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【NLP】〜2018年頃までの主要技術

Last updated at Posted at 2023-03-14

【Word2Vec】

特徴

Word2Vecは、自然言語処理の一種であり、単語の意味的な関係性を把握するための技術である。具体的には、単語をベクトルとして表現し、そのベクトル同士の距離や角度によって単語同士の意味的な関係を表現する。Word2Vecは、CBOWモデルとSkip-gramモデルの2つがあり、それぞれ単語の周辺の文脈情報から中心単語を予測する方法と、中心単語から周辺の文脈情報を予測する方法を取る。

進化したところ

Word2Vecは、最初にGoogleのMikolovらによって提案され、以来、多くの改良が加えられてきた。改良の一つとして、Negative Samplingという手法がある。この手法では、中心単語とランダムに選ばれたノイズ単語との間に意味的な差を強調することで、より高精度な単語埋め込みを得ることができる。

また、近年では、Word2Vecの代替として、より高度な手法が提案されている。例えば、BERTやGPT-2といった事前学習モデルが挙げられる。これらのモデルでは、より大規模なデータセットやより多様なタスクを利用することで、より高度な自然言語処理が可能になっている。

評価方法

Word2Vecの評価には、類似度評価や単語類推問題などが用いられる。類似度評価では、あらかじめ用意された単語ペアの類似度を計算し、それを人手で評価した結果と比較する。単語類推問題では、ある単語に対して、他の単語を提示し、その中から最も関連性が高いと思われる単語を選ぶというタスクを与える。これらの評価を通じて、Word2Vecの性能や改善の余地を明確にすることができる。

実用範囲

Word2Vecは、自然言語処理の分野で幅広く活用されている。例えば、検索エンジンのキーワード検索や、音声認識、機械翻訳、自動要約、感情分析、クラスタリング、推薦システムなどが挙げられる。また、Word2Vecは、情報検索や自然言語生成にも利用され、現在の自然言語処理技術の基盤となっている。さらに、Word2Vecを用いた単語埋め込みは、機械学習や深層学習の分野でも広く利用されており、画像認識や音声認識などのタスクにも応用されている。

【FASTText】

特徴

FASTTextは、Facebook Researchが開発した自然言語処理のためのオープンソースライブラリです。FASTTextは、テキスト分類、文書分類、単語埋め込みなどのタスクに使用できます。また、多言語対応であり、高速な学習と予測が可能です。

FASTTextは、以下のような特徴を持ちます

  • 高速な学習と予測: Hierarchical SoftmaxとNegative Samplingという技術を組み合わせているため、大規模なデータセットでも高速な学習と予測が可能です。
  • 自動的なN-gram機能: FASTTextは、自動的にN-gramを生成するため、文脈を考慮した単語表現を作成できます。これにより、単語のスペルミスやスペースの欠落などの誤りを補正することができます。
  • メモリ使用量の削減: FASTTextは、単語をサブワードに分割して処理するため、大規模なボキャブラリを扱う際にも、メモリ使用量を削減することができます。

進化したところ

FASTTextは、元々Word2Vecに基づいていましたが、その後、いくつかの改善が行われました。最も重要な進化の一つは、Subword Informationという概念を導入したことです。これにより、未知の単語に対しても、それがどのような単語であるかの情報を考慮して処理することができます。また、モデルの正則化や、より効率的な学習アルゴリズムの導入なども行われました。

評価方法

FASTTextは、テキスト分類、文書分類、単語埋め込みなどのタスクにおいて、高い精度を達成しています。評価方法としては、各タスクごとに適した指標を使用します。例えば、テキスト分類の場合はAccuracy、文書分類の場合はF1-scoreなどが用いられます。

実用範囲

FASTTextは、自然言語処理の幅広い分野で使用されています。例えば、以下のような分野があります。

  • 機械翻訳: FASTTextを使用して、単語やフレーズの翻訳モデルを作成する
  • 意図解釈: FASTTextを使用して、テキスト分類や文書分類を行い、ユーザーの意図を解釈することができます。これは、検索エンジンやレコメンデーションシステムなどに活用されます。
  • テキストマイニング: FASTTextを使用して、大量のテキストデータから傾向やトピックを抽出することができます。これは、マーケティングや顧客分析などに活用されます。
  • 自然言語生成: FASTTextを使用して、文の生成に必要な単語やフレーズの生成を行うことができます。これは、会話エージェントやチャットボットなどに活用されます。

以上のように、FASTTextは、自然言語処理の様々な分野で活用され、高い精度を発揮しています。また、オープンソースライブラリであるため、誰でも自由に利用することができます。

【Transformer】

特徴

Transformerは、Attention機構を基盤とした自然言語処理モデルであり、Googleによって2017年に発表されました。このモデルは、従来のリカレントニューラルネットワーク(RNN)ベースのアプローチに代わるものとして登場しました。Transformerは、RNNよりも長期的な依存関係を扱えるため、翻訳、要約、質問応答など、多くの自然言語処理タスクで高い性能を発揮しています。

Transformerは、エンコーダとデコーダの2つの主要なコンポーネントで構成されています。エンコーダは、入力シーケンスを受け取り、単語ベクトルに変換し、Attention機構を使用して、入力の各位置に関連する情報を集約します。デコーダは、出力シーケンスを生成するためにエンコーダの出力と前の出力を使用します。

進化したところ

Transformerは、自然言語処理タスクにおいて、現在では最も重要なモデルの一つです。Transformerの発明は、深層学習における革命的な進歩とみなされ、多くの自然言語処理タスクにおいて、従来のモデルを圧倒する性能を発揮しています。特に、長期的な依存関係があるタスクにおいては、従来のモデルよりも優れた結果を示しています。

また、Transformerの成功は、Attention機構の重要性を再確認し、自然言語処理の分野における機械学習の方向性を変えるきっかけとなりました。

評価方法

Transformerの性能評価には、多くの自然言語処理タスクでの精度評価が含まれます。これには、機械翻訳、要約、質問応答、文書分類などが含まれます。Transformerは、これらのタスクにおいて、従来のモデルよりも優れた結果を示しています。Transformerは、特に、長いシーケンスを処理する必要がある場合には、優れた性能を発揮します。

実用範囲

Transformerは、自然言語処理分野で最も重要なモデルの一つとなって、以下に詳しく説明します。

  • 機械翻訳: Transformerは、機械翻訳において最も成功したモデルの一つです。特に、大規模なトレーニングデータセットが利用可能な場合には、非常に高い精度を発揮します。また、翻訳された文が自然であることや、長い文を扱えることなど、従来のモデルよりも優れた点があります。

  • 要約: Transformerは、要約タスクにも使用されます。要約は、入力文書を短く要約することで、重要な情報を抽出するタスクです。Transformerは、長い文を扱えるため、入力文書が長い場合でも、高い要約精度を発揮します。

  • 質問応答: Transformerは、質問応答タスクにおいても使用されます。質問応答は、与えられた質問に対して、適切な回答を返すタスクです。Transformerは、大量の情報を扱えるため、多くの場合で優れた精度を発揮します。

  • 文書分類: Transformerは、文書分類タスクにおいても使用されます。文書分類は、与えられた文書を事前に定義されたカテゴリに分類するタスクです。Transformerは、大量のデータを扱うこ

【BERT】

BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、Googleが開発した自然言語処理(NLP)のための言語モデルです。BERTは、テキストの意味をより深く理解することで、NLPタスクにおける最先端の性能を発揮します。BERTは、2018年に発表され、その後、多くの研究者や企業によって活発に研究・応用されています。

特徴

BERTの最大の特徴は、双方向トランスフォーマーのエンコーダーを使用していることです。これにより、テキストを左から右と右から左の両方向から読み取り、文脈を考慮した単語の表現を作成することができます。BERTは、大量のテキストデータを学習しており、これにより、多数のNLPタスクで高い性能を発揮します。BERTは、汎用的な言語モデルであるため、多様なNLPタスクに適用することができます。

進化したところ

BERTは、その後、多くの改良が加えられました。BERTの最初のバージョンは、転移学習の方法で、大量のデータセットで学習されました。その後、BERTの改良版が提案され、ALBERTやRoBERTaなどのモデルが登場しました。これらのモデルは、BERTよりも大量のデータで学習し、より高速で効率的な学習を実現しました。また、BERTは、テキストの両方向のコンテキストを考慮していましたが、XLNetは、周辺の文脈を考慮することで、BERTよりも高い性能を発揮しました。

評価方法

BERTの性能は、多くのNLPタスクにおいて、先行技術に比べて優れていることが示されています。BERTは、GLUEベンチマークと呼ばれる、9つのNLPタスクを組み合わせたデータセットで評価されました。BERTは、このデータセットで最高の性能を発揮し、GLUEスコアの最高記録を更新しました。

実用範囲

BERTは、多様なNLPタスクに適用されています。たとえば、機械翻訳、テキスト分類、質問応答、要約、固有表現抽出、文書生成などがあります。BERTは、特にテキスト分類タスクにおいて高い性能を発揮します。例えば、感情分析や文書分類などのタスクに適用されています。また、BERTを利用した質問応答システムも開発されており、BERTは大量のテキストデータを学習しているため、一般的な知識や語彙を獲得しています。これにより、BERTは、検索エンジンなどの自然言語処理を必要とするアプリケーションにも適用されます。

BERTは、オープンソースで公開されており、多くの研究者や企業がBERTをベースにしたモデルを開発しています。BERTを利用することで、従来の手法では解決できなかったNLPタスクを解決することができ、NLPの分野において大きな進歩をもたらしました。

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