はじめに
OCIのロードバランサ(Flexible Load Balancer)では、受信リクエストをバックエンド・セットにルーティングする方法として、仮想ホスト名、ルーティング・ポリシー、ルール・セットなどがありますが、仮想ホスト名ベースのルーティングを実施してみました。
ロードバランサ用に作成するリスナー(IPアドレス+プロトコル+ポート)に仮想ホスト名を割り当て、DNSシステムで作成したレコードと組み合せて使用します。リスナーに関連付けられたホスト名は、そのリスナーのバックエンド・セットに対応します。これらのバックエンド・セットは、異なるアプリケーションをホストする特定のバックエンドにトラフィックをルーティングします。
仮想ホスト名ベースのルーティングのメリット
- 1つのIPアドレスで異なるホスト名を利用できる
- 1つのロードバランサで異なるホスト名のアプリケーションをサポート
- 1つのロードバランサを複数のアプリケーションで利用することで、帯域幅総需要の管理の最適化
- 管理の簡素化
前提条件
- VCNの作成
- ロードバランサ(Flexible Load Balancer)の作成
- HTTPリスナーが稼働しているOCI Compute 2台
作業ステップ
- バックエンド・セットの追加作成
- ホスト名の追加
- リスナーの作成
バックエンド・セットの追加作成
OCI Webコンソールナビゲーション メニューでロードバランサの詳細を開きます。
リソースの「バックエンド・セット」を選択し、「バックエンド・セットの作成」をクリック
「名前」を入力し、トラフィック分散ポリシー・セッション永続性を選択、ヘルス・チェックのURLパス(URI)を入力(例では 「/」)し「バックエンド・セットの作成」をクリック
作業リクエストで「CreateBackendSet」が成功したことを確認
バックエンドの追加
作成したバックエンド・セットの詳細画面でリソースの「バックエンド」を選択し、「バックエンドの追加」をクリック
コンピュート・インスタンスからHTTPリスナーが稼働しているComputeインスタンスを選択し「追加」をクリック
ホスト名の追加
OCI Webコンソールナビゲーション メニューでロードバランサの詳細を開きます。
リソースの「ホスト名」を選択し、「ホスト名の作成」をクリック
名前:「仮想ホスト1」
ホスト名:アクセスに使用するホスト名を入力
し、「作成」をクリック
名前:「仮想ホスト2」
ホスト名:アクセスに使用するホスト名を入力
し、「作成」をクリック
リスナーの作成
OCI Webコンソールナビゲーション メニューでロードバランサの詳細を開きます。
リソースの「リスナー」を選択し、「リスナーの作成」をクリック
名前:「listener01」
プロトコル、ポートを選択
ホスト名:「仮想ホスト1」
バックエンド・セット:「BS01」
を選択し、「リスナーの作成」をクリック
名前:「listener02」
プロトコル、ポートを選択
ホスト名:「仮想ホスト2」
バックエンド・セット:「BS02」
を選択し、「リスナーの作成」をクリック
アクセスの確認
作成したホスト名でロードバランサのIPアドレスが返るようにDNSを構成します。
指定したホスト名にアクセスし、ホスト名ごとに別のページができることを確認します。
おわりに
仮想ホスト名を使うことで1つのロードバランサを複数のアプリケーションで共用することが簡単にできました。