絶望的な状況をTypeScriptとTypeORMが助けてくれた話

経緯

2年ぶりにWindows機を引っ張り出してきたのだが、不覚にもログインパスワードを忘れてしまっている。ありうるパターンを30ぐらい試してみたが一向にログインできる気配がない。途方にくれていたところ、大昔に自分のPCのパスワードをLINEを使って友人に送っていたことを思い出した。しめた、と思いLINEを開いてみたところ、件の送信記録は見つからない。これは、iPhoneを5から7に変更するときにとっておいたLine.sqliteのバックアップに残っているハズだ！

ということでLine.sqliteからLINEのメッセージログをサルベージする運びとなった。

生でSQLを書くよりかは、コードにした方が柔軟性があるだろうと思い、最近ご無沙汰になっているTypeScriptでサルベージスクリプトを書くことにした。

利用ライブラリ

TypeORMというORマッパーを利用してsqliteを掘る。型があって便利。

（意訳） 他のしょぼいライブラリと違ってActive RecordパターンとData Mapperパターンを両方利用可能。だから、しゅごいクオリティの高い、疎結合で、スケールしまくる、メンテも余裕でできちゃう、アプリケーションが書けてやばたにえん。

データ構造

今回、全てのデータにアクセスする必要はないので、必要なところのみをエンティティに記述する。こんな感じ。ZMESSAGEとかが実際のテーブル名 / カラム名。よくあるリレーションを張る。

import { Entity, PrimaryGeneratedColumn, Column, ManyToOne, JoinColumn } from "typeorm"
import { User } from "./user"

@Entity("ZMESSAGE")
export class Message {
  @PrimaryGeneratedColumn({ name: "Z_PK" })
    id!: number

  @ManyToOne(type => User)
  @JoinColumn({ name: "ZSENDER", referencedColumnName: "id" })
    sender?: User

  @Column({ name: "ZTEXT" })
    text?: string
}

import { Entity, PrimaryGeneratedColumn, Column, OneToMany } from "typeorm"
import { Message } from "./message"

@Entity("ZUSER")
export class User {
  @PrimaryGeneratedColumn({ name: "Z_PK" })
    id!: number

  @Column({ name: "ZNAME" })
    name?: string

  @OneToMany(type => Message, message => message.sender)
    messages?: Message[]
}

処理

データ構造をうつしたエンティティを書いたらこんな感じで利用する。

import { ConnectionOptions, createConnection } from "typeorm"
import { root } from "./paths"
import { User } from "./entity/user"
import { Message } from "./entity/message"

const options: ConnectionOptions = {
  type: "sqlite",
  database: `${root}/data/line.sqlite`,
  entities: [ User, Message ],
  logging: true
}

async function main () {
  const connection = await createConnection(options)
  const messageRepository = connection.getRepository(Message)
  const allMessages = await messageRepository.find()
  // メッセージを検索する
  allMessages.forEach((message: Message) => {
    const text = message.text
    if (!text) {
      return
    }
    if (text.match(/ape/)) {
      console.log(text)
    }
  })
  // メッセージと送信者を紐付ける
  const messages = await messageRepository
    .createQueryBuilder("ZMESSAGE")
    .leftJoinAndSelect("ZMESSAGE.sender", "ZUSER")
    .where("ZMESSAGE.Z_PK=:id")
    .setParameter("id", 3)
    .getMany()
  console.log(messages[0].sender)
}

main().catch(console.error)

おわり（＾ω＾ ）

無事パスワードをサルベージして、ログインすることができました。ついでに、この記事を書いてある間に、RAIDのリビルドも終わって最高マジ卍

今回のコード全体

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