PaaS、SaaSの説明に重点を置いたものではないので、ご了承ください。

IaaS (Infrastructure as a Service)

サーバ、ネットワーク、ストレージなどのインフラをクラウドで提供するサービスです。自由度の高いインフラ設計が可能になります。
知っておくべき度:★★★★★
具体例: AWS EC2、Azure Virtual Machines、GCP Compute Engine、さくらのクラウド

PaaS (Platform as a Service)

アプリケーション開発に必要なOSやミドルウェアをまとめてクラウドで提供するサービスです。インフラ管理が不要になり、開発効率が向上します。
知っておくべき度:★★★★★
具体例: AWS App Runner、Azure App Service、GCP App Engine、Cloud Foundry

SaaS (Software as a Service)

ソフトウェアをクラウド経由で提供し、ユーザーはインストール不要で利用できるモデルです。メールやグループウェアなど多くの業務ツールが該当します。
知っておくべき度:★★★★★
具体例: Microsoft 365、Google Workspace、Salesforce

IaaS(Infrastructure as a Service)系

NaaS (Network as a Service)

無線LAN管理やVPNなどのネットワーク機能をクラウドで提供し、拠点間接続やオンプレとクラウド間の接続などをシンプルに実装できるサービスです。ネットワーク構築や運用の手間を抑え、必要に応じて柔軟に拡張可能な点が特徴です。
知っておくべき度:★★☆☆☆
具体例: AWS Direct Connect、AWS Transit Gateway、Cisco Meraki

DaaS (Desktop as a Service)

リモートデスクトップ環境をクラウド上で提供し、どこからでも同じ作業環境にアクセスできるサービスです。VDIのクラウド版とも言え、リモートワークにも有用です。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: AWS WorkSpaces、Azure Virtual Desktop

DRaaS (Disaster Recovery as a Service)

障害や災害時に迅速にシステムを復旧するための仕組みをクラウドで提供し、BCP対策を支援するサービスです。スタンバイ環境やバックアップをクラウドに集約管理できます。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: AWS Disaster Recovery、Azure Site Recovery、GCP Disaster Recovery、Zerto

PaaS (Platform as a Service)系

STaaS (Storage as a Service)

大容量ストレージをオンデマンドで利用できるサービスです。バックアップやアーカイブ、および大規模データ処理に適しています。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: AWS S3、Azure Blob Storage、GCP Storage

DBaaS (Database as a Service)

データベースをフルマネージドで提供するサービスです。パッチ適用やバックアップ作業などの運用負荷をサービス事業者側で担うため、効率的にデータベースを利用できます。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: AWS RDS、Azure Database系、GCP Cloud SQL、MongoDB Atlas

KaaS (Kubernetes as a Service)

コンテナをクラウド上で運用しやすくするサービスです。Kubernetesクラスタをマネージドで提供します。クラスタのセットアップやバージョン管理、スケーリング等を自動化し、コンテナオーケストレーションを容易にします。コンテナ環境を大規模運用したい場合に特に有効です。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: AWS EKS、Azure AKS、GCP GKE

CaaS (Container as a Service)

コンテナをクラウド上で運用しやすくするサービスです。一つ前KaaSがKubernetesに限定しているのに対し、CaaSは必ずしもDockerやほかのオーケストレーション方式でのコンテナ環境も含まれます。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: AWS ECS、Container Instances

FaaS (Function as a Service)

イベント駆動でコードを実行できるサーバレスアーキテクチャです。インフラ管理の煩雑さがなく、小規模APIやバッチ処理などを短期間で実装できます。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: AWS Lambda、Azure Functions、GCP Functions

BaaS (Backend as a Service)

アプリ開発において、認証、データベース接続、プッシュ通知といったバックエンド機能をパッケージ化し、そのまま使える状態で提供するサービスです。小〜中規模アプリ開発で、フロント側に集中したい場合によく使われます。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: AWS Amplify、GCP Firebase

MLaaS (Machine Learning as a Service)

機械学習のリソースをクラウド側で完結できるサービスで、データ前処理から学習、推論APIの提供までを総合的にサポートしてくれます。AIaaSよりも「自前のモデル構築やデータパイプラインの整備」に焦点を当てるケースが多く、手元にあるデータをもとに独自モデルを作りたい場合に適しています。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: AWS SageMaker、Azure Machine Learning、GCP Vertex AI

SaaS (Software as a Service)系

APIaaS (API as a Service)

認証や決済などの特定機能をAPI形式で利用できるサービスです。既存システムとの連携が容易になるため、新規アプリ開発を素早く行えます。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: APIを有したアプリケーション全般

IDaaS (Identity as a Service)

クラウドで認証やアクセス管理を一元化するサービスです。シングルサインオンや多要素認証などを簡単に導入できます。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: Microsoft Entra ID、Okta、OneLogin

SECaaS (Security as a Service)

セキュリティ対策をクラウドで包括的に提供する形態です。侵入検知や脆弱性診断、ウイルス対策、アクセス管理などをアウトソースし、リアルタイムの監視や高度な分析を行う場合にも使われます。自社でセキュリティ要員を大幅に確保するのが難しいときでも利用しやすい仕組みです。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: AWS GuardDuty、Azure Defender for Cloud、各種クラウド型WAF・SIEMソリューションなど

MaaS (Monitoring as a Service)

システムのリソースやアプリケーションの状態を監視し、異常を検知・通知するサービスです。リアルタイムのアラートで素早いトラブルシュートを可能にします。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: Datadog、AWS CloudWatch、Azure Monitor、GCP Cloud Monitoring

LaaS (Logging as a Service)

アプリやシステムの大量ログを収集・保管・検索・可視化するサービスです。分析やセキュリティ監査にも役立ちます。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: AWS CloudWatch Logs、Azure Log Analytics、GCP Cloud Logging、Splunk Cloud

AIaaS (Artificial Intelligence as a Service)

包括的なAI機能をクラウドで手軽に利用できるサービスです。特徴としては画像解析、音声認識、自然言語処理など、すでに学習済みのAIをそのまま呼び出して活用できる場合が多い、という点が挙げられます。機械学習エンジニアなしでも簡単にAIを取り入れられるのがメリットです。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: Azure AI、IBM Watson

概念系

MaaS (Mobility as a Service)

タクシーやバスなどの公共交通機関を含め、移動手段をシームレスに検索・予約できるサービスです。目的地に最適な移動手段を組み合わせて提供する取り組みが広がっています。
知っておくべき度:★★★★★
具体例: 海外のUber(UberEatsではない)、JapanTaxi、Go

ITaaS (IT as a Service)

インフラやシステム環境構築から、アプリケーション管理、ユーザーサポート等のIT領域を包括的に外部サービスとして丸ごと提供・受託するサービス形態です。
自社はコア業務に専念しつつ、IT分野の高度なスキルを外部リソースとして活用できます。
知っておくべき度:★★☆☆☆
具体例: SIerなどによる個別提供のため、特定サービスはなし

MaaS (Mining as a Service)

暗号資産マイニングをクラウドで行うサービスです。専用マシンや電力コストを負担したくない個人や企業が利用するケースがあります。
知っておくべき度:★★☆☆☆
具体例: Genesis Mining、NiceHash

IoTaaS (IoT as a Service)

IoTデバイス管理やデータ収集・分析などをクラウドで一括提供するサービスです。製造業や農業など大量のセンサーを扱う現場で活用されます。
知っておくべき度:★★☆☆☆
具体例: Azure IoT Edge + Azure IoT Central + Azure IoT Hub など組み合わせて実現

DDoSaaS (DDoS as a Service)

違法ですが、闇市場で提供されているDDoS攻撃代行サービスを指す言葉です。セキュリティ界隈では知っておくとよい言葉でしょう。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: 違法のため割愛

RaaS (Ransomware as a Service)

こちらも闇市場で提供されるランサムウェア攻撃代行サービスを意味します。セキュリティ界隈では知っておくとよい言葉でしょう。
知っておくべき度:★★★☆☆
具体例: 違法のため割愛

XaaS (X as a Service), EaaS (Everything as a Service)

ありとあらゆるモノやサービスをインターネット経由で利用可能にする概念です。本記事で紹介した「◯aaS」すべてを包括する上位概念とも言えます。
知っておくべき度:★★★★☆
具体例: 概念的な用語のため特定のサービスはなし

まとめ

今回は「◯aaS」をまとめて紹介させていただきました。
こうしたサービスモデルの知識を持つことで、現場の課題に対して適切なソリューションを提案する力が身につきます。特に、クラウド技術がDX推進の中心となる今、これらを活用できる人材はDXをリードする存在として求められることでしょう。
今回の記事をきっかけに、自身 のスキルアップやDX推進のヒントとして役立てていただければ幸いです。

また、「YaaS」など空席もあるので、ぜひ新しいサービスを生み出して名乗りを上げてみてください!

あとがき

軽い気持ちでまとめ記事書いてみようと思ったら、想像以上に「◯aaS」の種類が多く、調査と整理にかなり苦労しました。。。
また、自分が知っているサービスは全体の半分ほどで、新しい知識を得る良い機会にもなりました。こうした学びを通じて、現場での課題解決や提案力を高めることができればと思います!

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