本記事は、Qiita ServiceNow アドベントカレンダーの参加記事11日目です。
ServiceNowのカレンダー | Advent Calendar 2023 - Qiita
はじめに
kero4と申します。
IT技術者歴は20年以上、ServiceNow歴はMadridから使用し始めて、現在5年目になります。
ServiceNowの案件では「既存の紙/Excel申請をカタログアイテムにして、ServiceNowのポータルサイトから申請できるようにしたい」と言う話はよく聞きますが、なぜか炎上しがちです。
今回は過去に私が経験したカタログプロジェクトの失敗談を面白可笑しくお伝えしたいと思います。
そもそも、サービスカタログとはなんぞや
生成AIチャット様に、「ITILのサービスカタログについて、わかりやすく教えて」と聞いたら以下のように回答してくださいました。
サービスカタログとは、IT部門が提供しているITサービスの一覧です。ITサービスとは、コンピューターやインターネットなどのの機器やシステムを使って、仕事や学校などで必要なことをするためのものです。例えば、メールやチャット、写真や動画の保存、ゲームや音楽の聴き放題などがITサービスにあたります。
- サービスカタログには、以下のような情報が書かれています。
- サービスの名前:ITサービスをを簡単に呼べるようにした名前です。例えば、「メール」や「チャット」、「写真」などです。
- サービスの内容:ITサービスが何をするかを説明した文章です。例えば、「メールは、電話や手紙で連絡するための便利なな機能です。メールを使うと、自分から相手にメッセージを送ったり、相手から自分にメッセージが届いたりできます。」
- サービスの利用条件:ITサービスを使うときに必要なことや注意すべきことを書いた文章です。例えば、「メールは無料で使えますが、一定時間ごとに送受信できる回数に制限があります。また、迷惑メールやウイルスメールに注意してください。」
- サービスの提供者:ITサービスを提供している会社や団体の名前です。例えば、「Microsoft」や「Google」、「Yahoo! Japan」などです。
- サービスの利用方法:ITサービスを使うときに必要な手順や操作方法を書いた文章です。例えば、「メールを開くには、ブラウザからGMailにアクセスしてください。次に、「新規作成」ボタンをクリックし、「送信先」と「件名」と「本文」を入力してください。最後に、「送信」ボタンをクリックすれば完了です。」
あれ?申請の「し」の文字も無いですね。
と言うか、この説明だとナレッジっぽい。
実はServiceNowのサービスカタログは、カタログで定義されたサービスを要求するものです。
だから申請されたチケットはRITM(リクエストアイテム)になります。
ITILのサービスカタログ管理で大事な点としては、以下になります。
提供中のITサービスに関する正確な情報を含むサービスカタログを利害関係者と合意して作成し、それを継続的に維持すること です。サービスカタログ管理を行うことで、サービス消費者は自分に合ったサービスを選択し、利用することができます。
大事なことなのでもう一度言います。
利害関係者と合意して作成し、それを継続的に維持すること です。
決して相手の言うこと全てをそのまま実装したり、作った後はメンテせず作りっぱなしの状態ではいけません。
前置きが長くなりましたが、それを踏まえてアンチパターンを紹介します。
新規登録、変更、削除を一つのカタログアイテムで行う
作成時は良いかもしれませんが、UIポリシーやワークフローの分岐などのテストが複雑となり、改修時の保守性は落ちます。
共通の入力項目はVariuable Setを使用し、なるべく、1つの申請が1つのアイテムとなるように調整しましょう。
複雑なワークフローのまま実装する
引き戻しはキャンセルして再申請、差し戻しも再申請。
これの何が不満でしょうか?
ServiceNowポータルのOOTB画面では一度入力したリクエストアイテムの再編集画面はありませんし、そもそも、差し戻しが起こるような、入力フォームが問題なので見直すべきです。
それでも不満と言うなら、表示中のリクエストアイテムをコピーして再申請するウィジェットをカスタマイズで作成することを推奨します。
決してワークフローで対応してはいけません。
フォームの入力内容に応じて動的に自動計算(小数点あり)
JavaScriptは少数計算が苦手なので、このような要件は見直すべきです。
それでもと言うのでしたら、丸目誤差対策を忘れずに行いましょう。
Customer Service Management (CSM)で使う
CSMではExternal Userとのやり取りはCase上で行うことが原則です。
External UserがCatalog Itemの内容を見るためにはCaseのCommentへの転記などカスタマイズが必要になります。
一筋縄ではいかないため、お勧めできません。
新規の案件で外部顧客からの申請を受け付けしたいという要件だけでしたら、そもそも選定する製品が・・・おや、誰か来たようだ。
!
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ
∪∪
最後に
往年の鉄●さんスタイルでオチを持ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
過去、「ServiceNowはワークフローシステム=申請システム」と勘違いされて、(特にCSM案件で)酷い目にあってきました。
私の経験を踏み台にして、皆様にはより良いServiceNowライフをお過ごしいただきたいものです。