共有インフラストラクチャ上のAutonomous Database (ADB-S)でバックアップベースのディザスタ・リカバリ機能が有効になったので試してみた。
はじめに
Autonomous Database ディザスタ・リカバリのオプションとして、これまでのAutonomous Data Guardに加えて、バックアップベースのディザスタ・リカバリが可能になりました。
バックアップベースのディザスタ・リカバリは、Autonomous Data Guardと比べ、RTOは劣るものの低コストながらDR構成が可能になります。
環境構築
バックアップベースのディザスタ・リカバリのクロスリージョン・ピアの構築します。
Autonomous Databaseの詳細ページからリソースのディザスタ・リカバリから「ピア・データベースの追加」をクリック
ディザスタ・リカバリ・タイプで「バックアップベース・ディザスタ・リカバリ」を選択
「ピア・データベースの追加」をクリック
10分程度で構築することができました。(ローカルリージョンのバックアップ・コピーは自動で作成されています)
クロスリージョン・バックアップベースのディザスタ・リカバリ・ピアにスイッチオーバー
リモートリージョン Autonomous DatabaseインスタンスのAutonomous Database 詳細ページから下のディザスタ・リカバリの「スイッチオーバー」を選択
「ピアへのスイッチオーバーの確認」でピア・データベース名を入力し、「ピアへのスイッチオーバーの確認」をクリック
クロスリージョン (リモート) ピアを無効化
プライマリデータベースのAutonomous Database 詳細ページのリソースエリアで、[ディザスタ・リカバリ]をクリック
リモートピアのリンクをクリックしてクロスリージョンピアにアクセス
リモートピアは、表示名には「_Remote」拡張子
リモートピアのAutonomous Database詳細ページで、「その他のアクション」ドロップダウン・リストから「終了」をクリック
Autonomous Databaseの終了ページで、データベース名を入力して、クロスリージョンピアを終了することを確認し、[Autonomous Databaseの終了]をクリック
ピアが終了している間、Lifecycle State はTerminatingに変化
リモートのディザスタ・リカバリ・ピアが存在している場合、プライマリインスタンスを終了できません。
バックアップベースのディザスタ・リカバリの補足
Autonomous Data Guard と比較して、目標復旧時間 (RTO) は長くなりますが、低コストでディザスタ・リカバリ構成を構築することが可能になります。
システムがフェイルオーバーした後、またはスイッチオーバー操作を実行した後、プライマリになると、プライマリデータベースのすべてのAutonomous Database機能が使用可能になります。
バックアップベースのディザスタ・リカバリは、 Always Free Autonomous Databaseでは使用できます。
ディザスタ・リカバリ・タイプの更新
ディザスタ・リカバリ・タイプをバックアップベース・ディザスタ・リカバリからAutonomous Data Guardに変更ができます。(逆も可能)
Autonomous Database 詳細ページのリソースエリアで、 [ディザスタ・リカバリ]をクリック
データベースのディザスタ・リカバリの詳細を示す行で、その他のアクション行の最後をクリックし、[DR タイプの更新]を選択
[ディザスタ・リカバリ・タイプの更新] ページで、[Autonomous Data Guard]を選択
[送信]をクリック
これにより、Autonomous Data Guard standby データベースのプロビジョニングが開始され、「DRタイプ」列に示されているように、ディザスタ・リカバリ・タイプがAutonomous Data Guardに変更されます。
バックアップベースのDRのRecovery Time Objective (RTO)とRecovery Point Objective (RPO)
バックアップベースのディザスタ リカバリ設定 | RTO | RPO |
---|---|---|
ローカル・バックアップコピー | 1 時間 + 5 TB あたり 1 時間 | 1分 |
クロスリージョン (リモート)・バックアップコピー | 1 時間 + 5 TB あたり 1 時間 | 1分 |
バックアップベース・ディザスタ・リカバリの課金
Autonomous Databaseインスタンスのローカルピアを使用したバックアップベース・ディザスタ・リカバリがデフォルトで有効
ローカルのバックアップベースのディザスタ・リカバリ・ピアは、追加コストは発生しません。
OCPU 課金のインスタンスの場合、レプリケートされたクロスリージョン・バックアップに必要なバックアップストレージの量の 2 倍で、 TB 単位に切り上げ分のストレージ課金が発生します。
おわりに
Autonomous Databaseでバックアップベースのディザスタ・リカバリを有効にしリモートリージョンに簡単にスイッチオーバーできる環境を構築できました。