はじめに
自己紹介
私は高校で教員をしています。
2022年度は高校現場を離れて、大学でICT教育の研究をしています。研究課題の一つとして「プログラミング教育」を設定しているので、まずは、プロのエンジニアではない自分が自身の力だけでiPadのみを用いてアプリの開発というものがどこまでできるのか試してみることにしました。
ちなみに、私はプログラミングが全くの未経験というわけではありません。教員として働く以前はソフト会社で組み込みエンジニアをしていた経験があるので、C言語だけはすこし分かります。とは言っても、もう10年以上はプログラムのコーディングなどはしていませんし、GUIを伴うアプリケーションの開発はしたことがありませんので、その分野については正真正銘の初心者です。
経緯
私が勤務している高校では、2022年度から入学してくる1年生が1人1台iPadを持っています。iPadだけでアプリの開発、配信までできるのであれば、その実践を授業に取り入れることができると考え、今回の取り組みを決めました。
そして、同じようなことを考えている方の参考になればと思い、備忘録も兼ねてこの記事を書くことにしました。
というか、実は4月の後半からこの取り組みは始めているのですが、分からないことが出てくると、その都度ネットで検索して解決して少しずつ前に進めています。その時に、よくお世話になっているのが、この「Qiita」です。
まだまだ、これからたくさんお世話になると思いますが、私もこれから記事を書くことで恩返しすると同時に、もっと助けてもらおうという希望を持っています。
ということで、プロのエンジニアの皆様、私が独学で進めていく過程をこれから記事に残していきますので、「それをするなら、まずはこのドキュメントを読んだ方がいいよ。」など、具体的なアドバイスがありましたらどしどしコメントを下さると大変嬉しく思います。
swiftとは?
Appleが2014年に作った比較的新しいプログラミング言語のことです。
それまで、AppleではObjective-Cというプログラミング言語を使ってアプリの開発をしていました。しかし、Objective-Cは複雑で習得が難しい言語だった為、iOSやMac OSのアプリ開発者を増やすためにシンプルで、初心者の人にも学習しやすいSwiftが作られました。
基本的にはSwiftを用いてアプリの開発を行う場合、Mac AppのXcodeというアプリを使います。
しかし、今回はMacを使わず、高校生が持っているiPadだけで押し切ろうという試みです。
開発の環境を整える
まずは、Swift PlaygroundsをiPadにインストールします。
前述の通り、XcodeはMac AppなのでもちろんiPadでは動作しません。
Swift Playgroundsとは?
Swift Playgroundsは楽しみながらプログラミングを学び、本物のAppを作ることまでできるとAppleがうたっているiPadでも動作するApple純正のアプリで、もちろん無料です。
今回の私の目的には打って付けのアプリです。というか、このアプリを最近知ったのでこの取り組みを始めたんです。
Swift Playgroundsは2016年に登場以来、着実に進化を続けてきており、2021年12月にバージョンアップしたSwift Playgrounds 4において、はじめてオリジナルのアプリを作成する実践的な機能を追加しました。
これは大きなニュースだったようで、これに関する記事は調べればたくさん出てきて、プログラミングに精通したエンジニアの方が使ってみた感想などは数多く聞くことができます。
しかしながら、実際に本当の素人がこのアプリを使ってプログラミングの学習を始める所から、具体的にアプリの開発、配信までを行う記事は見当たらなかったので、私がその先駆者になろうというわけです。
ちなみに、ハード面の環境は以下の通りです。
- 12.9インチiPad Pro
- Magic Mouse 2
- Magic keyboard JIS A1644
事前に調べたところ、やはりキーボードは必須ということで購入しました。実際、物理的なキーボードなしで、プログラムのコーディングを継続的に行う事は不可能だと感じました。12.9インチのiPadを使用しているので画面が大きいにも関わらず、ソフトウェアキーボードの圧迫感は我慢できません。
また、マウスの使用も「できれば」ではなく必須であると感じます。コーディング中に繊細な画面のタッチ操作が必要になることは大きなストレスとなり、著しく生産性を落とす要因となります。
つまり、iPadであってもコーディング作業はパソコンスタイルでなければ取り組み続けることはできないということが分かりました。
プログラミングが義務教育化していく流れの中で、間違いなく学ぶ人口は増えていきます。その一方で、プログラミングを嫌いになる子どもが出てくることが弊害とならないかが疑問視されています。
まずは、プログラミングを通して子どもたちに楽しい体験をしてもらうために、環境の構築はとても大切だということです。
プログラミング教育の本質とは違うところで、プログラミングを嫌いにさせてしまっては元も子もありませんから。
長くなってきたので、今回はここまで。次回から具体的な取り組みを進めていきます。