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なぜSSDはHDDより速いのか

Last updated at Posted at 2023-05-12

HDDとは何か

磁気ディスクを使用してデータを保存する一般的な種類のストレージデバイスです。
HDDの主な特徴は以下のとおりです。

大容量
  現在、HDDは非常に大容量のデータを保存するための手頃な選択肢となっています。
  数TB(テラバイト)から数十TBの容量を持つHDDが一般的に市販されています。

書き込み耐久性
  HDDはSSD(Solid State Drive)に比べてデータの書き込み耐久性が高いです。
  つまり、データの書き込みと消去を何百万回も繰り返すことができます。

コスト効率
  一般的に、HDDは同じ容量のSSDに比べて価格が安いです。

しかし、HDDの欠点として以下の点があります:

速度
  SSDに比べてデータの読み書き速度が遅いです。
  これは、HDDが物理的なディスクの回転と読み書きヘッドの移動に依存しているためです。

耐久性
  機械的な部品を持つため、物理的な衝撃に対して弱いです。

騒音
  ディスクの回転や読み書きヘッドの動きにより、動作音が出ます。

消費電力
  SSDに比べて消費電力が高いです。

SSDとは何か

データを保存するためのストレージデバイスの一種で、フラッシュメモリと呼ばれる種類の電子チップを使用してデータを記録します。

SSDの主な特徴は以下のとおりです:

高速
  SSDはHDD(Hard Disk Drive)よりもデータの読み書き速度が速いです。
  これは、SSDが物理的な動き(ディスクの回転や読み書きヘッドの移動)を必要とせず、
  電子的な操作でデータの読み書きを行うためです。

耐久性
  SSDは、HDDのように機械的な部品を持たないため、物理的な衝撃に対して強く、故障しにくいです。

サイレント
  SSDは動作音がほとんどなく、静かな環境での使用に適しています。

低消費電力
SSDはHDDよりも一般的に消費電力が低く、バッテリー駆動のデバイス(ノートパソコンなど)での
使用時間を延ばすことができます。

ただし、SSDの欠点として、HDDに比べてデータの書き込み回数が限られている(書き込み耐久性が低い)という点や、同じ容量のストレージに対して価格が高いという点があります。そのため、大量のデータを保存する必要がある場合やコストを抑えたい場合は、HDDが選ばれることもあります。

SSDとHDDの間にデータ表示速度の違いがある理由

技術の違い
  SSDはソリッドステートドライブで、フラッシュメモリを使用してデータを保存します。
  一方、HDDはハードディスクドライブで、磁気ディスクを回転させてデータを読み書きします。
  この基本的な技術の違いが、データアクセス速度の違いにつながります。

読み書き速度
  SSDはフラッシュメモリを使用するため、データの読み書き速度が非常に高速です。
  一方、HDDはディスクの回転速度に依存するため、アクセス速度が遅くなります。

ランダムアクセス性能
  SSDは電子的にデータにアクセスするため、ランダムアクセス性能が非常に高いです。
  HDDは物理的にディスクを回転させなければならないため、ランダムアクセス性能が低くなります。

消費電力
  SSDはHDDよりも消費電力が低いため、PCやデバイスの電力供給を効率的に使用できます。
  これにより、全体的なパフォーマンスが向上します。

耐久性
  SSDは動作部品がなく、衝撃に強いため、長寿命で信頼性が高いです。
  HDDは動作部品があり、衝撃や振動に弱いため、故障しやすくなります。
  これがデータ表示速度に間接的な影響を与えることがあります。

これらの理由から、SSDはHDDよりもデータの表示速度が速くなります。
それゆえ、高速なアクセスが求められる状況やアプリケーションでは、SSDが好まれる傾向があります。

SSDとHDDではどの程度速度が違うのか

SSDとHDDの速度の違いは一概に言えないため、一般的な目安を提供します。ただし、実際の速度はデバイスの種類や構成、使用状況によって異なることに注意してください。

▫️読み書き速度:
SSD
  一般的なSATA SSDでは、シーケンシャル読み込み速度は約500MB/sから600MB/s、シーケンシャル書き込み速度は約300MB/sから500MB/sです。
  さらに高速なNVMe SSDでは、読み込み速度が2,000MB/s以上、書き込み速度が1,000MB/s以上に達することもあります。
HDD
  一般的なHDDでは、シーケンシャル読み込み速度と書き込み速度は約100MB/sから200MB/sです。
  これはSSDと比較してかなり遅いです。

▫️ランダムアクセス性能
SSD
  IOPS(Input/Output Operations Per Second)という指標で
  測定されるランダムアクセス性能は、一般的なSSDでは数万から数十万IOPSです。

HDD
  一般的なHDDでは、ランダムアクセス性能は数百から数千IOPS程度です。
  これはSSDと比較して大幅に低いです。
  これらの目安から、SSDはHDDよりも読み書き速度およびランダムアクセス性能が
  はるかに高いことが分かります。
  ただし、実際の速度は使用状況やデバイスの種類、構成によって変わるため、
  これらの数値はあくまで目安として参照してください。

用語について

シーケンシャル読み込み速度:
シーケンシャル読み込み速度は、ストレージデバイスが連続したデータブロックを読み込む速度を示す指標です。これは、大きなファイルを一括して読み込む場合や、連続的なデータストリームを処理する際に重要な性能指標となります。シーケンシャル読み込み速度は、通常、メガバイト毎秒(MB/s)という単位で表されます。

ランダムアクセス性能:
ランダムアクセス性能は、ストレージデバイスがデータの任意の場所にアクセスして読み書きする速度を示す指標です。これは、多くの小さなファイルを読み書きする場合や、データが断片化されている場合など、非連続的なデータアクセスが必要とされる状況で重要となります。ランダムアクセス性能は、IOPS(Input/Output Operations Per Second)という単位で測定され、1秒あたりに実行できる読み書き操作の回数を表します。

ストレージデバイスが連続したデータブロック:
ストレージデバイスは、データを小さな単位(ブロック)に分割して保存します。連続したデータブロックとは、物理的または論理的に隣接しているデータブロックのことを指します。これらの連続したデータブロックを一度に読み込むことで、データの読み取り速度が向上することがあります。シーケンシャル読み込み速度は、このような連続したデータブロックをどれだけ速く読み込むことができるかを示す指標です。

連続的なデータストリームを処理する:
連続的なデータストリームとは、一定の間隔でデータが送られてくる連続的なデータの流れのことを指します。例えば、動画の再生やオンラインゲームなど、リアルタイムでデータが伝送されるアプリケーションがこれに該当します。連続的なデータストリームを処理するとは、このようなデータの流れを効率的に読み取り、適切な速度で処理することを意味します。ストレージデバイスのシーケンシャル読み込み速度が高いほど、連続的なデータストリームの処理がスムーズになります。

物理的に隣接しているデータブロック:
物理的に隣接しているデータブロックとは、ストレージデバイス上で実際に物理的に隣り合っているデータの区画のことを指します。例えば、HDDではディスク上で連続したセクタにデータが保存されている場合、それらは物理的に隣接していると言えます。物理的な隣接性は、データの読み取り速度に影響を与えることがあります。

論理的に隣接しているデータブロック:
論理的に隣接しているデータブロックとは、ストレージデバイス上で連続したアドレス領域にデータが存在することを指します。物理的には離れているデータブロックでも、論理的には隣接している場合があります。ファイルシステムやストレージデバイスの管理方法によって、論理的な連続性が物理的な連続性と一致しないことがあります。例えば、SSDではフラッシュメモリ上で物理的な位置がバラバラであっても、論理的に隣接したアドレス領域にデータが存在することがあります。論理的な隣接性は、データの読み取り速度に影響を与えることがあります。

UI上で1つのデータのデータブロックが複数に分割されている場合、物理的に近接していることと論理的に近接していることのどちらが重要かは、ストレージデバイスの種類と使用状況によって異なります。
HDDの場合、物理的に近接していることがより重要です。HDDではデータの読み書きが磁気ディスクの回転と読み書きヘッドの移動に依存しているため、物理的に近接しているデータブロックほどアクセス速度が速くなります。論理的に近接していても物理的に離れているデータブロックは、アクセス時間が長くなることがあります。
SSDの場合、論理的に近接していることがより重要です。SSDではデータの読み書きが電子的に行われるため、物理的な近接性はアクセス速度にそれほど影響しません。論理的に近接しているデータブロックは、データの読み取り速度が向上することがあります。
ただし、現代のファイルシステムやストレージデバイスの管理アルゴリズムは、物理的および論理的な近接性を最適化するように設計されていることが一般的です。そのため、通常の使用状況では、どちらの近接性が重要かを気にする必要はあまりありません。パフォーマンスを最大限に引き出したい特定の状況やアプリケーションでは、適切なストレージデバイスやファイルシステムを選択することが重要です。

アドレス領域とは、ストレージデバイス上のデータを参照・管理するために割り当てられた一連のアドレス(番地)の範囲を指します。これは、現実世界で住所を使って家や建物を特定するのに似ています。
ストレージデバイスでは、各データブロックに一意のアドレスが割り当てられており、コンピュータシステムはこのアドレスを使ってデータへのアクセス(読み書き)を行います。連続したアドレス領域とは、複数のデータブロックが連番でアドレスが割り当てられている状態を指します。つまり、一つのデータブロックのアドレスが終わったところから、次のデータブロックのアドレスが始まります。
アドレス領域が連続している場合、データの読み書きが効率的に行われることがあります。特にHDDでは、論理的に連続したアドレス領域のデータは物理的にも近接している可能性が高いため、読み書きヘッドの移動を最小限に抑えることができます。SSDの場合、物理的な配置はそれほど重要ではありませんが、連続したアドレス領域にあるデータは効率的にアクセスできることがあります。

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